13day7
「紗枝」
「うん」
菜々美と柱へと隠れる。やっと最後の柱までたどり着いた。
「くそっ逃げられるぞ」
「はぁはぁはぁパパ」
敵は怒り、菜々美は息を切らしている。
「もう少しだから頑張れる」
「う、うん」
菜々美は弱々しく頷く。何とかしてやりたいが、そんな余裕はなかった。柱から出口はこれまでより離れており、更に時間を稼ぐ必要がある。そのために武器を点検しながら、弾切れになった銃をウェストポーチにしまう。ベルトに挟んであるリボルバーは後2丁だ。ここまで来るのに4丁、要するに24発も使ったことになる。紗枝の方を見ると彼女はデザートイーグルを構えていた、彼女に渡しているリボルバーは4丁だけだったので仕方ない。
「菜々美」
「なにパパ」
「合図したらママと一緒に外にでるんだ」
「パパは」
「パパは大丈夫だ」
リュックをお腹の方で持ち、両手にリボルバーを持つ。撃鉄を落とす必要はないので両手で撃てるだろう。次に紗枝に合図する。紗枝はすぐに頷く。
「だからママと早く外にでるんだ」
「…………うん」
菜々美にわかってもらえた上で、紗枝にまた合図。そして僕の合図で紗枝と菜々美が出口に向けて走り出し、僕は両手のリボルバーを適当に撃ちながらゆっくりと出口に向けて後退する。
「出てくるなよ」
後は撃たれないことを祈るしかない。リュックは運がよければ中の荷物が弾を弾いてくれないかと言う気休めのためだ。リボルバーの弾が切れる。しまっている余裕はないので捨てる。そしてお腹のリュックのな中の上においてある、箱を取り出す。
「はっそんな箱で」
敵が1人顔を出す、だからそれを狙い箱を変形させ銃にして、その顔を撃つ。額に当たる、そこまで確認したが、後は逃げるだけだ半回転し全力疾走する。弾は当たることはなく、ついに外に。
「外だ」
外もう夕暮れ時を過ぎていた、辺りは薄暗くなりつつある、外に出たところに紗枝たちの姿が見当たらない。だがその理由はすぐにわかる。
「あなたこっち」
ここに来た道からゾンビが来ている。それも大量に、大方銃声につられたのだろう、両手で数えられる量を越えていた。対応できるわけがない。
「逃げるぞ」
ここに来た道とは反対方向に全力で走り出した。




