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サポートキャラ はじめました  作者: 名月ふゆき
第2章 シラユキの日常
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第19話 にゅるにゅるの遺した爪痕


 オクトパスプランターを討伐し、シラユキを見ると僕の胸は急激に苦しくなった。

 そして、身体が勝手に動き出したのだ。



「おねえちゃん、しゅきぃ……」

「ネムちゃん……? きゃっ!?」



 僕はシラユキを押し倒した。シラユキはあまりに突然過ぎて混乱していた。



「おねえちゃんもネムのことすきだよね?」

「えっ?」



 僕はそのままシラユキの口唇に自分の口唇を近づける。



「ちょっとネムちゃん!?」

「はいはい、そこまで。なにしてんの?」



 僕はユイに抱き上げられ、シラユキが視界から外れると正気に戻った。



「……あれ?」

「【親密魅了】ね」



 状態異常【親密魅了】。サポートキャラのみがなる状態異常で管理者(マスター)との親密度が高いほど効果が増す。その効果は通常の【魅了】の約10倍。

 だから身体のコントロールが出来なくなったのかと僕は理解した。


 ちなみに親密度が低い状態で掛かるとサポートキャラが恋をしたと勘違いして、R18への道一直線になるらしい。

 効果時間はおよそ1日。治療方法は万能薬(エリクサー)を飲ませること。もしくは管理者(マスター)との接触を24時間避けること。

 現在の解決方法はそれしかないのだ。



「そういえばさっきはよくもやってくれたわね?」

「え? あははっ、なんのことかわかんないや」

「そう、じゃあ教えてあげないとね」



 ユイはそう言ってシラユキが僕の視界にうつるように向けるとまた胸が苦しくなった。

 そして、身体が勝手に動き出す。



「おねえちゃん……」

「ユイちゃん、冗談でしょ……」

「アンタなんてまだマトモな方よ」

「いっ、イヤああああああああああっ!!!」



 この間に何があったのか。僕にはこのときの記憶が無く、気がついたらシラユキの一部に謎の光が差し掛かっていた。

 ユイが言うには2時間程度とのこと。2時間丸々シラユキの恥ずかしいシーンを生放送した所で僕にエリクサーを飲ませ、状態異常を治したとのこと。


 持ってるなら最初から飲ませて欲しかった。



「ネムちゃん……」



 あっ、やべっ。これ絶対シラユキ怒ってるわ。

 ━━━━こういうときなんて言うんだっけ?


 【ごめんなさい】

▶【ありがとう】



 そういえばシラユキがこういうときには『ありがとう』って言うように言ってた。



「ありがとう」

「「ありがとう!?」」



 シラユキとユイならずリスナーからも同じ反応が跳んできたが、前回の生放送を見てる人たちは理解していた。

 そして、オクトパスプランターを討伐した際に出てきた宝箱を三人で開けるとアクセサリーが3つ入っていた。



「共通アイテムで【揺るがない触手】……シラユキ装備しなさい」

「え?」



 ユイが無理やりシラユキに装備させるとそのアクセサリーからは二本のにゅるにゅるが出てきた。

 その二本のにゅるにゅるがシラユキに這いずりまわる。今回の生放送を見てる人たちはかなり恵まれているだろう。

 そして、シラユキの悲鳴がダンジョン内に響き渡ったのだった。


 その後、僕たちはギルドハウスへと戻るとリスナーお待ちかねのサービスタイムに。



「どう? 気持ちいい?」

「んいっ」



 シラユキに頭と身体を洗われて身体中に付いている触手から分泌されたネバネバ液を落として貰っている。

 泡がいい感じに隠すことで謎の光が降り注ぐことがなく、リスナーたちは大興奮。

 しかし、ユイは非常識なことに服を着たままシラユキの横で身体を洗っている。

 ちゃんと脱ぎなさい。シラユキだってタオル巻いてるけど服は着てないんだから。



「お水かけるから目瞑って」



 僕が目を瞑るとシラユキは上から水をかけて泡を落とした。

 僕は髪とか色々びちゃびちゃになり、髪が身体にひっつくのが気持ち悪く、犬のように震えて水を払おうとする。



「はい、つかまえたー!」



 するとシラユキがそれを読んでいたようで、タオルを僕の頭に押さえつけて、髪に染み込んだ水分を抜き取ってくれる。



「はい、いいよ」



 シラユキが僕の髪を結んでくれたおかげで髪が身体にひっつくことがなくなった。

 身体が綺麗になった僕は浴槽に入れて貰うと、シラユキは自分の身体を洗い始めた。



「ねえ、ユイちゃん。さっきから黙ってたんだけど」

「な、なによ……」



 僕もリスナーのみんなも「ついに言うのか」と唾を飲み込んだ。



「……なんでもないや」



 足が滑って浴槽で溺れる所だった。

 結局シラユキは黙ってるんだ……まあ、確かに言いにくいよ。服が透けてて余計にエッチぃことになってるなんてね。



 ユイがそのことに気づいたのは僕とシラユキがユイのことをジッと見つめ始めてから3分が経った頃で、発狂したユイが生放送を切っておしまいとなったのだった。






 名称 ネム(サポートキャラ)


 ランク:C+ 親密度:100%

 解説:人気VTuber『シラユキ』の妹。シラユキのことが大好きで、常に頭を撫でられたがっている。

 ちょっと歪んでるけど、その姿はとても愛らしく見る者を癒す。


・特性:【自動魅了付与】【破壊不能】


・パラメーター

 STR:130(+130) INT:230(+20)

 AGI:365 DEX:80%


・スキル(10枠中6枠使用中)

 ・使用スキル

 【ファイアボール Ⅵ】【ウィンドカッター Ⅷ】

 【アイスランス Ⅲ】


 ・常時スキル

 【歪み始めた人工知能(ブレイクオブブレイン)】【守護者(ガーディアン)

 【パートナーを想う気持ち】


 ・特殊スキル

 【アプリ連動】


・装備品

 【契約の腕輪】【絆の短刀(リアンズダガー)


・固有スキル

 ーーーーLv.0



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