6月15日　ライトアプリコット

6月15日　ライトアプリコット

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某検索システムの地図サービスに、指定した地点で撮影された映像を見ることができる、というものがある。

その映像は、カメラを搭載した車や空撮、あるいは徒歩で担当者が撮影してきた画像データがよりどころとなっている。

結局のところ、データ集めの手法は人海戦術に頼っているため、瞬時瞬時で更新されているわけではない。

つまり、かなり古い、といっても10年くらい前までなのだが、データが残されていることもある。

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時折、ネットの地図表示サービスに付随する画像に、もう会(・)え(・)な(・)い(・)は(・)ず(・)人(・)が写っていることがある、という話を聞いてはいた。

信じていたわけではない。

だって、そのタイミングに偶然そこにいた、なんていう奇跡がそうそうあるわけがないのだ。

だけど。

一縷の望みでは、あったのだ。

もう、無くなってしまったかつての我が家。

すぐ横の通りまで塀からはみ出して花を付けた淡いアンズ色のバラは、母が育てたものだった。

近所の商店街へ買い物に出かける瞬間だろうか？

父と母が連れ立って歩いている。

私は、両親がこんなふうに2人並んで歩いていた様子を知らなかった。