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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
戦争解決編
105/438

096.MGS

2015/08/06 19:02 「写って」→「映って」修正しました。

「あ! 『黄金鎧のロンド』か!!」


「おい! 鎧で人を覚えるな」

「あの時あんたは、ずっと鎧を着てて、顔を隠してたじゃないか」

「俺は有名人だからな、仕方ないんだ」


「セイジ様、ロンド様は、ニッポの街を治める『ウォーセスター家』の嫡男(ちゃくなん)なんですよ」

「ニッポの街って、闘技大会が開催されてた街じゃないか。自分の家が治める街の大会に、出てたのか」



「そんな事はどうでもいい、食料泥棒の情報をさっさと報告しないか」

「そういえば、そうだった」


 俺は、食料泥棒に関する話をロンドに聞かせた。


「うーむ、(にわか)には信じ難いな」

「ん? スラム街の奴が犯罪を犯す事くらい、よくある話だろ?」


「犯行の手口が鮮やかすぎるのだ。シンジュの街に集まる我々貴族部隊のほぼ全てが、同時に食料をほぼ全て盗まれている。厳重な警備を行っていたにも関わらずだ」


 なるほど、そんな大規模かつ計画的な犯行は、スラム街の奴だけでは難しいな


「お前を疑うわけじゃないが、何か証拠は無いのか?」


「分かった、証拠を見せよう」


 俺は、小麦粉の袋に付けていた【追跡用ビーコン】の映像を、ロンドに見せた。


「何だこの魔法は!」

「他言無用で頼む」

「お、おう」


 犯人達が、オークに戻る姿まで、見せ終わった所で―


「オーク!? 人がオークになったぞ!」

「逆だ、オークが人に化けてるんだ」

「なん、だと!?」


 【人化の魔石】関係の説明をすると、ロンドは難しい顔をして―


「オークが何かを企んでいるのは分かった。しかし問題は、どうしてオークに警備の情報が漏れたかだ。これは明らかに、警備の隙を突いた犯行だ」


「警備の情報を知っている者は?」

「警備の内容は、貴族同士で集まって話し合った。漏れたとすれば、その話し合いを盗み聞きされたか」

「もしくは、その参加者が情報を流したか」


「なんだと! 貴族の中に裏切り者が居るとでも言うのか?」

「ロンドは、居ないと思うのか?」


「……居るかもしれん……」


「貴族の部隊の中で、食料を盗まれていない部隊は無いのか?」

「無い、遠征貴族部隊は全て、食料を盗まれている」


 ん? なにか引っかかる。なんだろう?



「犯人はともかく。食料を隠している場所も解ってるし、取り敢えず、食料を取り返しに行かないのか?」


「ここは、『エイゾス家』が治めるシンジュの街だ、取り返しに行くにしても、エイゾス家に許可を貰わなければ」


 貴族は貴族で、結構面倒くさいんだな。


~~~~~~~~~~


 俺達は、ロンドに連れられて、エイゾス家の屋敷にやってきた。

 しかしこの屋敷、なんか臭う……


 ロンドのお陰で、すんなりと中に通され。当主と会うことが出来た。


 エイゾス家当主は、目つきの鋭い、少し太ったオッサンだった。


「食料泥棒の情報を掴んだということだそうだが、そいつらが犯人か?」

「いや、この者は目撃者だ。それに、そちらの女性は、エレナ・ドレアドス姫様だ」

「姫様!? これは失礼しました」


 なんかこのオッサン、エレナを見る目が少し変だ。

 エレナの身の安全のため、アヤの追跡用ビーコンを外して、このオッサンに付けておいた。



 俺はまた、食料泥棒の目撃情報を話し、ビーコンの映像も見せたのだが―


「何故、スラム街の捜索許可が出せないのだ! 泥棒がスラム街の倉庫に食料を隠している所も、ちゃんと映っているではないか!」

「その魔法の映像が、本当のことである保証はあるまい?」


「セイジ様のおっしゃってることは、本当です。私が保証致します」

「これはこれは、エレナ様。エレナ様は王族とはいえ、公式には何の権限も与えられてはおりません。ことこの街の政治に関しては、わたくしに全ての権限が与えられておりますので。どうか口出し無用に願います」

「きさま、エレナ様に向かって無礼だぞ」

「これは失礼」


 ロンドとエイゾスは、睨み合いを始めてしまった。



 結局、スラム街の捜索許可を得ることが出来ず。ロンドのテントに戻ってきてしまった。


「まさか、エイゾス家が情報を流していたんじゃないだろうか?」


 多分、そのまさかだろうな。


「しかし、俺や他の遠征貴族の部隊では、勝手に動くことは出来ない」

「俺が取り戻してこようか?」

「なに!? しかし、相手はオークの大群なのだぞ?」

「あの大会で優勝したのが誰だったか、忘れたのか?」


「そうか…… しかし、なるべく騒ぎにならないように取り返せないか?」

「そうだな…… 夜なら、たぶん大丈夫だ」

「そうか、夜なら忍び込みやすくなるか。分かった、この件はお前に任せる。他の貴族たちへの根回しは俺がやっておくから、そちらは頼んだぞ!」

「任せろ」



 俺達は、ロンドのテントを後にして、宿屋に部屋を取った。


「セイジ様、本当にお一人で行くのですか?」

「ああ、今回は戦わずに、こっそり食料を取り返しに行くだけだからな」

「わかりました、お気をつけて」



 夜まで少し時間があったので、スガの街の武器屋で、出来上がった装備を受け取ってきた。


・雷のネックレス+4(ミスリル)

・回復の杖+3(千年桜)

・回復のネックレス+3(ミスリル)

・風の髪飾り+1

・風のロッド+1

・水の髪飾り+1

・水のロッド+1

・氷の髪飾り+1

・氷のロッド+1

・闇のロッド+1


 かなり豪華なコレクションになってしまった。



 その後、日が沈んで暗くなるのを待ってから、スラム街に向かった。


 【瞬間移動】で行けたら楽なのだが。

 倉庫内の映像を確認してみると、複数のオークが見張っていて、移動した瞬間に見つかってしまう可能性がある。

 やむを得ず、【夜陰】を使用して、徒歩でスラム街に向かっていた。


 しかし、このスラム街、激しくイカ臭い。入り口以外はオークだらけだし。

 よく今までバレなかったものだ。


 【夜陰】を使用しているものの、本当に見つからないのか不安だったので、なるべくオークに見つからないようにこそこそと移動し、やっと倉庫の前までやってきた。

 しかし、この倉庫、周りのバラックの様な建物の並ぶ風景とは明らかに場違いな大きさだ。

 逆に、この倉庫の周りにスラムが出来たのかも知れないな。


 倉庫の周りをチェックしたが、忍び込めそうな場所はなかった。

 しかたがないので、見張りの交代が来るのを待って、その隙に中に侵入した。


 倉庫の中には3匹ほどのオークが見張りをしていたが、オーク達は油断しきっていた。

 オークたちを3匹とも【睡眠】で眠らせ、首をはねてインベントリにしまいこんだ。


 倉庫の扉を、簡単には開かないように細工をして。小麦粉の袋に付けていた追跡用ビーコンを、倉庫の扉に移しておいた。

 その後は、ゆっくりと倉庫内の食料を全てインベントリにしまって、【瞬間移動】で帰還した。



 宿屋に戻ると、エレナは眠そうな目をこすりながら、まだ起きていた。


「セイジ様、お帰りなさいませ。大丈夫でしたか?」

「エレナ、まだ起きていたのか? 先に寝ていればよかったのに」

「そういうわけにも行きません」


「もう遅いから、取り返した食料を届けに行くのは明日にして、もう休もう」

「はい」


 俺とエレナは、ダブルベッドでぐっすりと眠った。


 あれ? 何だか俺、エレナと一緒に寝ることに慣れすぎていないか?

 まあいいか……


戦争がまだ始まらないよ~


ご感想お待ちしております。

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