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11月15日 墨色
11月15日
墨色
すみいろ
#473A17
R:71 G:58 B:23
11月15日 墨色
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西園寺麗奈にとって、習字の時間はひどく憂鬱な時間であった。
それは、まあ、筆でもって名を書くと、必ず自分の名の面倒な部分が露わになるためだからで、これは、仕方がないのであった。
特に園と麗は壊滅的であった。
墨で潰れてしまい、何かの塊のようになってしまうし、全体のバランスもとりにくい。
メインの方の四字熟語が上手く書けても、必ず自分の名前のところでぐちゃぐちゃになってしまうのだ。
「いっそのこと、全部、塗り潰してしまえたらいいのに。」
たっぷり墨を含んだ筆で、上から下へ真っ黒な縦線を引くさまを想像したりしたものの、実行できるほどの度胸はなかった。
まだ、墨が乾かない長半紙からは、独特の湿った香りがした。
写真は、金地に墨で描かれた抽象的な線。
墨のような黒色。
バースデーカラーの墨色は、濃いセピア色に見えます。
この色も解釈に幅がありそうです。




