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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
戦争解決編
107/438

098.エイゾスの隠し部屋

 俺達がロンドと、今後について話し合っていると。

 兵士が一人、慌てて入ってきた。


「ご報告いたします。ライルゲバルト様率いる部隊が、到着したとのことです」

「おう、とうとうご到着なされたか」

「やっと来たのか」


 このシンジュの街に集結している貴族連合部隊の指揮を取るのは、おそらくライルゲバルトなのだろう。

 つまり、とうとう戦争が始まるということだ。


 まあ、その前にエイゾスの件を片付けないといけないけどな。


 俺とエレナはロンドに連れられて、ライルゲバルトの出迎えに行った。



「ライルゲバルト殿、はるばるお疲れ様です」

「おう、ロンド・ウォーセスターか。出迎えご苦労」


 そこで、ライルゲバルトと目があってしまった。


「お前は、セイジ! なぜ我らより先に!? エレナ様まで!」


「あんたらが遅いだけじゃないか? そんな事より、あの後イケブの街は、200匹以上のオークに襲撃されたぞ」


 まあ、実際はオーク300匹、ハイオーク20匹だったのだが……


「な、なんだと!? そ、それで、リルラは無事なのか!?」


 街の心配より、娘の心配が先か。まあ仕方ないけど。


「取り敢えず、リルラも、100名の兵士も、イケブの街も無事だ」

「そ、そうか。それは良かった…」


 ライルゲバルトは、一瞬父親の目をしたが。直ぐに厳しい顔に戻って―


「ロンド、他の貴族部隊は集合しているか?」

「はい、全て集合しています。ただ―」

「ん? 何か問題でもあるのか?」


「はい、エイゾス殿が、オーク達と内通していた事が判明しました」

「なんだと!?」


 ライルゲバルトに、これまでの経緯を話すと、エイゾスの尋問を行うことになった。



 場所をロンドのテントへ移し。

 俺、エレナ、ロンド、ライルゲバルトの前には、縄で縛られたエイゾスと、スラム街の商人が座らされていた。


「エイゾスよ、オーク達と内通していたと言うのは、本当のことなのか?」

「違う、ワシは騙されてたのだ」

「ほう、誰に騙されていたというのだ?」

「そこのオークにだ!」


「オーク? その商人のことか?」

「は!?」


 ライルゲバルトの質問に、エイゾスは「しまった」という表情をしていた。


「ライルゲバルト殿、その商人は、オークが化けているのです」

「なんだと!? エイゾス、お前は、コイツがオークだと知っていたのに、騙されたとでも言うのか?」

「そ、それは……」


 こいつアホだ!


「くそう! 国王にしっぽをふる犬が、偉そうにするでないわ!」

「なんだと!?」


 エイゾスは、追い詰められて変になったのか。ライルゲバルトに噛み付き始めた。


「あんな国王のもとでは、国が衰退する一方ではないか。だからワシがあんな国王に変わって、国を良くしてやろうとしていたのに…」

「それでオークと内通して、国を滅ぼそうとしていたとでも言うのか!」


「滅ぼす? とんでも無い。ゴブリンとオーク共に、邪魔者を一掃させて、その後でワシが王になる手筈だったのだ」


 そこにいる全員が、憐れむような目でエイゾスを見ていると。

 急にオークの商人が話し始めた。


「エイゾス、愚か者、ゴブリンキングは、エイゾスを、王に、しない」

「なんだと!? 話が違うではないか!」


「エイゾス、愚か者、用が済んだら、殺す」

「おのれ、謀ったな! 住む場所だけでなく、食料まで用意してやったというのに!」


「ダマされる奴、愚か者」


 その意見は、そこにいる全員が賛同していた。

 本当に、愚か者だ……


「おのれ! おのれ!!」


 エイゾスは余りにも暴れるので、兵士たちによって檻に戻されてしまった。



 そして、オークの商人の尋問を、改めて開始した。


「オークよ、お前たちの狙いは何だ」

「作戦、始まってる、もう、遅い」


「作戦とはなんだ」

「今頃、ゴブリンプリンス、スガ、イケブ、襲ってる。今から、移動、間に合わない。街、ゴブリン、占領」

「なんだと!?」


 ゴブリンプリンスは、スカベ村で倒したはずなのだが、もしかしてゴブリンプリンスって、何匹か居るのか?


「命、欲しいなら、おでを、逃がせ。そしたら、許してやる」


「生憎、俺はエイゾスの様な愚か者ではないので、騙されたりしないぞ」

「お前、ダマされない。愚か者、じゃない。ざんねん」


 しかし、スガの街とイケブの街が、ゴブリンプリンスに狙われているのは、本当なのだろう。

 イケブの街はリルラの部隊がいるから、まだましだが、スガの街は完全に無防備だ。俺が行くしかないのか?


 そんなことを考えていると、オークの商人がこんな事を言い出した。


「おで、腹減った。もっと、情報やるから、食い物、くれ」

「情報だと? どんな情報だ?」


「エイゾス、小さい人間の雌、好き。エイゾスに、小さい雌を、たくさん、贈り物、した」

「小さい人間の雌? ……もしかして、小児性愛か!? その贈り物はどこにいるんだ!」

「エイゾスの、家」


 それを聞いて、ロンドの部隊がエイゾスの屋敷に突入すると―

 隠し部屋に、10人の少女が監禁されていた。


 少女たちは、8歳~12歳くらいの子供たちばかりで、中には怪我をしている者も居た。

 エレナが、少女たちの傷を優しく治療してあげていた。


 おのれエイゾス、許すまじ。



 その頃、檻の中でオークが、美味しそうに食事をし。

 その横の檻の中では、エイゾスが暴れていた。


~~~~~~~~~~


 その後しばらくして、貴族連合会議が行われた。


 会議場には7人の貴族が半円状に座っていて、中央にはエイゾスが立たされていた。

 主席にはライルゲバルト、その右にロンドが座っていて、俺とエレナは少し離れた後ろの席に控えていた。


 出席者は、みんな一癖ありそうな奴等ばかりで。

 おそらく街の位置関係と同じ席に付いているようだった。


 気になったのが、イケブの街の領主と思われる、キツネ目の若い男。

 【鑑定】してみると、名前は『ブランフォード』。


 なんと、この男! レベル3の【情報魔法】を習得しているのだ。

 重要なのは、こいつも【鑑定】が使えるということ。


 そいつは、さっきから俺を、ジロジロみているが。

 俺は【隠蔽】を使って鑑定結果を偽装しているので、鑑定されても、あいつにはレベル1の商人に見えているはず。

 どうやら俺を鑑定し終えたらしく、「ふん」っと鼻をならして、急に俺に対する興味を失ったようだ。


 次にそいつは、エレナを鑑定したらしく、エレナのレベルの高さに、恐れおののいていた。

 エレナは俺が育てた、どやー!



「これより、貴族連合会議をとり行う。事前に知らされたと思うが、エイゾスがオークと内通していたことが分かった。まずはこの件を議題とする」


 ライルゲバルトの話から会議は開始された。


 しかし、行き成り、キツネ目の男『ブランフォード』が手を上げて、発言の許可を求めてきた。


「ブランフォード、発言を許可する」

「ありがとうございます。まずは、後ろにいらっしゃる、姫様と商人さんを紹介して頂けませんか?」


「商人? あい分かった。まずは、皆もご存知と思うが、エレナ・ドレアドス姫様だ。姫は御自ら、今回の戦争の裏で蠢いていた陰謀を調査なさっていた。となりの男は、姫様の護衛をしている、セイジというものだ」


 ブランフォードはキツネ目を更に鋭くして、俺を睨みつけていた。レベル1の商人が護衛と聞いて、違和感を感じているのだろう。


 ライルゲバルトが、エイゾスやスカベ村の事を全員に説明し、今後の事をどうするかが議題となった。


 そして、会議のすえ、エイゾスを王都に送って死刑にすることが決定した。

 エイゾスは真っ青な顔をして、兵士にしょっ引かれていった。



 そして、議題は戦争の話に。


「魔王軍の動きはどうなっている?」


 キツネ目野郎が立ち上がって、答え始めた。

 おそらくこいつは、情報収集の仕事をしているのだろう。


「魔王軍は、こちらの情報を察知したらしく、こちらとほぼ同数の、1万5千の兵を集結させ、『ナカ平原』に展開中です」


 『ナカ平原』は、地名なのかな? おそらくシンジュの街と魔族の街との間にあるのだろう。


「エレナ姫様、申し訳ありません。せっかく姫様が、ゴブリン達の陰謀を暴いてくださったのに。魔王軍も動き始めてしまった以上、戦争を止めることはもう出来ません」

「そ、そんな……」


 エレナは、ライルゲバルトにそう言われ、項垂(うなだ)れてしまった。

 全員の視線が項垂れるエレナに向いている中、俺は発言を求めて手をあげた。


「商人風情が、この高貴な貴族連合会議の場で、発言を求めるとは。立場をわきまえろ!」


 キツネ目野郎は、俺が手を上げたことに腹を立て、怒鳴り散らしてきた。


「まあ良い、発言を認める」

「で、ですが……」

「俺がいいと言っているのだ」


 キツネ目野郎は、ライルゲバルトに言われて、すごすご引き下がった。


「それでは、発言させて頂きます。ゴブリン達は、こちらと魔王軍とが戦い、消耗した所を狙ってくると思われます。消耗をなるべく避け、早めに、魔王軍との話し合いの場を設けるのが、得策かと思います」


 エレナは、俺の発言ににっこり微笑んでくれた。

 他の貴族たちも、特に異論を唱える者は、いなかった。


Yes○○Noタッチ!


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