7day1
「井上仕事は慣れたか」
「はい」
「そうか、あいつをつけたのはよかったな」
「はい、先輩には大変お世話になってます」
上司と2人きりで話し合いをしている。これは夢だ。
「そうかそうか、それで今日暇か」
「それがまだ仕事がありまして」
「そうか、でその仕事は」
「会議に使う資料でして」
「それは遅れるわけにはいかないな、頑張ってちゃんと終わらせるんだぞ」
「はい」
夢から覚める、外は今日も雨のようだ。
「井上おはよう」
「おはよう紗枝」
紗枝はもう起きていた。体を伸ばす、かなり長く寝ていたので気分がいい。
「井上食事にする」
「ああ、お腹すいたよ」
「ならもう出来てるよ」
そう言って、缶詰に入れたパスタを渡してくる。それを食べる、トマト缶を開けたのかナポリタンであった。半分くらい食べ終わると、こちらをじっと見つめている紗枝の視線に気づく。
「紗枝は食べたの」
「ううん、けどお腹一杯だから大丈夫だよ」
「本当に」
「うん」
「分かったよ、けど僕もお腹一杯だからもう食べられそうにないんだよね、食べ残りで悪いけどもったいないから、紗枝食べてくれない」
そう言って缶詰を渡す。
「けど井上」
「ちゃんと食べとかないと、今日はハードだろうし」
「分かったよ」
そうして食事を終える、荷物を片付ける。と言っても使った鍋をしまうだけだが。
「よし、じゃあ5階にいこうか」
「うん」
そうして部屋を後にして、階段で5階に向かう。目的地は石井の部屋の隣だ。そこにたどり着くとかなり多くの見知らぬ人と石井、それと斎藤がいた。
「時間になったな、それじゃあ今回の仕事について説明しようか。今回の仕事はラジオ局の奪還だ、それにあたり仕事を3つに分ける。まず先に内部に入り大雑把でいいので、中の危険を排除する。これには内藤班に頼む」
「分かったぜ」
内藤と呼ばれた男は、かなり喧嘩慣れしているように見える人物だ。
「次に内藤班と入れ替わり内部のすべてで安全を確保し、また外から侵入しにくくする用意を行う。これは角田班に頼む」
「わかりました」
角田と呼ばれた男は、眼鏡をかけ知能労働が得意そうだ。
「最後にガソリンの運搬、それとすべての予備班として斎藤班を加えて計50名の仕事だ頑張ってきてくれ」
「そんじゃあ斎藤班はここに残ってくれ、ガソリンの用意をしないとな」
「そんじゃあ野郎共、行こうぜ」
「それでは、防衛に必要なものを受け取っていきましょうか」
そうして、班ごとに行動を開始する。僕たちの所属する斎藤班は10人ほどだ。男が8人、女が紗枝も含め2人となっている。
「それじゃあのんびりと行きますか」




