25 自由な先生達
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応接室からの帰り道に意外な人物と出会った。
「あっれ、クリスっち。こんー」
そこには完全にギャルの姿のクオンさんとそれは見事な女教師の格好をしたプロフィアさんとギガさんがいた。ギガさんはフェロモンが凄い。
というか、微妙にクオンさんの使うギャル語古いんだよな。
「ん? いやうちら教員免許持ってるし、お付きで来れなかったから教師やっちゃうみたいな?」
「みたいな? ってそんな気軽に出来るの?」
「よゆーっしょ」
アンさんもそうだけど、みんな教師って職業を軽く見ている気がするの。特に、クオンさんに至っては、授業を受ける側の格好だ。というか、教師がヘソ出ししていいんか?
「他の二人はちゃんとしてるのに、クオンさんはそんな格好で先生に怒られないの?」
「うちも最初はそう思ったんだけど、担任のトミオが庇ってくれたんよ」
「ま?」
「ま」
まぁ、そういう先生もいるけど、クオンさんとギガさんは生徒に悪い影響でそう。プロフィアさんを見習って欲しい。
というか、担任の先生を呼び捨てしていいのかな? でも、こんな格好を許すくらいだし、寧ろ呼び捨て推奨してそうな気もする。
「ねぇ、もしかしてだけど他にもいるの?」
「はい。いますね」「いるわよぉ」
聞くところによると、あのロリコンのクライブさん含め、副担任含めてかなりの人数、裏の人が潜入しているそうだ。逆に多すぎてバレないのかな? というか、それだけ入り込んでいるってことは、何かあるのね。
「ちなみに何組なんです?」
「うちはG組」「私はB組」「私はぁH組よ」
結構バラけてるんだな。
「一番面白いのはクライブっしょ。あいつ弟と同じD組だし」
仲が良くて何よりだわ。でもなーんか嫌な予感がするのよね。この予感が当たらなければいいんだけど……。
ほらね。
クオンさん達と別れてすぐ見覚えのある人物がいた。何? 今先生やるブームでもきてるの?
「おや、クリス様お久しぶりです」
「そうですね。シグマさんはお久しぶりですね」
「クリス様、私もいますよ」
「アンジェさんは昨日ぶりですね。何してるんですこんなところで?」
「何って、ねぇ」
「ええ。見て分かりませんか?」
見て分からないから、聞いてるのに。
二人ともメイド服なんだもの。他にも服いろいろ持ってますよね?
「私達、ちょっと先生やっちゃおうかなと思いまして」
「教員免許持ってるんですか?」
「持ってますよほら」
本当だ。言われると思って持ち歩いていたのか。
「疑って申し訳ありません」
「いいんですよ」
「まぁ、こんな若いんです。疑われても仕方ありませんよね?」
若い?
「何でそこで黙るんですか?」
「いえ、ちょっと認識の齟齬があったなと」
「クリス様には特別授業が必要ですか?」
響きがなんかエロい。ゴクリと生唾を飲んでしまった。
「少し興味はありますが」
「あら…」「ほう…」
頬を赤らめるって事はそう言う事な訳で…。
「って、違う。何でメイド服なんです?」
「担任になった方が、是非ともそのままでお願いしますと言ってきたので」
「私の担任も同じですね」
この学園大丈夫なんか?
アンジェさん達と別れて、再び歩き出す。
二度あることは三度あるというからね。多分、ここの曲がり角を曲がったらいるんじゃないかな?
ほらやっぱり。
変装してるけど、私には分かるわ。キョロキョロと辺りを見回す不審者兼女神様。
「イデアさん何やってるんです?」
「あらクリスちゃん。奇遇ね。あなたも?」
「あなたもって…、私はここの生徒ですよ。昨日入学しました」
「あら、もうそんな年齢なの。大きくなったわねぇ」
頬に手を当てしみじみと話すイデアさんは、近所のおばさんみたいな時間の感覚ですね。
「というか、イデアさんこそ、ここの制服着て何してるんです? まさか、それで生徒やってるって言うんじゃないでしょうね?」
流石に無理あるもんね。謎の帽子被って制服着るなんて、ババア無理すんなって感じがする。まぁ、私的にはご褒美なんですけどね。眼福眼福。
「やっぱ無理あるわよね」
自覚していたんだ。
「ちょっと貧乳パラノイアから逃げててね」
「あ、じゃあ先生やってる訳じゃないんですね」
「なるほど先生かぁ…。それはいいアイデアね。ちょっと募集してないか行ってくるわ」
そのまま、小走りで去っていたイデアさん。あの格好で行ったら通報されないかしら?
でも今までのパターンからすると、すぐにでも先生になりそうよね。
生徒数も増えて、先生の数が追いついてないのかしら?




