13day2
町にたどり着く、1度通った道を遡るように進んでいるので迷うことはない。
「よし、じゃあ食べ物探そうか」
とは言ってはみるが、この辺りはビルばかりで食べ物がありそうなのは、コンビニのみ。しかもそのコンビニはどれも荒らされているようだった。
「あなた、もう少し先に行ってみない」
「この先も似たような町並みじゃなかったけ」
「そうだったね、あなた」
「だからこの辺りで裏道探してみようかと」
大きなスーパーはないだろうが、食べ物を扱っている喫茶店くらいはあるだろし、喫茶店の中なら休めそうな気がした為だ。今更だが疲れが出てきてしまったから休みたい。
「ならあなたさがしいこうよ」
「パパ早くいこう」
「分かったよ」
菜々美に引っ張られるようにしてビルとビルの間の細い道を進む。
「きっさってん、きっさってん」
菜々美がリズムをつけて、歌うようにそう言っているのを聞きながら、のんびりと歩く。ビルばかりの町並みでも道を1本外れればのどかな町並みにすぐに変化する。日差しは少し強いが散歩日和であった。
「あったよ、あなた」
喫茶店はすぐに見つかる、荒らされてはいない、隠れ家的な喫茶店であった。
「よし中に入ろうか」
「うん」
喫茶店のドアを開ける。ドアの上についているベルが音をならす。その音につられてゾンビが出てくることはなかった。
「ふぅ」
一息つける、リュックをおろし、4人掛けの席に座る。隣紗枝、向かい側に菜々美が座る。
「ママ、パパのとなりは」
「いいじゃないママが座っても」
「ぶーぶー」
だが菜々美は本気で文句をいっているようではなさそうだ。
「ぶーぶー言わない」
「はーい」
「それじゃあ中に何かないか探してみようか」
僕がそう言って中を探す。荒らされてはないとは言ったが、食べ物はあまりなくコーヒー豆と小麦粉、それに生クリーム位だ。どれも加工しないと食べられそうにない。
「あなたこっちにも何もなさそう」
「パパ、ママ何もないよ」
なにも食べられそうなものはなかった。だから元の席に戻る。
「少し休んだらまた外に出て探してみようか」




