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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第3章

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36 わざわざ狭い通路を選ぶ


           *      


 一人で行動すると言いだしたロザリーが気になって、お兄様とお姉様の後を追わずにロザリーの後を付いてきてしまった。


 「クリス様、後で怒られますよ?」

 「だって、お姉様は何も言わないし、ロザリーも普段と違うから気になっちゃって」

 「そうですか。まぁ、準備は終わってるんで、自分の気になっている事を調べに行こうと思いまして」

 「そうなんだ」


 ソフィアの言っていた事を思い出した。設定ではロザリーはゲームではアーサーっていう教皇の息子の従者だったって。でも、うちで女装してメイドしてるし、教皇に関しては絶対に別人だから、何かあるんだろうなと思って付いてきた。別にこっちのが面白そうと思ったわけではない。


 そんなロザリーは螺旋階段の一部、色が少し違う所を触り始めた。階段の途中だし、実際によく確認しないと気づかないレベルだ。

 そんな壁のブロックを一つ外し、人一人通れるくらいの壁のようなものを外し、下に置く。

 すげぇ…。隠し通路じゃん。

 ちょっと、RPGっぽくなって楽しくなってきてしまった。やっぱりこういうのをみつけるとワクワクするね。根っこの部分は男の子だね。


 でも、これしばらく使われてないような気がする。開けた瞬間に中から灰色っぽい空気がモワモワと出てきた。女の子の気持ち的には入りたくない気持ちのが強い。

 開けただけでこんなに埃っぽいなら、誰も使ってなかったって事だから、中はもっと薄暗く埃にまみれている気がする。


 「ねぇロザリー、無理してここを通らずに屋根伝いにいった方が早いんじゃないかしら?」

 「クリス様、そんな危ない事をしたらいけませんよ」

 どの口で言ってんのよ。三、四階くらいある壁を飛んできたのよ。今更じゃない。

 「正直言いますと、私高いところあまり得意じゃないんですよね」

 「あ、そうなんだ。じゃあ仕方ないね」

 「えぇ、そうです。仕方ないんです。なので、付いてくる際は決して離れないよう、鼻先掠めるくらいの距離でついて来てください」

 「あ、はい」

 何かよく分からないけど、納得してしまった。まぁ、屋根伝いに行って滑って転がり落ちたら危ないものね。


 そんな通路をロザリーを先頭にして進んでいくんだけど、こんな時でも短いスカートを履いてきたためか、ロザリーのパンツが丸見えだ。

 スカートが全然防御していないのよね。もうそれスカートって呼べなくない?


 右に左にロザリーのお尻が揺れるが、それに合わせてふぐりも右に左に揺れる。ちゃんと包んでいる筈なのにこんなに揺れるなんて……。

 しっかし、男のくせにいい形のお尻してるわね。大事な所だけサテンで、あとはほとんど素肌が見えるくらいのレースなんだけど、何考えてこんなの履いてんのかしら? しかも敢えて見えるようにマントやらを持ち上げて抱えながら歩くの大変じゃないのかしら?


 でも、まぁ確かに薄暗く埃っぽいから、前に先導者がいると分かりやすいってのは助かるんだけどね。

 もしかして、マントとか抱えてるのは埃を極力つけないためなのかしら?

 だったら私もそうした方が良かったんだろうけど、今更よね。


 しかし、事あるごとに「ちゃんとついてきてますか?」「もっと早く移動しないとダメですよ」なんて言うくせに、途中で突然止まるのを何回もやるから、後ろを付いてる私は危うくロザリーのお尻に何度も顔から突っ込みそうになったのよ。

 後ろを気にかけるのはいいけど、もう少し配慮してほしいわ。たまに舌打ちが聞こえたけど、そこまで遅くないと思うのよね。


 それで、そんなものをずっと見せられながら二、三分くらいハイハイをすると、壁に突き当たったようだ。

 ロザリーが、一つブロックを外し、壁をこちら側に引っ張る。

 ひっぱると同時に股を開き、無言でバックしてくる。このままではロザリーのお尻とぶつかってしまう。

 慌てて後ろへ戻ると、小さく「チッ」という音がした。

 「あの、後ろへ戻るなら前もって言ってもらえると助かるんだけど」

 「はぁ……。上手くいかないな…。あっ、すいません。気をつけます…」

 「頼むわよ、ホント……」


 しかし、何か予定外の事が起こったんだろうか?

 それがわかる事はなく、ロザリーは穴から這い出し、私を抱っこするように出してくれたのだが、周りには東側から潜入した人達がいた。


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