097.懲らしめてやりなさい
2015/08/06 19:54 「指定た」→「していた」修正しました。
2015/08/07 17:20 「ロイド」→「ロンド」
翌朝目が覚めると、エレナの可愛い寝顔が、直ぐ横にあった。
アヤと三人で寝る分には、あまり問題無さそうな気がするけど……(問題大有りです)
流石に二人だと犯罪の臭がする。
「ふぁ~、おはようござます、セイジ様」
「おはようエレナ」
今日は何だか、物凄く頑張れそうな気がする!
俺は、テントの暴走が収まるのを待って、活動を開始した。
~~~~~~~~~~
まずは、ロンドのところへ行き、食料奪還の報告だ。
キャンプ入り口の兵士に話しかけると、すんなり通してくれた。
「ようロンド、取り返してきたぜ」
「そうか、って、取り返した食料はどこにあるんだ?」
「魔法で運んできたんだ、何処に置けばいい?」
「魔法で!? 分かった、食料保管用のテントに案内しよう」
ロンドに案内され、大きなテントにやって来た。
テントの中には、オークの肉が山積みにされていた。
「オークの肉ばっかりだな」
「なぜか、オークの肉は盗まれなかったのだが。昨日の話を聞いて納得した。オークが泥棒なら、さすがにオークの肉は盗まないよな」
ああそうか、それでスラム街の倉庫には、オークの肉が無かったのか。まあ、考えて見ればあたりまえだよな。
「他の部隊の食料も混ざってると思うが、取り返してきた食料は、全部ここに置けばいいのか?」
「他の部隊へは、俺の方で処理しておく。全部ここにおいていいぞ」
このロンドとかいう男、闘技大会ではあまり話さなかったが、結構優秀な奴なのかもしれないな。
根回しだとか、他の貴族への連絡だとかは、全部任せてしまおう。
取り返してきた食料を、インベントリから出して、テント内に全部置くと、ロンドは驚いていた。
「こんな沢山の食料を、取り返してきてくれたのか。しかし、すごい魔法だ。この魔法があれば、遠征もかなり楽になるぞ。どうだ、セイジ、俺の部下にならないか?」
「俺には俺の仕事があるんだ、他をあたってくれ」
「お前の仕事とは、何なのだ?」
「エレナの護衛と、手伝いかな」
「護衛はわかるが、手伝いとは?」
「私とセイジ様は、戦争を止めるために動いています」
「戦争を止めるですと!?」
ロンドに、これまでの経緯を話すと―
「なるほど、それで【人化の魔石】でオークが化けて潜り込んでいるのか。しかし、そうなると、この街を治める『エイゾス』は、完全に黒だな」
「ああ、おそらくそうだ」
「しかし、証拠がない」
そんな話をしていると、急に【警戒】魔法が『危険』を知らせてきた。
「ちょっとまってくれ、何か起こったみたいだ」
「なに!?」
確認してみると、スラム街の食料倉庫の扉に付けていたビーコンだった。
ロンドとエレナにも見えるように、映像を映しだすと―
食料倉庫の異変に気づいたオーク達が、開かない扉を体当たりで壊そうとしていた。
「これは?」
「食料を取り返したことが直ぐにばれないように、扉に細工をしておいたんだ」
「なるほど」
オーク達は、なんとか扉をこじ開け、空っぽの倉庫を見て、慌て始めた。
そこへ、一匹のハイオークがやってきて、オーク達に指示を出し始めた。どうやらここのボスらしい。
しばらく見ていると、ハイオークは【人化の魔石】を取り出して人間に化けた。
それを見たロンドが、いきなり叫んだ。
「あ、この男、見たことがあるぞ!」
「見たことがあるって、人間に化けたハイオークをか?」
「ああ、あいつは、スカベ村が魔王軍に滅ぼされたと証言した、『スラム街の商人』だ!」
まあ、オークだらけのスラム街出身なのだから、当然オークだとは思っていたが。ハイオークだったのか。
しばらく、様子を見ていると―
もう一人、人間が現れた。
「エ、エイゾス!?」
音声を聞いてみると―
『エイゾス様、ご覧の通り、です』
『馬鹿者! あれほど、見張りをちゃんとして置くように、言っておいたではないか!』
『見張り、ちゃんと、居た。でも、盗まれた』
「まさか、エイゾス殿が、直接指示をしていたとは……」
ロンドはエイゾスに対して呆れ返っていた。
「ここに乗り込むか?」
「乗り込む? しかし、今からでは、逃げられてしまうのでは?」
「まあ、任せろ。エレナも行くぞ」
「はい、セイジ様」
「一体何をするんだ?」
ロンドに武器を持たせて、鎧を着させ。
俺達は【瞬間移動】でエイゾスの所へ飛んだ。
~~~~~~~~~~
「よう、エイゾスさん。こんなオークばかりの所で何しているんだ?」
「ふぁ!? お、お前たちは! 一体何処から現れた!」
「エイゾス殿、流石にこれは言い逃れできませんよ」
「おのれロンド。若造の分際でワシに盾付きよって! おい、お前たち、こいつらを殺してしまえ!」
まるで悪代官だな……
さしずめ俺達は、どこかのちりめん問屋のご隠居と言ったところか。
配役的に言って、俺とロンドが助さん格さんで、エレナが黄門様かな。
エレナのコウモン様、見てみたいな~ あれ? 俺、なんか変な事言ったかな? まあいいか。
俺達は、エイゾスと沢山のオークに囲まれていた。
「おいセイジ、この状況どうするんだ!」
「ん? このくらい、どうってことないだろ?」
「何を言っているんだ、エレナ様も居るんだぞ!」
「エレナだって、自分の身ぐらい守れるさ」
「何をバカなことを…」
バコーン!
エレナの方を見ると、忍び寄ってきたオークを一匹。殴り飛ばしている所だった。
「!?」
「な、大丈夫だろ?」
「お、おう…」
「何をしておる! たった3人では無いか! さっさと始末しろ!!」
後ろのほうでエイゾスが騒いでいる。
こうしてみると、エイゾスも体型的にオークに似てる感じがする。オーク達と並んでいると、一瞬では見分けがつかないな。
俺とロンドは一斉に走り出し、オークの大群に突っ込んだ。
俺が右を、ロンドが左を、俺達はオークをバッタバッタと切り刻む。
中央部分のオークは、これ幸いと、エレナに向かって突出する。
「【雹】!」
しかし、突出したオーク達は、エレナの【雹】攻撃で、次々に倒れていく。
オーク達とロンドは、荒れ狂う雹に驚き戸惑っているが。俺はその隙にオークたちを、素早く料理する。
とうとう中央部分は、氷漬けオークの展覧会となってしまった。
エレナはその後も、俺とロンドを上手く避けて、オーク達にめがけ、巨大な氷を次々に落としていく。
気が付くと、氷の壁でエイゾスとハイオークの商人が囲まれていて、逃げ場を失っている。
エレナはこれを狙っていたのか!
生き残りを片付けて、エイゾスとハイオークの商人に近づくと―
一人と一匹はオロオロしていた。
「エイゾス、神妙にお縄につけ」
「ロンド、おのれ!」
ロンドが、エイゾスを捕まえている間に、俺はハイオークの商人を気絶させていた。
縄で縛り上げたエイゾスとハイオークの商人を連れて、ロンドの部隊のキャンプへ戻り、彼奴らを檻に閉じ込め。
そして、ロンドのテントに戻ってきた。
「セイジ、礼を言わねばならんな」
「一番活躍したのは、エレナだぞ」
「そうでした。エレナ様、この度は、ご協力いただきまして、誠にありがとうございました」
「いえ、そんな事より、あの者達は、どうするのですか?」
「この街に集結している遠征貴族部隊の責任者を集めて、対応を検討します」
「よろしくお願いします」
「出来ましたら、お二人にも、その会議に参加していただきたい」
「私はかまいません、セイジ様はどうされますか?」
「なるべく目立たないように頼む」
「分かった、何とかしておく」
俺達が、そんな話をしている丁度その時―
ライルゲバルト率いる部隊が、やっとシンジュの街に到着していた。
気が付くと、時代劇風になってしまった。
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