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(七)続きをお読みになる前に

▼はじめに


 タイトルとあらすじにも書いておりますが、これは蛇足にすぎません。

 本編をお読みいただいていることが、前提です。未読の方へのフォローはございませんので、ご注意ください。


 うっかりこちらに先にたどり着いてしまわれた方は、本編の『擬似古文でカッコいい呪文や誓約文を書く時の注意――過去と完了の助動詞について』(http://book1.adouzi.eu.org/n2950dc/)からどうぞ。




▼内容について


 内容は、本編で回避した残り四つの助動詞「り」「つ」「ぬ」「けり」についての解説です。


 ただ私個人としては、「小説家になろう」において、ここまでの知識が必要だとはとても思えないんですよね……。

 とはいえ、基本的に読み専の私が、需要を勝手に決め付けるのも筋違いだと存じますので、残り四つの解説も全部書いてみることにしました。残りの助動詞の解説をお読みになるかどうか、そして、実際にお使いになるかどうかは、皆さまそれぞれのご判断にお任せしたいと存じます。




▼残り四つの助動詞はどこまで必要なのか


 さて、本編では、優先順位が高い「き」と「たり」だけの解説にとどめることにしました。

 現代語「た」の機能を擬似古文で再現するだけならば、この二つで十分だからです。しかも、残りの四つは一気に難易度が上がるのです。


 とりあえず、必要性やメリットという観点で残りの四つを見てみますね。


〔1〕使うことによるメリット


・古語の助動詞「り」

 「き」「たり」二点セットだと、どうしても無難な「たり」の使用頻度が高くなります。すると文体が単調になってしまいがちになります。でも「たり」と意味が同じ「り」を混ぜて使うことで、単調さを防ぎ、こなれた文体にすることができます。


・古語の助動詞「つ」と「ぬ」

 この二つはセットで覚える助動詞です。口語訳では伝えられない、古語独自の繊細で深みのある表現が可能になります。

 個人的には、うまく使うと一番カッコよくて効果的なのはこの二つだと思います。


・古語の助動詞「けり」

 自由度がきわめて高く、その気になれば、現代語の助動詞「た」以上に幅広い意味で使うことが可能です。

 また、俳句・短歌に関しては、「けり」を使えばとりあえず形が整って「けりがつく」ので、とても便利です。


 メリットは大体こんな感じでしょうか。

 では次に、デメリットというか、導入する上でのハードルの高さについてもご説明します。


〔2〕導入する上での問題点


・古語の助動詞「り」

 六つの過去・完了グループの助動詞の中で、唯一、文法的なテクニカルさが求められます。

 しかも真面目にやろうとしたら、辞書でいちいち動詞の文語活用を確認するという、面倒くさい作業が発生する可能性大です。


・古語の助動詞「つ」と「ぬ」

 書き手のセンスが強く問われるという点で、難易度が高いです。

 それから、ファンタジーで使う程度のちょっとした擬似古文の場合、「つ」の使い道はほとんどないと思います。でも、「つ」が分かっていないと「ぬ」を理解することもできないので、使わないかもしれない「つ」もセットで覚えなければなりません。


・古語の助動詞「けり」

 書き手のセンスと力量が強く問われますので、「つ」「ぬ」よりもさらに難易度が上がります(俳句と短歌の場合は除く)。

 また、書き手だけでなく、読み手にもそれなりの読解力が要求されます。

 ……ということで、俳句・短歌ならともかく、ライトノベルのファンタジーで使うのは、ほぼ不可能ではないかと存じます。


 メリットとデメリットについてはだいたいこんな感じなのですが、これで続きをお読みになりたいかどうかの判断材料になったでしょうか?




▼構成について


 四つの助動詞は、優先順位が高いと思われる順で並べています。

 無理に全部お読みになる必要はありません。求める情報が入手できれば、途中で読むのをやめていただいても構わないようになっています。


 ただし、本編と同様に、段階を踏んで必要な知識を増やしていく構成をとっていますので、途中を飛ばすと分からなくなるかもしれません。よって、例えば「けり」だけを知りたい方には大変お手間をかけてしまうことになるのですが、なにとぞご了承ください。




 では、次のページから実際の解説に入ります。





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