21day6
たった1人で地上に降りる。ここからは僕1人だけで行くしかない。持ってきた携帯が鳴る。即出る。
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっ、井上お前がゲームに乗るとわな。おまえが、人のことを考えないお前がな、人のために命を懸けるなんてなっはっはっはっはっは」
笑い声を黙って聞く。そいつは車に乗っているのか風を切る音がする。
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっ、まぁいいそれじゃあゲームの内容だ、そこから高いホテルが見えるだろ、そこまで2日以内に来い」
そいつが示した目的地は斎藤と約束していたところだった。
「あそこはいいぞ、物が大量に余ってやがるはっはっはっはっはっはっはっはっはっ」
そいつは何度も何度も笑う、だがなにも言わず黙って聞く。
「ああ、そうだ途中で女を拾ったんだ声聞くか」
そいつは誰かに電話を変わる。
「あなた大丈夫」
「大丈夫、で紗枝は」
「ゾンビに追われてたけど、この人が助けてくれたから怪我もしてないよ、えっ」
携帯がどこかに叩きつけられる。声は遠くなったが声は拾えていた。
「さてと無事でよかった、人質としての価値がなくなると意味ねえからな」
「えっ、あなた」
「そいつの言うことを聞いておけ、今から助けに行く」
聞こえるか分からないが、そう叫ぶ。
「らしいぜ、女」
「…………………わかった、あなたちゃんと来てね」
「わかってる、彼女の命の保証は」
「ああ、してやるよ今から48時間は、ただし1秒でも遅れたら頭を吹っ飛ばす、はっはっはっはっはっはっはっはっはっゲームスタートだ」
電話が切れる。
「後48時間か」
そう呟き走り始める。歩いてる余裕はない、走り続けなければならないだろう。それだけを決意し進み始めた。




