9day2
紗枝と何となく話し込んでいる内に3時間ほどたっていた。少し早いかもしれないが銃を他の物に変えてくるために下に向かう事にする。
「紗枝そろそろ行こうか」
「うん」
荷物もまとめてあり、大分重たくなっているが気合いで持ち上げる。
「重っ」
気合いだけではそんなに重さは変わるわけがない、だが少しの辛抱だと割り切る。
「井上、代わり持とうか」
「いやいいよ、何とか持てるし」
持てないわけではないがかなり重い、本当は少しは持って貰いたいのだが紗枝もそれなりの荷物を持っているので頼るわけにはいかない。その荷物を持ったまま、部屋のなかを見渡す。忘れ物はなさそうだ。
「それじゃあ行こうか」
「うん」
そう言って部屋を出て、下の階に向かう。
「井上」
「なに」
「どこに行くの」
「南にでもいってみる、途中までは行ってたんだから」
「うん、分かった。南に何あるのかな」
「さあ、行ってみないとわかんないよ」
「そうだね、あっ着いた」
目的地へとたどり着いた、ここは朝早くだが騒がしい。もしかしたら24時間やっているのかもしれない。ホワイトボードを確認する。弾の方は1缶30発と変わりはないが、銃の方は1缶3丁になっていた。銃の価値が下がっているようであった。確認するといつものように列に並ぶ。
「何があるのかな、楽しみだなぁ。井上は何があると思う」
「安全なところがあってほしいよ」
「それもそうだね、安全が一番大事だよね」
「うん、とそろそろみたいだ」
騒がしいが人の数は少なかったらしく、すぐに順番が回ってくる。
「銃を交換したい」
「おう、ってあんたか、報酬なら俺じゃなくて石井のところに行け」
「分かった、けど重いからコレを片付けたい」
そう言ってリュックから銃を取り出す7丁あった。
「分かった、ならこいつは何と交換するんだ」
「缶詰と弾に」
「そうか、ここからは独り言だが報酬の方も缶詰を上乗せして考えてるらしいな」
「弾と交換してくれ」
「なら70発だな、内訳はどうするんだ」
「リボルバーの弾が50発にデザートイーグル20発で」
「デザートイーグルかちょっと待て」
そう言って交換所の奥に男が進む。すぐに戻ってくる。
「ほらよ弾だ」
弾が2種類渡される、だからリボルバーの弾を30発分だけ取り残りは紗枝に渡す。
「ありがとう井上」
「まあいい、でこれだけか」
「ああ」
「ならまたのご利用を」
そう言われ立ち去る。だが多分再度使うことはないだろうと心の片隅では思っていた。
「それで次はどこ行くの」
「石井の所に報酬を貰いに行かないとな」




