6day2
斎藤に続いて5階の廊下を進む、昨日と比べると人が多く感じる。
「で斎藤めんどくさそうな仕事ってなんだ」
「かなり大がかりなことをするらしい、断りたかったけど俺は強制参加でな、知り合いでも巻き込まないと気が晴れなかった」
「そんなことで井上を巻き込んだの」
紗枝が怖そうな声を出す。
「まあまあ紗枝落ち着いて、けど僕たちは断ってもいいんだろう」
「そうだな、っとここだ」
着いたところは、石井の部屋だった。
「俺だ入るぞ」
斎藤はそう言うとドアを開け中に入る。中は昨日と同じように石井しか居なかった。
「斉藤か、それで返事は」
「条件付きで参加してやる」
「その条件は」
「井上たちをガソリン運搬班に加えること」
「いいだろう」
「待ってくれ、何をさせるつもりなんだ」
いつの間にか、ガソリン運搬班に加えられそうになったので、口を挟み止める。
「ああ、まだ説明してなかったな」
「あれ、俺は説明受けたが」
「それは斎藤が、絶対に必要な仕事だったからだ。まあいい説明しようか」
そう言って部屋の隅に置いてあったホワイトボードを持ってくる。そこには、どこかの図面が書いてあった。
「これはラジオ局の図面だ、ここを俺たちで占領する」
「占領」
「ああ、こんな状況だから、多くの人が今必要なのは安全な場所はどこなのか伝える手段だ。だからここを占領して、生き残る手段を伝えより多くの人に生き残ってもらいたいと思ってるんだ」
「まあ、その辺りはどうでもいいんだ、そのガソリン運搬班って言うのは」
「占領するに当たって、内部の危険を排除、安全を確保、電気の確保の3段階で行う。要するに中にガソリンを運び込むだけの仕事だ」
「それだけの仕事なんているのか」
「いや、実際の所は予備戦力だ、報酬も安いがかなり安全な仕事だ、受けるか」
「………報酬は」
「本当のところは缶詰で払うつもりだが、満タンにしたガソリン缶ひとつでどうだ、ついでにバイクの給油を済ませた上でだ」
「分かった」
「と言うわけだ」
「分かったよ、俺もいってやるよ」
「ああ、そうだ参加者は2階で乾パンをもらえる手はずになってる、この紙を見せれば渡してくれるはずだ」
「そうか、ついでに聞くと他の参加者は」
「今から集める、予定では50人ほどだ」
「そうか」
「話は以上だ」
そうして石井の部屋を後にした。
「井上、参加してもよかったの」
「ガソリンは必須だしな、まあ安全みたいだし参加しとこうよ」
「うん分かったよ」
「よっしゃ、井上食い物もらいにいこうぜ」
「ああ」
そして2階に戻り、食べ物を手に入れ、部屋に戻り明日の仕事のために体をゆっくりと休めた。




