7月13日 紺青
7月13日
紺青
こんじょう
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R:25 G:47 B:96
7月13日 紺青
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忙しくて思うようには逢えないことに、俺は少しイラついていた。
だからこそ、彼女の希望を優先したいと思ったのだが、彼女は困ったように俯くだけだった。
「何でもいいんだ。行きたいところ、食べたいもの、見たいもの。何か、俺と一緒にしたいこととかない?」
俺は、どうにかして答えを引き出そうと躍起になった。
「う~ん。ちょっと難しいかな。」
ようやく口にした言葉がそれだった。
「何が難しいんだよ。言ってくれないと分かんないんだけど。」
俺は、彼女が何を望んでいるのか知りたかった。
「夜の水族館に行ってみたい。夜中、誰もいなくなった後の水槽の中でお魚がどう過ごしているのか見てみたい。」
俺は、まったく想像してもみなかった答えに戸惑った。
「ごめんね。やっぱり無理だよね。聞かなかったことにして。」
彼女は再び黙ってしまった。
夜中の水族館。夜の暗く濃い紺青の世界に浮かぶ、魚や水棲生物。
それは、確かに面白そうだ。
そして、人間は俺たち2人きり……。
どうにかして実現できないか、俺は考え始めた。
写真は、水槽に浮かぶクラゲ。
鉄のシアノ錯体に過剰量の鉄イオンを加えることで、濃青色の沈殿として得られる顔料の暗い青色。
プルシアンブルー、ベルリン藍などの呼び名もあり、日本では浮世絵に効果的に使われたことから、広重ブルー、北斎ブルー、ジャパンブルーとしても知られる。
夜の水族館は、体験イベントとして時々募集があるようですが、倍率は高そうですね。
2人きり、というのもハードルとしてちょっと高い気が……。




