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20day1

「ニュースの時間で今朝各社マスコミに」

 会社へと向かう、電車の中で流れるニュースはとある会社で内部告発があったと言うニュースばかりだ。これは夢だ。

「次は」

 次の駅で降りる必要があるので出入り口に寄っていく。これは夢だ。これは夢なんだ。夢なだけなんだ。

「ふぅ」

 いつの間にか降り、会社のそばまで来ていた。あんなことをしたのに休まなかったのは休んだことで自分がやったと知られたくはなかった為だ。

「さてと」

 中に入りいつも通りエレベーターで自分の部署に向かう、会社の中は様々な人が動き回っていた。だからその中に混ざるように少し駆け足で移動する。そうして閉まりかけのエレベーターに滑り込み上を目指す。夢だ夢だ夢だ。

「よしついた」

 そうして目的の階に着き、目的の場所に。

「えっ」

 入ったとたん僕の事を全員がにらむ。それは殺意が。見るな。見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな……………………見るな。


「あなた」

 紗枝が叫び、右腕に痛み。何で痛みがあるのだろうと見ると紗枝が右腕を押さえつけていた。そこまでして気づいたのだが紗枝が僕のからだの上に跨がっていた。

「えっ、何が」

 周りを見て思い出す、昨日はたしか荷物を一部捨て歩き出し、暗くなる前に近くに捨てられてあった乗用車のドアをバールでこじ開け眠ることにしたはずだった。だがそこまで思い出せても紗枝が上に跨がっているのを説明できない。

「あなたお願い、死のうとしないで」

「死のうとしないって一体」

 そこまで言って気付く、僕が右手に何かを握っていることに。

「本当に、ならあなたごめんね」

 紗枝が僕の右腕を離し、上からどける、そこでやっと分かった。僕は右手に拳銃を握っていた。弾が込められているグロックだ。

「うわっ」

 手を離すと、当たり前ではあるがそれは下に落ちる。落ちたことで音を立てる。

「んっパパおはよう」

 落とした音で菜々美が目を覚ます。

「あっああおはよう」

「パパ今日は」

「今日もご飯食べて歩くぐらいかな」

「うん」

「じゃあ行こう」

 菜々美には隠し通せたが銃を握っていた手は震え、気分は最悪だった。

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