15day2
移動をする前に、移動する先、つまり船の位置を確認するために屋上に上がる。
「わ~船が見えるよパパ」
船は南側に見える、それはわかっていたのだがその間にビルが30棟ほどあった。
「30か」
リュックとウエストポーチの他にライフルを2丁とも、その場にあった紐でくくり背負っているので少し荷物が重いが、問題はないだろう。
「暗くなる前には着きたいな」
「そうだね、あなた」
「なら移動しようか」
移動する方向も、距離も分かったので後はそこまでたどり着くだけだ。だが移動する前にこのビルに忘れ物がないかや使えるものがないかと確認する。だが目ぼしいものは見つからず、なにも持ち出さずに移動することにする。
「紗枝そっち持って」
「うん」
紗枝と2人ではしごを南側に運ぶ、南側の窓を開けはしごをかける。
「よし行こうか」
そこまで終わった所で移動を開始する。移動しながら話をする、たわいもない話だ。
「そう言えば紗枝」
「なにあなた」
「前にバーサーカーって呼ばれてたけど何をしたの」
ずっと疑問であった。
「……………あなた私のこと嫌いにならない」
「なんないよ」
「あのとき襲ったがいたでしょ」
「パパ襲われたの」
「菜々美に会う前に1回だけ」
「そのときに襲ってきたのをね」
紗枝はそこまでしか言わなかったが、何となくだが察しはついた。殺したのだろう。
「そっか怖かったな」
「ううん、怖くなんかないよ、あなたのためならなにも怖くない」
「そうか」
そんな話をしながら、はしごをかけ、渡り次のビルに移るのを繰り返す。
「パパ菜々美お腹空いた」
「ならちょうど半分だしお昼にしようか」
お昼ご飯も固形食料だ。手軽に食べられるし、美味しいし、数も持っているので気軽に食べられる。
「パパ美味しいね」
「そうだね」
少し口の中がパサパサするのが難点だが、食べ終わる。そのついでに体も少し休め移動を再開する。




