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22day4

「はぁはぁはぁはぁはぁやっとだ」

 辺りは真っ暗になっており、息は荒くなっており、体全体がボロボロだ。だがそんな状態になっていても、目的だけは達成していた。

「はぁはぁはぁはぁ、紗枝は中か」

 ホテルにたどり着いていたのだ。ホテルは前に来た時とは違い、電気は消え、ガラスは割れ、荒れ果ててしまっているようだった。何も知らない上に用事がなければ入る気はなかっただろう。だが今は行くしかない。入り口から中を見ると中は電気もつかず真っ暗だった、なのでスマホを用意する。それの明かりを頼りに進む。

「ゾンビはっと」

 灯りは頼りないので視力は期待できず、走り続けたことで体力を消耗しているので戦闘は避けたい。なので今役立つのはもう自分の耳しかない。目を閉じ、耳に全神経を集中させどんな物音すらも聞き逃さないつもりになる。自分の心臓の音、いや体全体に流れる血の音すら聞き取れそうな気がする。

「はぁ、はぁ、はぁ」

 僕自身の息すら邪魔に聞こえる、だがそれ以外には何も聞こえない。そう何も。

「上か」

 目を開く、うっすらとだが辺りの様子が分かるような気がする。

「どこにいるんだよ、紗枝」

 そう小声で呟き、階段を上っていく。目指すは上、最上階だ。多分だがそこにいるような気がする。

「武器の補充はしとくか」

 上っていく途中、物々交換をしていた場所で使えるものを探す。

「なんだよこれ」

 その場所は足の踏み場もないほどに荒らされていた。まぁ当たり前のような気がしたが。

「探すの大変そうだな」

 そんな中で使えるものを探してみる。だが荒らされている上に暗闇で、どの場所に何がおかれていたのかが分からない為に手探りで探るしかないために、収穫は少なそうだが、運が良ければライトなんかが見つかるかもしれないと言う期待の元探す。

「いつっ」

 指に痛みが走る。

「さすがに暗闇で探るのは辛いか」

 何かで指を切ってしまう。それでもなにかないかと探してみる。

「ん」

 何かをつかむ。

「これって」

 掴んだものはライター、いやジッポだ。試しにつけてみる。

「つくな」

 1発でつき辺りの様子がわかる。様子がわかったところで荒れていると言う感想しか出なかった。

「これでいいか」

 灯りは確保され、弾はそれなりにあり、食料は十分だ。

「上に行こうか」

 そう呟き、灯り代わりに使っていたスマホをしまう。その時たまたま画面が写る。

「ああもうこんな時間か」

 いつの間にか0時になっており、23日目を迎えていた。

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