19day1
「よし」
後輩に相談しついに決意した。これは夢だ。
「こいつを」
爆発音がする。
「あなた」
「んっ」
飛び起きる、また爆発音。
「パパ怖いよ」
菜々美が怖がっている。
「紗枝何が起きてる」
「あなたコンテナが」
窓から外を見る、コンテナが連続で爆発していく。
「何があったんだよ、荷物まとめろ逃げるぞ」
爆発音がしていく中、荷物をまとめる。それほど汚していないのですぐだ。
「紗枝銃」
「うんあなた」
リュックを背負い僕はアサルトライフルを、紗枝はサブマシンガンを用意する。
「弾は」
「これで最後」
「そっか」
それだけを確認し、拠点をあとにする。
「ひとまずバイクまで行こう」
「ええ」
「うん」
ドアを閉めずに移動する、爆発音はやむことはない。
「甲板に出るぞ」
甲板に出るしか下に行く手段はない、ドアのそばにはコンテナはなかったはずなので爆発に巻き込まれることはないだろうが、ゾンビを避けることはできないだろう。
「覚悟はいい」
と言っても、早く出ないと出られなくなってしまう。だからドアを開ける。また爆発音。中からはゾンビの姿は見えない。
「よし行こう」
銃を構え、甲板に飛び出す。下に進む階段はすぐそばにある。
「あなたあれ」
だがその階段は無くなっていた、いや正確に言うと吹き飛ばされたコンテナの残骸で塞がれてしまっていた。
「えっ」
二度見するが変わらない、塞がれてしまっている。そして塞いだコンテナの残骸は大きくどけている余裕はない。
「パパゾンビが」
菜々美がゾンビの存在に気付く。爆発音に混じり呻き声が聞こえ出す。それも大量に。
「あなたどうしよう」
考えている余裕はない。
「逃げるぞ」
「どこに」
「どこって」
中に逃げるしかないが、それでは逃げ道が無くなる、だから。
「2人とも泳げたよね」
「泳げるよあなた」
「泳げるけど」
それだけを確認する。
「こっちだ」
船の中ではなく、後方に向かって走る。銃は撃たない、撃っても弾の無駄でしかない。
「あなたそっちは」
紗枝が何か言ってるがちゃんとついてきている。
「海だけなのはわかってるよ」
「なら」
「海に飛び込む」
そこしか逃げ道はない、そして端にたどり着く。
「よし準備は」
後ろにはゾンビが迫る。
「できる」
「菜々美も」
「よしなら行くぞ」
そうして海に飛び込んでいった。




