14day3
病院、ゾンビ映画でたまに出てくるが、いい感じはしないところであり、できればいきたくはなかった。
「まあ中の安全はある程度確保される」
「本当だろうな」
「ああ、1度行ったんだ、問題があればここにはいない」
「…………それもそうか、でどうやって行くんだ」
「はしごで渡っていく」
また高所ではしごを伝っていかなければならないが、仕方なさそうだ。最終確認として紗枝たちに聞く。
「僕は行くけど2人は」
「あなたが行くなら行く」
「パパとママについてく」
「よし、じゃあいくぞ」
そう言って山口はこの部屋にある窓を開ける。そこには向かいの窓が見える。
「井上手伝え」
「わかった」
部屋から出て、わたってきた梯子を2人で運び、窓にかけ、隣に渡す。それだけで固定はしない。
「よし行くか」
山口がわたり、それに続く。2回目であっても怖いものは怖かった。
「それでこれを何回繰り返すんだ」
「後19回だ」
「なら下からの方が」
「病院の入り口をシャッターで塞いできた、破れないことはないだろうが」
「なら上からの方が良さそうだ」
シャッターを破ることを考えたら、高所の恐怖を耐えた方が良さそうだ。
「よし全員わたったな」
また梯子を移動させ、窓にかけ、隣に渡す。そしてそれをわたる。それを17回繰り返した。12回ほどやった辺りで全員慣れ、そこからはスムーズに渡っていった。渡りきると白い建物が隣に来る。
「目的地だ」
「聞きたいんだがこの病院のどこに降りて、どこまで行くんだ」
「言ってなかったか」
「言ってない」
「なら言うが、10階に降りて地下3階を目指す」
13階分降りることになるらしい。
「嫌そうな顔をしてるがいい情報もある、ゾンビは探索したところは処理してあるから安心してくれ」
「そうか」
ゾンビがいないのは安心できる。
「まあ探索したところだけだが、準備はいいな」
「ああ」
そうして病院に入っていく。




