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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第5章

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17 私も後先考えられないらしい


 その瞬間、殴って突き飛ばした男の顔面を思いっきり飛び回し蹴りして吹っ飛ばした。

 あまりにも脳みそお猿さんすぎて、我慢できる私でもキレてしまった。


 「なっ…」

 「おまっ! ふっざけんな!」

 吹き飛ばされた男は2バウンドして地面に突っ伏すように倒れ動かない。その様子を見て絡んできた六人の男どもは剣を取り出し一斉に襲いかかってきた。

 嘘でしょ? 女子供相手に真剣使って襲うなんて騎士のすることじゃないわよ。

 でもまぁ、クリスさんにかかればこんなの一分もかからないわ。

 一斉に剣を振り下ろす四人の男ども。それを軽く上に飛んで躱す。

 え、何? 昨日今日入った新人なの? って位剣の持ち方も振り方もなってない。遅いし、ブレてるし、統率も取れてない。

 「クソッ…クソッ…」と言う割には単調な動きだ。怒りに任せて振っているのだろうが、余裕で躱せるくらい遅い。本当に騎士なの?


 振り下ろした剣が地面に刺さり、抜くのに難儀している。

 その瞬間に、一人目の頭上めがけて踵落としを食らわせ、そのまま沈ませる。

 宙に浮いている状態で、その横に居た男に回し蹴りを食らわせ吹き飛ばす。

 軽く着地して、驚き目を見張る男の顎目掛けて上段蹴りを食らわせる。吹き飛びお尻から地面に落ち、そのまま前かがみに倒れた。


 残りの一人は、しゃがんで足払いをして倒す。倒れた瞬間に顔面目掛けて蹴りを入れて気絶させる。

 残り二人のうち一人は、こいつらよりはマシな動きをするけど、所詮ザコね。

 突き刺さった剣を取り、振り下ろされた剣を片手で弾きかえす。

 バランスを崩したところに跳び蹴りを食らわせ吹き飛ばす。3バウンドして大の字で気絶した。


 残りの一人は、あっという間の出来事に剣を握ったまま動けず立ち尽くしたままだったので、剣を喉元に突き立て静止する。

 「こ、降参だ………」

 両肘から上を上げ、膝からその場に頽れた。


 「どうするの? あなた達のお仲間やられちゃったわよ? そこでずっと見ているのかしら? それとも尻尾を巻いて逃げるのかしら?」

 崩れた足場の横にいた方の騎士達は互いに顔を見やり、逡巡しながら頷くと、抜剣し襲いかかってきた。

 分かりやすくていいわね。溜まっていた不満も解消できるし、何よりこいつらが気に入らないからぶちのめしたい。

 しかし、もう少し動きにバリエーションを持たせる事は出来ないんだろうか? 六人ともコピー&ペーストかなって位、おんなじ動きをしている。だから簡単に動きが予測できちゃうのよね。


 目の前で震えながら降参していた男の鳩尾を蹴り飛ばして動きを封じたら、持っていた剣をぶん投げる。

 丁度真ん中辺りに突き刺さり、全員が動きを止めた。

 あとはもう簡単だ。突き刺さった剣の柄頭を踏み込んでジャンプする。

 その様子をポカーンと口を開けて眺めているなんて本当におバカさん。


 真ん中の一人の顔面を踏みつけ、両サイドの騎士の顔に右から左へとそれぞれ跳び蹴りと回し蹴りしていく。

 跳び蹴りしたままの勢いを殺さずにその横にいた騎士の頭上に踵落としを決めて着地する。


 両端の残り二人が未だ上を見上げたままだ。近い方の男の足を払い転ばせて、残り一人の元へ駆け出し、顎目掛けて上段蹴りを食らわせた。

 その男の手から滑り落ちた剣を掴んで、転ばせた男の鼻先に突き刺した。

 「ひぃいいいっ!」

 ガクガクと震え、白目を剥いて気絶してしまった。

 まぁ、こんなもんかな。地面が泥濘んでなかったら、もっと早くケリがついたのにね。


 そんなことより、サミットさんは大丈夫だろうか?

 駆け寄り介抱する。

 「サミットさん大丈夫ですか?」

 「あ、あぁ…。鼻がちょっと痛むが、この位は慣れて………って違う。親方こんなに強かったのか…」

 「最初に言ったじゃないですか。鍛えてるって」

 「はは……。鍛えてるの範疇を超えてるぜ親方……。痛みもどっか飛んで行っちまったよ」

 「そうですか? でも無理はしないでくださいよ。医務室に行きましょう。折れてたら大変ですし」

 「いやぁ…俺よりあいつらの方がやばいんじゃないか?」

 「自業自得です。さっ、行きますよ」

 親方に肩を貸して立たせようとしたあたりで、どこからか拍手が聞こえた。


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