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サポートキャラ はじめました  作者: 名月ふゆき
第2章 シラユキの日常
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第21話 滅せよロリコン教師! 2


 シラユキがロリコン教師に痴漢されたその日の夜、僕はシラユキに部屋の扉からスマホ内部へと移動できる許可を上手く言いくるめて獲得した。

 これにより、僕は自ら、アプリのダウンロードや電話を掛けたりすることが出来るようになったのだ。


 というわけでシラユキが寝たのを確認した僕はチャットアプリをインストールして事前に聞いて置いた女子生徒のIDを打ち込み、登録した。

 そこで女子生徒たちに今日僕が見たロリコン野郎の行動を伝え、仲間を獲得する。


 水泳の時間ではユイも一緒なのでシラユキの近くにいるようにメールで伝え、履歴を消して証拠隠滅。

 チャットアプリに関してはフォルダの中にでも入れておけばシラユキは気づかないだろう。


 プロデューサーには悩んだけど、どうせアイツ出番ないだろうし、ユイも一応事務所同じらしいから必要ならユイから連絡が回るだろう。


 あとはシラユキの公式ツウィッターで━━━━やめておこう。うん、それだけはやめておくとしよう。


 さて、あとはアプリに戻って寝るとしよう。

 ……やってることが完全にコンピューターウイルスのような気がしてきた。

 まあ、ごめんシラユキ。これもシラユキのためだから━━━━━━



「おやすみ、()()()()()



 翌日、水泳は3、4限にある。とりあえず1、2限の間に僕は姿を隠すアイテムを調べる。だが何度調べても『マジョリティーオンライン』にあるアイテム【透明ハチマキ】しか出てこない。


 ゲームの世界にあるアイテムが現実世界に出てくるなんてあり得るのだろうか?


 少し調べてみるが、『マジョリティーオンライン』の世界にある建物に似たような建物ならいくつかあったが、アイテムなんて一切無かった。


 ……あれ? ここ数ヶ月で急に建物が増えてるような━━━━?


 まさかと思って調べてみるとその新しく建築された殆どがマジョリティーオンラインにある建物そのものだった。


 マジョリティーオンラインと現実世界には何か関係がある?


 それから時間が経ち、シラユキは携帯の電源を切るが、僕には優秀な奴隷(なかま)がいるのですぐに電源がついた。



『誰が仲間よ。私は同じVTuberとしてシラユキが変な目に合わされてるのが困るから手伝ってあげてるのよ。勘違いしないでよね!』



 そう、この優秀なツンデレこそ僕の奴隷(あいぼう)だ。

 僕はこの奴隷(知り合い)とその他民衆の力を借りてシラユキを助ける!

 行くよっ! 奴隷(どれい)ッ!!

 


『心の声が漏れてるわよ。ったく……最後何かおかしくなかった?』

「気のせい」



 というわけで僕は他のクラスメイトたちに預けられ、ユイはシラユキの元へと向かった。

 そして僕も見学の女子生徒たちとプールサイドへと移動した。



『プールに入ったらしばらくクロール泳いでこい!』



 生徒たちが次々とプールに入水していくが、シラユキは顔を青くして立ったままだった。



『ほら早く入るわよ』

『で、でも……』



 シラユキが立ち尽くしているとユイはシラユキを抱き上げて入水した。



『これで大丈夫でしょ?』

『う、うん……』



 教師は悔しそうにも見えたが、同時に嬉しそうにしてるような感じがした。



『桜井顔青いぞ。大丈夫か? とりあえず上がりな』



 ロリコンが作戦を決行したようだ。ユイにはシラユキから離れないように言ってあるので、一緒にプールから出て保健室に運んでくれればそれでいい。



『先生が運ぶからキミは泳いでなさい』



 そのセリフくると思ってたよ。先生は甘いんだよ。

 というわけでプランBへと移行。



『先生、私たちが運びます!』

『……いや、危険だ。先生が運ぶ』

『プールで泳いでるのを放置する方が危険です!』

『くっ……いや、大丈夫だ。何かあったら大声で呼びなさい。みんなで協力しあって助けるんだ』



 これはさすがに想定外。何があってもシラユキから離れないつもりだ。

 そして、ロリコン教師は無理矢理シラユキを連れ去って行った。



『どうするのよ』


 プールから出てきたユイが僕に聞いてくる。

 ━━━━どうする?


▶【シラユキ第一! 手段は選ぶな!】

 【他の教師を呼ぶ】



「先生を追って」



 僕の指示でユイは僕を連れてシラユキが運ばれた方へと向かった。

 しかし、シラユキが運ばれたのは保健室ではなく、女子更衣室だった。



『ここなら誰も来ない。残念だったなぁ?』

『うっ、ううっ……』

『泣いてもムダだ。誰も助けになんて来ない』



 僕はユイに中に入るように仕向けるが、やはりユイには見えてないし、聴こえてないようだ。



『無駄だ。どうせ誰にも見えてない』

『ひゃあっ!?』



 シラユキに迫るロリコン教師。それを防ぐため、僕はユイの携帯に電話を掛けた。



『電話? 誰からかしら?』



 ユイが電話をスピーカーモードにして、電話に出るとその場にいたシラユキの声が女子更衣室に響く。



『むぐッ!?』



 ロリコン教師は慌ててシラユキの口をふさいだ。やはり直接聞くことはできないが、何かを通せばいけるようだ。



「そこにいるロリコン教師! 僕にはずっと見えてる! 大人しく自首しなさい!」

『ネムちゃん……?』

『ハッ、アプリに囚われたただの人工知能に何ができるというんだ。……そうだ。キミのお姉さんが俺の奴隷になるところを見せつけてやるよ。(おゆび) 優衣(ゆい)。キミも一緒に俺の奴隷にしてあげよう』



 そして、ロリコン教師がユイに襲い掛かる。

 それと同時に外からパトカーの音が聴こえてきた。



『警察だ! 大人しくしろ!!』



 というわけでVRゴーグルをつけた警察のご登場。端から見れば警察の方が怪しいが、ロリコン教師の姿は完全にバレている。

 そのままロリコン教師は逮捕&連行。その場から消えたのだった。


 目には目を、歯には歯を、VRにはVR!


 実はロリコン教師の消えた理屈はVR技術を利用したサイバー犯罪行為だった。学校全体に『マジョリティーオンライン』にあるR18シーンに不思議な光が出る現象を再現させる機械を設置していたのだ。


 そんなことにお金を使うぐらいなら、そのお金で結婚した方がマシだと思った。


 まあ、何はともあれシラユキが無事だったからよしとしよう。



『ネムちゃん、ありがとね。ユイちゃんも』

『べっ、別にアンタのためじゃないんだからね!』

『うん、そっか。でも正直助かったよ。ありがと……』



 シラユキはユイに抱きついていた。僕は画面の中なので触れることもできず、ちょっと嫉妬した。

 でもゲーム内でシラユキからたくさん撫でてもらったのでそれで満足。



「ネムちゃん!」

「【ファイアボール】!」

『ぴゅいっ!?』



 今日も僕とシラユキはモンスター狩りに行くのだった。





『【パートナーを想う気持ち】:管理者(マスター)に対する愛情が非常に強くなり、誰も想像できないような奇跡を起こしやすくする。

 また、管理者(マスター)のスキル画面に所持していないスキルをランダムにデメリットを無効にして1度だけ使用できる状態にする。(使用回数制限:1日1回)』





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