12day4
日差しは強いが、川のそばのためか涼しい風が吹いてきて、体を癒すには十分であった。
「はぁ癒されるなぁ」
まだ12日しかたってないのだが、だいぶ疲れている体が癒されていく感じがする。
「命がけだったからなぁ」
日常で命を懸ける場面は当たり前だがないのに、ここでは常に命がけだ、そのために体力の消耗が激しい。
「パパ、一緒に遊ばない」
「パパ疲れてるから無理」
ここはシュミレーターであるはずなのに、風が触れる感覚まで再現しているのか心地よすぎる。
「いや寝ちゃダメだ」
ここは外であり、いつゾンビに襲われてもおかしくないのだ。だがどうせ紗枝たちもおきてる訳なので寝ても。
「いやいやいやいや」
寝ていた体を起こす、頬を叩き気合いをいれる。
「気が変わったパパも遊ぼうか」
「わーい」
「けどいいのあなた、疲れてるんじゃ」
「あのままだったら寝ちゃいそうで」
「疲れてるなら寝てた方が」
「寝てたらゾンビに襲われたときにげられなくなるし、って」
紗枝が会話に混ざるために近寄ってきたのだが、その姿がなんと言うか下着姿でかつそれが水に濡れていると言うものだ。はっきりと言うと直視ししづらい。なので目をそらす。
「あなたどうかしたの」
「いや紗枝その格好」
「見る人なんてあなたかこの子しかいないわけだし、ダメだった」
「いやダメと言うか」
「あなたがダメって言うなら」
そこまで言うと紗枝は自分の下着手をかける。当たり前ではあるが水に入るための服を持っていないのでこれ以外の格好と言えば、脱ぐしかないのだ。
「いやそれでいい、それでいい」
「そうかな」
「それがいい」
「あなたがそう言うならこのままでいるね」
「パパ、菜々美は」
菜々美の姿も同じであった。
「そのままで大丈夫だよ、よしで何して遊ぶんだい」
「えっとねぇ」
菜々美は考え出す、遊びと言っても道具もなにもなく、ここから離れるのは危ない、だから選択肢はほぼないのだ。
「とぉ」
なにも思い付かない菜々美に手で水をすくいかけてやる。
「わっ、パパやったなぁ」
菜々美反撃をしてくる。すくったときにすでに気づいていたが水はそれなりに冷たい、だから菜々美がかけてきた水でだいぶ涼しくなるようだった。
「パパをやったなぁ」
紗枝が菜々美に水をかける、さすがに手加減しているようだ。それが当たり前ではあるが。
「わっ、ママも敵だったんだ」
菜々美も負けじと紗枝に水をかける。そのようすはすごく和むものだった。そうして眺めていると、顔に水がかかる。
「やったぁパパにあった」
菜々美がかけたようだ。
「これで参ったと思うなよ」
菜々美に反撃する。そのおまけで紗枝にも水をかける。そこからはみんなで水を掛け合っていった。




