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サポートキャラ はじめました  作者: 名月ふゆき
第3章 物語が進むとき
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第28話 『らせんの赤ゴキさん』 死んでもやり直すのです!


 最初の部屋は苦労をしながらもホラーゲームが得意だったユイが先導してくれたおかげで何とか突破した。


 次の部屋に進むと1つの貼り紙があった。



「アレはなんだろうか?」

「ちょっと取ってくるね~」



 シンラさんが貼り紙を読むために真っ直ぐ進むと部屋の壁が迫まってきて、そのまま僕たちのことを閉じ込め、挟んでくる。


 ━━━━━━ぐちゃり。



 ちなみに今回でやり直し8回目。今回はまあ、仕方ない。初見殺しだ。次気をつけて行こう。


 やり直しポイントは今の部屋に入ったところ。



「見事に潰されたよね」

「シラユキの死亡回数が0回なんだけど……」

「4回ぐらい同時に死ぬ時あったよね~?」

「何か不正をしてるのか?」



 みんな僕のスキルを知らないのでシラユキのことを攻める。

 シラユキは慌てながら否定すると逆にそれが怪しく思えたのか、シラユキの肩を掴んだ。



「「「警察、行こっか?」」」

「本当にやってないってば!」



 僕はみんながシラユキに夢中になってる間に壁に沿って貼り紙に近づく。

 真ん中に血の痕みたいなものがあるので、それを踏まなければ良いのだろう。


 そして、貼り紙の元までたどり着いた僕は貼り紙読む。



『この部屋を出る者、後ろに2、右に3、上に1』



 そう書かれていた。その歩数分だけ移動すれば良いのだが、後ろに二歩さがると血の痕を踏んでしまうようになっていた。

 実に小賢しい。この僕がそんな子供騙しに引っ掛かるとでも━━━━━━



「あっ」



 ━━━━━━ぐちゃり。



「今の裁定はおかしくない!?」

「シラユキ、どう責任取るの~?」

「責任って……うん。そうだよね。私が悪かったもんね。わかった」



 シラユキは前に歩み始めると血の痕を踏んだ。

 いや、僕はそういう意味で言ったんじゃないかと思っ━━━━━━



 ━━━━━━ぐちゃり。



◇◇◇ リスナーの反応 ◇◇◇


 1021 あっ、また死んだ

 1022 学習能力ないのかよ

 1023 今のはシラユキがふざけてただろ

 1024 クリアするのにあと何日掛かるんだろうな

 1025 あっ、【奴隷の猫耳薬】だ

 1026 ネムにゃんにゃん!?


◇◇◇ ◇◇◇



 というわけで僕は無理矢理に謎の薬を飲まされ、首輪をつけられて猫耳奴隷になっちゃったんですにゃん。



「これでよし!」

「アウトのような気がするんだが……」



 何故か僕はメイド服で猫耳と尻尾をつけられ、首輪をはめられてリードで繋がれた。

 猫耳と尻尾にはちゃんと感触があって、触られると妙に気持ちいい。

 耳の数が4つにならないよう、普通の耳は何処かに消えてしまった。



「うんうん、かわいいかわいい。よし、行こっか」

「もうこの部屋は余裕だね~」



 さすがにこの部屋のトリックもわかったようで、指定された場所を確認すると地下に繋がっており、僕たちは鉄梯子(てつはしご)に足を掛けて降りる。

 もちろんカメラは上からだ。下からのアングルなど許すわけがない。



「今度はなに?」



 梯子を降りるとそこはダイニングルームとなっていた。

 すると誰かが上から降りてくるような音がした。


 ━━━━━━どうする?


▶【隠れる場所を探す】

 【梯子を下から覗く】



 僕はシラユキの手を引いて、何処かに隠れようとするが、どこも見つかってしまいそうでどうすればいいのかわからなくなった。

 そしてテーブルに近づいた時のこと。



『こっちなのです!』



 その可愛らしい少女の声と同時にテーブル下から出てきた腕に手を引かれて、そのままシラユキとテーブルの下に身を潜める。

 ユイたちも合わせてくれたようでテーブル下に隠れた。


 少しすると足音が聞こえ、適当に彷徨いた後、この部屋を出ていく音が聞こえた。



「ふぅ……」



 安心して手を引いてくれた女の子を探すが、その子はどこにも見当たらなかった。

 少女の声を聞いていたシラユキは目を閉じて深く深呼吸をしていた。



「にしてもよくバレなかったわね」

「そうだね~」



 ダイニングルームには先ほどまで無かったはずの扉が出現していて、僕たちはその扉を開ける。

 その扉の奥にあった部屋には1つのテーブルがあり、そのテーブルの上には1つの日記があった。



『ワンちゃんはかわいいのです。そんなかわいいワンちゃんは誰にも取られないように倉庫に隠しておくのです。


 この先の廊下、絶対によそ見をしてはいけないのです。よそ見をすれば命はないのです。絶対によそ見をしないように』



 日記にはそう記されており、テーブルの横には1つの扉があった。

 そして、ユイがドアノブを握った時に何かを思い出したかのように言った。



「よそ見禁止ね。シラユキ、その1番危ないソイツを仕舞いなさい」


 ユイが僕のことを指さしてシラユキに言うとシラユキは【契約の腕輪】を重ねた。

 僕は部屋に転移させられ、シラユキの見ている映像をテレビ画面から見ることに。



「じゃあ行くわよ」



 ユイが扉を開ける。そこには一面に広がる宝石の数々、みんな興味深々に見てしまい、()()()()()()



「「「「え?」」」」



 次の瞬間天井が降ってきてそのままぐちゃりと音が鳴って全員押し潰された。

 やり直し地点は先ほどの日記を読んだ部屋から。


 その後も人気VTuberたちはよそ見をして天井潰され続けた。

 そして迎えた6回目。遂に僕のスキルの効果が切れ、シラユキの死亡カウンターが1つ乗った。



「不正じゃなかったのね……」

「そう言ってるでしょ!! ほら、これで最後にするよ!!」



 7度目の挑戦。さすがに同じ光景を何度も見てきたのでよそ見をすることも無くなったようで、長い廊下を上手く渡りきったのだ。



「やったあぁぁああぁぁぁああ!!!」

「さすがにしんどかった……」



 シラユキが【契約の腕輪】に触れて僕を呼び出す。

 僕もさっきの廊下が気になるので開けてみるが、廊下は消えており、日記のあった部屋に繋がっていた。



「まあ、消えたならもう苦労しなくて良いってことだから、それでいいじゃないか。次に進むとしよう」



 この部屋はセーブポイントなのか何も無かった。次の扉をカグヤさんが開けると今度はただの1階建ての一軒家になっていた。



「それぞれで分担して何か手掛かりを探そう」



 カグヤさんの意見でそれぞれで探索をすることに。



「私とネムちゃんは右に行こっか」

「じゃあユイは真ん中に行くわ」

「じゃあ私とシンラは左だな」



 というわけでそれぞれ別れて行動する。

 右側にはリビングと裏口があり、シラユキと適当に探索し始めると突然走るゾンビがシラユキに襲いかかってきた。



「きゃああああああああああ!!!」



 僕が短刀で攻撃しようとするが、短刀が鞘から抜けず、そのままシラユキがぐちゃぐちゃして家に入った所に戻された。



「随分早かったわね」

「ゾンビイヤゾンビイヤゾンビイヤ……」



 僕はひたすら震えるシラユキの頭を撫でる。普段から撫でてくれてるのだからこういう時ぐらいは撫でてあげる。



「右の部屋の探索はやめるとしよう。出口が右側にあるから探索できなかったというわけだ。シラユキはユイと真ん中を探してくれ」

「…………」



 シラユキはゆっくりと頷くと僕のことを抱きしめてきた。



「よし、これで大丈夫! 何も怖くない! 行くよっ!!」



 それから数分後━━━━━━



「いやあああああああああああ!!!」



 僕たちの迷宮生活はまだまだ続くのだった。






  名称 ネム(サポートキャラ)


 ランク:A+ 親密度:100%


 解説:人気VTuber『シラユキ』の妹。シラユキのことが大好きで、シラユキのためなら何でもする。好きなことは頭を撫でられること。

 暗い場所がとにかく苦手で、その場で震えて動くことすら出来なくなる。



・特性:【自動魅了付与】【破壊不能】


・パラメーター

 STR:130(+130) INT:290(+20)

 AGI:400 DEX:95%


・スキル(10枠中8枠使用中)

 ・使用スキル

【ファイアボール Ⅸ】【アイスランス Ⅸ】

【ウィンドエッジ D】【天地乖離す究極の幼女(エヌマロリッシャー)


 ・常時スキル

 【歪み始めた人工知能(ブレイクオブブレイン)】【守護者(ガーディアン)

 【パートナーを想う気持ち】【アテナの慈愛】


 ・特殊スキル

 【アプリ連動】


・装備品

 【契約の腕輪】【絆の短刀(リアンズダガー)


・固有スキル

 ーーーーLv.0


 

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