3月31日 ストロー
3月31日
ストロー
Straw
#ECE093
R:236 G:224 B:147
3月31日 ストロー
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加奈子は、朝寝坊をした。
久しぶりに実家に戻ってきた昨夜は、両親や弟との家族団欒ということで、結構遅くまで、お茶を飲みつつ話をした。
そして、久々に、実家の自分の部屋で目が覚めた。
部屋は、もう長いこと使っていないわけであるが、母はそれでもきちんと掃除をしておいてくれていた。
ふと壁を見ると、昔取り付けた壁掛けの所に、麦わら帽子が1つ掛かっている。
それは加奈子にとって、懐かしい思い出の帽子だった。
「まだ、残しておいてくれてたんだ。」
本体よりもやや濃い目の茶色のサテンのリボンが一周巻かれたその麦わら帽子は、加奈子がこの家を出ていく前の年の夏に買ったものだった。家族で一緒に出かけた高原にも被っていった。
加奈子は麦わら帽子を手に取ってみる。
そして、そのまま被ってみた。
「あぁ、もう麦わら帽子なんて、似合わなくなっちゃったなぁ」
写真は、芝生の上に置かれた麦わら帽子。
わらのような薄いくすんだ黄色。
麦わら帽子、被っていると結構、汗で蒸れたりして……。
あと、チクチクする感じとか……。
それでも、見ると懐かしくなってしまう、ちょっと不思議なアイテムです。




