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5day1

「井上仕事はどうだ」

「はい先輩、少しずつですが覚えてきてます」

 また夢だ。

「そうだろう、何せ先輩が優秀だからな」

「そうですね」

 早く覚めてくれ、そう願うが何も変わらない。

「はっはっはっならこの仕事も頼む」

「これ先輩の仕事じゃ」


「井上、井上、井上」

 聞き覚えのある声が聞こえる。だから逃げるかのように意識を覚醒させる。

「井上やっと起きた」

 目を覚ますと、そこは知らない場所でベッドに寝かされていた。と言うかかなり暗い。

「井上よかった、本当によかったよ」

 紗枝が泣きながら抱きついてくる。だからその頭を撫でてやりながら、枕元にあったライトを取り、灯りをつけ、辺りを見渡す。暗くてよく分かりにくいが、ビジネスホテルの様だ。カーテンは閉まっているが、漏れてくる光はないので多分夜なのだろう。そこまで確認すると紗枝が少しずつだが落ち着いてきたので、この場所について尋ねる。

「ここは」

「分かんないけど、井上を助けてくれた人たちの隠れ家みたいだよ」

「そっか、で何があったんだ」

 身柄を拘束されたり、監視がついていたりしていないので、多分安全なのだろうと思い、次にあのとき何があったのかを聞く。

「井上があれに殴られた後、たまたま通りかかった人が救助とか言ってここまでつれてきたんだよ」

 たまたま通りかかるような場所なのだろうかと少し悩むが、救助されたらしい。

「それとね。見て見て」

 そう言って紗枝はベッドの下からリュックを取り出す。

「食べ物と銃拾ったんだ」

 リュックから缶詰7個とAK47、それとそのマガジン3本だ。

「なあこの銃血がついてるんだけど、どこで拾ったんだ」

 銃はそこら中に血がついていた。固まっているためにベッドが汚れることはなかったが。

「缶詰と一緒に落ちてたから拾ったんだ。あっそうだ井上食事してなかったよね、はい」

「お腹は空いてるけど、これって」

「井上が気にすることはないよ、あれが悪いんだし。早く食べてよ」

 そう言って鍋の蓋に盛られたパスタと箸を渡してきたので受け取る。銃の事はあまり深く聞かない方が良さそうだと判断して食事にすることにする。

「紗枝は食べたのか」

「私はまだ」

「なら一緒に食べようか」

「うん」

 そう言って2人で鍋の蓋からパスタを食べる、ツナ缶を使っているのか、普通に美味しかった。

「美味しかったよ」

「それならよかったよ」

「そう言えばこれ茹でたお湯は」

「捨てちゃったけど」

「再利用使用と思ったんだけど」

「ごめん」

「いやいいよ、それでこれ始めに聞いとけばよかったけどどれくらい寝てた」

「半日ぐらいかな、あっ助けてくれた人が井上にあってみたいんだって明るくなったら行こうね」

 紗枝が食事に使ったものを乾いた布で拭く。

「それで井上、ここベッドがひとつしかないから一緒に寝ても」

「別にいいよ」

 ベッドの端によると、空いた空間に紗枝が入ってくる。

「おやすみ井上」

「ああ」

 さっきまで寝ていたので眠れるかどうかわからないが目をつぶってみた。

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