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サポートキャラ はじめました  作者: 名月ふゆき
第3章 物語が進むとき
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第26話 ボクが紡いだ試練


 暗闇を進むこと10分が経った頃、ようやく光りが現れた。



「ネムちゃん、光だよ! 光!」

「…………ひかり?」

「(目が死んでる!?)」



 僕はゆっくりと光の射す方向を見ると1つの古びた街があった。

 その街は古代ギリシャを思い浮かばせるかのような感じで何処か風化してるようだった。



「まるで今の僕みたい……」

「全然そんなことないから! ほら、ネムちゃん、行くよ!」



 シラユキは苦笑いしながら僕を街の中央にあるパルテノン神殿っぽい感じの建物へと足を踏み入れる。

 建物に入ると1つの御像があった。その台座には名前が記されていた。



「守護神 アテナ……」



 その名前をシラユキが発すると1人の白い髪の少女がこのパルテノン神殿っぽい感じの建物に入ってきた。



『力が欲しい? 全てを護る力。欲しい?』



 僕はこれがイベントであることを理解した。恐らく「欲しい」といえば何かしらの試練が与えられるのだろう。

 ━━━━━━どうする?


▶【欲しい!】

 【要らぬ】



『へぇ、この娘が欲しがるなんて管理者(マスター)さん愛されてるね』



 少女は片手に剣を構えた。そして、いきなりシラユキを攻撃しようと襲いかかった。

 僕は【絆の短刀(リアンズダガー)】を引き抜き、少女の剣を跳ね返す。



『良い反応するね。じゃあこれはどうかな?』



 次の瞬間に()()()()()()。僕は焦らず、慎重に気配を探る。

 …………っ!?



「んいっ!! 【アイスランス】!!」



 シラユキの後ろから斬りかかる少女の剣を再び弾く。そしてそのまま反撃に出るが、綺麗に避けられてしまった。



『おお、やるねー? じゃあ次はこれ! 【イリス】!!』



 そのセリフと同時に少女の剣は七色に光り始めた。

 少女がその七色に光る剣を振り下ろすと無数のホーミング弾がシラユキを襲う。



「【ウィンドエッジ D】!!」



 全てのホーミング弾を切り裂き、弾き返すと少女は少し笑っていた。

 次はいったいどうするのだろうか?



『じゃあラスト! これに耐えればご褒美だよ!』



 少女の手にあった剣は杖へと変化した。

 するとその杖は大量の電気を帯び、上空に黒い雲を造り出した。



『焼き払え! 【ケラウノス】!!』



 少女の声が響くと黒い雲から雷が降り始めた。そして、その雷はこの空間で最も高い位置にあるシラユキの頭部に目掛けてくる。



()()()()()!!」

「きゃっ!?」



 僕はシラユキを庇い、雷を受ける。状態異常【感電】にはなるものの、シラユキのHPは守りきった。



「あうっ……」

「ネムちゃん大丈夫?」



 僕はシラユキに倒れ込むとシラユキが支えてくれた。

 すると少女が僕たちの方にゆっくりと歩み寄ってくる。



『立派な子にはご褒美だね。はい、受け取って』



 少女の手のひらから青色に輝く玉が出てきて、その玉が僕の身体の中に入った。

 すると何かスキルを獲得したようで表示される。

 そして、それと同時に少女の姿が僕たちの前から消えたのだった。



『スキル【アテナの慈愛】を入手しました。


 【アテナの慈愛】:管理者(マスター)との親密度が80%以上の時、パーティー全員の受ける全てのダメージを半分にする。

 ただし、管理者(マスター)との親密度が79%以下の場合受けるダメージが倍になる。


 取得方法:特殊クエスト【ボクの紡いだ試練】クリア』



 やっぱり今のってクエストだったんだ……



 僕は状態異常【感電】で上手く動けないのでシラユキに抱き上げられて移動する。

 そのまま僕とシラユキは古代の遺跡を色々と見て回る。帰るための魔法陣はもう見つけてあるので、適当に彷徨いても大丈夫。


 一応詮索してアイテムやギミックを探すが、いくら詮索してもこれ以上何も見つかることはなかった。



「帰ろっか」



 シラユキは帰るために魔法陣のある場所へと向かい、その魔法陣の上に乗ると街の中央にある広場まで戻ってきていた。



「ネムちゃん、覚えてる? ネムちゃん、ここで暴れたよね? ……あれ?」



 僕からの反応が一切無く、僕のことを見ると僕はすっかり眠ってしまっていた。



「すぅーすぅー」

「ふふっ、寝ちゃったか。ホントよく寝る子だね。じゃあゆっくり休んでね」



 シラユキが僕の【契約の腕輪】に自分の【契約の腕輪】を重ねると僕はシラユキの【契約の腕輪】内に吸い込まれていった。

 これはサポートキャラ収容システムといって、この間僕はシラユキのスマホのアプリ内に転送されているのだ。



「さて、打ち合わせの時間まで少し時間あるし、ユイちゃんとお茶でもしてようかな?」



 シラユキはステータス画面からユイにメッセージを送ったのだった。

 するとユイからすぐに返信がやってきた。



『ごめんムリ』

「…………」



 この後シラユキはユイ以外にフレンド登録してる者がおらず、ギルドハウスで1人寂しく泣いてたらしい。



「別にネムちゃんが私のこと『お姉ちゃん』って呼んでくれたから寂しくないもん!!」






 名称 ネム(サポートキャラ)


 ランク:A+ 親密度:100%


 解説:人気VTuber『シラユキ』の妹。シラユキのことが大好きで、シラユキのためなら何でもする。好きなことは頭を撫でられること。

 暗い場所がとにかく苦手で、その場で震えて動くことすら出来なくなる。



・特性:【自動魅了付与】【破壊不能】


・パラメーター

 STR:130(+130) INT:290(+20)

 AGI:400 DEX:95%


・スキル(10枠中8枠使用中)

 ・使用スキル

【ファイアボール Ⅸ】【アイスランス Ⅸ】

【ウィンドエッジ D】【天地乖離す究極の幼女(エヌマロリッシャー)


 ・常時スキル

 【歪み始めた人工知能(ブレイクオブブレイン)】【守護者(ガーディアン)

 【パートナーを想う気持ち】【アテナの慈愛】


 ・特殊スキル

 【アプリ連動】


・装備品

 【契約の腕輪】【絆の短刀(リアンズダガー)


・固有スキル

 ーーーーLv.0



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