4day1
拍手。
「ええ、彼がこの部署に配属された井上くんだ」
上司の声、これは夢だ、
「はいみなさんよろしくお願いします」
「ええとじゃ」
「俺に任せてください」
先輩。
「よろしくお願いします」
「井上」
「うぅ」
目が覚める、4日目の朝だ。入社直後のことを夢に見ていた。
「つらそうだけど大丈夫なの」
「ああ大丈夫、紗枝も早く寝なよ」
「うん、けど無理しないでね」
そう言って、周囲の警戒を始める。起きているのはリーダーと呼ばれている男だけだ。
「よう」
「なんだ」
「そんな警戒するなよ」
「ゾンビより人の方が怖い」
「はっ、言えてるな」
リーダーが話しかけてくる。
「それでなんのよう」
「ただの世間話だ、それであんたなんでこれに参加した」
「言う必要あるのか」
「ない、けどそれだけで推測がつくからいい」
「そうか、ならお前は」
「俺はゲームが好きで、ゲームできて金がもらえるなんて最高だと思って参加した、こんな事になるなんてな」
「こんな事件は初めてだからな」
「いやそうでもないな、デスゲームになった事件はある。けどそれは被害者ゼロで解決したみたいだから、噂みたいになってるからあんまり知られてないが」
「そうなのか」
「まあ都市伝説みたいなもんだから、俺が巻き込まれるとは思われなかったけどな」
そう言って2人とも話さなくなる。そこで今日の計画について考える。と言ってもどこかで食料の調達をするくらいだが。
「そう言えばあんたはホテルかホームセンターには行ったのか」
「いや」
「そうか」
「何かあるのか」
「何があるのかないのか知りたかっただけだ」
「そうか」
どこかのスーパーに行くついでに余裕があれば、見に行こうと思う。
「それであんたら今日はどうするだ」
「邪魔になると悪いから出ていくよ」
「そうか」
「外を通っていこうと思うんだがいいよな」
「構わない」
「………それともし安全な拠点を探してるんなら」
スマホで地図を開き見せる。
「ここのマンションが使える、非常階段で上まで行ってくれれば中に入れる」
「ゾンビは」
「知ってる限りはいない」
「そうか、覚えておくよ。それとあんたも着替えていけよスーツじゃ動きにくいだろう」
「ああ」
警戒したまま、服をとる。そして着替える。登山用のような服に着替えた。これなら頑丈だし、ポケットも多くあるので便利だろう。これで準備万全だ。紗枝が起きたら出発することにする。




