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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第4章

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37 お出かけはみんな一緒の格好で


 待つこと十分程、どこかのアイドルグループかな? と思わせるくらい、みんな私と同じ服を着てきた。違いといえば、白地か紺地かの違いくらいだ。

 何? 今から街でMVの撮影でもするんですか?


 「センターはクリスきゅんで決まりとして……」

 本当に踊るんか? そんな予定無いんだけどな…。

 とりあえず、誤解があるようなので、今日はアーサーと街を見て回るということを伝えると、アンさんだけががっくりしていた。


 「私とクリスきゅんの共同作業が……」

 「馬鹿ね。そもそもわかっていたでしょうに」

 「なぁ、どうして俺だけ毎回服が違うんだ?」

 「着たいならいいけど、サイズ合わないから、君の弟さんと同じのでよければ…」

 「あらぁ、私、お兄様とおそろできるのぉ?」

 「これでいい……」

 「もぅ。恥ずかしがり屋さんねぇ…」

 「なんでもいいや……」


 気づいたらうちのメイドさんも結構な人数着替えて控えていた。全部で二十人弱といったところか。

 これ以上増えたら収集つかないから、ここら辺で妥協して街に出かけましょうかね。

 「ねぇ、昨日の可愛い女の子二人の姿が見えないんだけど」

 「眠いんで寝てるそうですよ」

 「…………」

 「ちょ、ちょっとアン! アン待ちなさい。どこへ行こうというのよ」

 「いや、連れてこようかと」

 「かわいそうだからやめなさいよ。あんたに付き合って朝まで起きてたんだからそれでいいじゃない」

 「ぶー」

 「じゃあ、アンは不参加でいいわね。寝てきていいわよ」

 「ぐっ…ぐぐぐ……。きょ、今日は我慢するわ」

 「あんたをそこまで突き動かすものって何なのよ…」

 キャロルさんが呆れてるけど、キャロルさんも大概ですよ?

 別にアンさんは不参加でもいいのよ。うるさいし、変態だし、怖いし。


 玄関を出ると、珍しいことにお父様が居た。

 「おや、お出かけかい?」

 「えぇ。アーサー様が迎えに来ると言っていたのですが、中々来ないのでこちらからお伺いしようかなと思いまして」

 「そうかい。じゃあ、教会の関係者達にもよろしく言っておいてね」

 今回は、何を考えているのかよく分からない笑顔でそんな事を言うお父様。

 そして、後ろにいるお兄様達をそれぞれ見て、満足そうにする。

 「まぁ、楽しんでおいで」


 馬車に乗り込み門まであと少しというところで、先ほどのお父様が気になり後ろを見るが、ずっと玄関の前に立っていた。

 あの出不精のお父様がずっと見送りをするなんて、何かあるのかしら?

 考えすぎだったらいいんだけどね。


 馬車に乗って街へ向かう最中、アリスとメタモがどこどこの店に行こうと話し合ってるけど、今日は別に遊びに行くわけじゃないのよ?


 街へ着くといつもと変わらない様子。この前のアレは一体何だったんだろうか。

 「……すー…………、………はぁー………。男の娘の匂いがするわ……」

 もうここまでいくと病院に行った方がいいよ。


 手をワキワキさせながら、歩いてる子供達に近寄ろうとしている。

 その後ろをクライブさんも付いて行こうとしていたところで、キャロルさんとロベルタさんが床に叩きつけて止めた。

 何事かと通行人の人達が見ているが、「お構いなく」と、笑顔で会釈していた。


 チラッと付いてきたメイドさん達を見る。

 「私達はあそこまで酷くないですよ」「あそこまで行ったら末期です」「流石に弁えてますよ」「あれは異常ですね。入院が必要では?」「まぁ、気持ちは分かる」

 いや、あなた達もあんまり変わらないわよ。

 ……って、おい。一人ぶっちゃけた奴いたけど誰だ?


 まぁ、そんなことより、既に街に来ているはずのアーサー達一行を探さないとね。

 やたらと目立つ白地に金の細工の施された馬車が一台ある。

 別にほっとけばいいと思うでしょうけど、勝手に変な噂流されても困る。

 それに、昨日迎えに来ると言ったのに来ないなんて、何かマズいことになっている可能性もあるしね。

 まぁ、一緒に付いてきた他の連中はただ遊びに来ただけの可能性もあるけどね。


 しかし、こうもみんな同じ格好をしていると、本当に何かのイベントでもやるのかなって感じになる。

 実際、通りがかった何人かの人が、「今日は何のイベントですか?」と聞いてきたくらいだ。


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