11day1
「それじゃあ新入社員を紹介する」
上司が話をしている。それを聞き流す。なぜならその上司が持っていた裏金作りの証拠となる帳簿、そのコピーを持っていて、いつばれるかもしれないかという恐怖にさいなまれていた。これは夢だ
「さてこの新人だが」
もし恐怖を無くしたいなら、捨てればいいのかもしれない、もしくはマスコミやら警察に匿名で流してしまえばいい。だがそのどちらもできていない。
「おい、井上」
「は、はい」
急に名前を呼ばれ、声が裏返る。
「井上どうした、寝てたのか」
「いえ、そう言うわけでは」
みんなに笑われている。
「と言うわけで、後輩を頼んだぞ」
そこで目が覚める。
「井上、おはよう」
「あぁ、おはよう」
固い簡易ベッドから身を起こす。昨日この部屋を見つけ、ドアが厚く、鍵もかかるため、拠点として使うことを決め、横になっていた。
「んんっ」
体を伸ばす、固いベッドではあったが相当長く寝ていたようで、節々が音をたてる。
「井上朝食できてるよ」
「食べようか」
今日はパスタにコンビーフを混ぜたものだ。
「美味しい」
「うん」
すぐにすべて食べきる。
「それで今日は何をするの」
「ひとまず、上にいってみようか」
上には操舵室があるはずなので、何かあるはずだろう。
「うんわかった、それで荷物はどうするの」
「必要最低限を持っておいてこう」
「うん」
荷物は軽い方がいい、そのために全部とは言わないが捨ててもあまり惜しくないものだけをおいていく。要するに食料だ。
「よし行こうか」
ドアを開く。昨日と変わりはない。
「上に行こうか」
「うん」
静かに上に向かって歩く、僕たちが出す足音以外何も聞こえない。本当に何もいないのかもしれない。
「誰もいないね」
「うん、そうだね」
そんな会話をしながら上に進む。そして何事もなくたどり着く。だがそこには。
「何もないね」
何もなかった、と言うより操舵室の中で爆弾でも爆発させたかのように、真っ黒焦げになっていた。これでは操舵できるわけがない。
「これで逃げるのは諦めようか」
「うん、そうだね」
諦めた、だが何か残っていないかを探してみる。意外にも物はあまり壊れておらず、使えそうなものが多かった。
「おっ、双眼鏡だ」
だが実際に使えそうなものは双眼鏡だけであった、他は中が壊れていたり、電気がないと使えなかったりと、今使えそうなものはほぼなかった。
「井上こんなのあったよ」
そう言って紗枝は黒い箱を見せてくる。
「何それ」
「見ててね」
そう言うと、その黒い箱が変形して銃になった。
「スゴいねそれ」
「はいこれ井上にあげる」
そう言って元の箱状態に戻し渡してきたので、受け取り、仕舞う。使えそうなのはそれだけだった。
「これくらいか」
「みたいだね、でこれからどうするの」
「あのコンテナを調べてみようか」
すいません
インフルエンザらしく更新が不定気になるかもしれません
ができるかぎり更新していきますのでこれからもよろしくお願いします




