14day2
たどり着いた目的地は山口の寝床となっていると思われる部屋であった。
「ようこそ、俺の拠点へ」
寝袋に食料、ラジオ、空のペットボトル、ごみ、それに焚き火のあと。生活感が溢れているところだった。
「で」
ただこの場所を見せたいから案内したわけではないと思い、話を促す。
「取り引きしないか、報酬はここにあるすべて、この場所はいいぞ正規の入り口は車が突っ込んでいて、裏口は鍵がかかっている、だからゾンビに教われはしないはずだ。それに食い物もそれなりにあるし、寝袋もある」
「なら捨てなければいいんじゃないか」
話だけ聞く分にはかなり安全そうだ。
「ここよりも安全な場所を見つけた、まあシェルターなんだが」
「そうか」
「そこまでいく道は用意してあるんだが、どうしても外から閉めないといけないらしい」
「つまり人手を借りたいと」
「ああ、あと大型のシェルターだったから入れる人数に余裕はあるようだったから、もし使いたいなら構わないぞ」
最高で3人は安全なシェルターに逃げ込めるらしい。
「食料とかは」
「わかる範囲で10人が6ヶ月ほど楽に過ごせる量があったな」
要するに入れば安全らしい。
「わかった、協力しよう。ついでに紗枝たちも」
「私は残る」
「菜々美も」
紗枝たちも入れてもらおうと思ったのだが、2人は断る。
「なら中からも食料持っていっていいぞ」
「助かるよ、で何時行く」
「俺は何時でも行ける」
「ならちょっと待ってくれ」
山口に待ってもらい、銃に弾を込めていく。ウエストポーチに入っていたリボルバーの弾をすべて込める。予備の弾を見つけなければならない。
「弾も貰えるか」
「銃もつけて、シェルターの前で渡すそれでいいよな」
「構わない」
弾の目処もついた、これで用意は完了したはずだ。紗枝も用意ができた。
「パパ菜々美にできることない」
「出来ることね」
銃を渡してもいいのかもしれないが、あまり渡したくない。小さい子なので危ないことをしてもらいたくないと言うのが本音だ。だが銃を渡しておいた方が安全かもしれないし、悩みどころだ。
「パパ」
「…………わかった、紗枝」
「はいあなた」
紗枝からリボルバーを1丁受け取り、自分の1丁と合わせて2丁菜々美に渡す。
「渡すけど、使っていいのはパパかママが許可を出すか、菜々美の身が危ない時だけだぞ」
「うん」
菜々美は受け取りそれをポケットに入れる。
「それで目的地はどこなんだ」
「病院だ」




