12月21日 リラ
12月21日
リラ
Lilas
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12月21日 リラ
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その場に居合わせた者たちは騒然となった。
国王夫妻の間に生まれた姫君の洗礼式というおめでたい席であったのはずなのに、その場で、肝心の姫君に呪いが掛けられてしまったのだ。
「なんと、おいたわしい。16歳と言ったら、きっと輝くような美しい姫に成長しているだろうに。ちょうどその頃に、お亡くなりになることが運命づけられてしまうとは。」
既にオーロラ姫に贈り物を渡し終えてしまっていた妖精たちも、あまりのことに身動きさえできない有様。
唯一、贈り物をまだ贈っていなかったリラの精だけが、すっくと立ちあがったのだった。
「ご安心ください、両陛下。と言っても、カラボスの呪いを完全に消し去ることはできません。弱めることができるだけです。オーロラ姫様は、16歳の誕生日を迎えた日に死にはしません。100年の眠りにつくことでしょう。そして、100年後に王子が現れて姫様の眠りを覚ますことでしょう。これが、私、リラの精の贈り物でございます。」
写真は、リラ(ライラック)の花。
ライラックの花のような薄い紫色。
リラはフランス語です。
バレエ『眠れる森の美女』に登場する、リラの精。
悪の精カラボスから呪われてしまったオーロラ姫を救う妖精です。
このリラの精、城全体、王国中を100年の眠りにつかせ、さらに100年後にデジレ王子に幻影を見せてオーロラ姫に引き合わせ、と大活躍。
あれ? ひょっとして、主人公ってリラの精なの? という……。




