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サポートキャラ はじめました  作者: 名月ふゆき
第2章 シラユキの日常
17/33

第16話 攻略せよ! 人魚の迷宮!!



 僕が氷を地面から出すとその氷が水晶に当たり、周囲が真っ暗になった。



「……終わった」



 僕は目を瞑ること十数秒。何も起きなかったのだ。

 不思議に思って僕は目をゆっくりと開けた。

 周囲を確認すると明かりが灯っていた。



『グル"ォ"ヴォ"ゥ!!』



 そして、突如として目の前に現れたギンザメ(魔物)にシラユキ共々捕食された。

 僕の意識はここで飛んだ━━━━━━



◇◇◇ リスナーの反応 ◇◇◇


 221 ネムちゃーんッ!!!

 222 俺の幼女ちゃんが!!

 223 ワイの合法ロリちゃんが!!

 224 ロリコンしか居なくて草


◇◇◇ ◇◇◇



 次に目を覚ますとリスナーのコメント欄が400ぐらいになっていたので、それなりに気絶していたようだ。

 そして肝心のシラユキは呑気に僕を膝枕していた。



「もう動ける?」



 シラユキの問いに僕は頷いて答える。

 僕とシラユキは何処か分からない場所を歩き始めた。

 風景としては圧倒的監獄なのだが、どうしてここに居るのかが理解出来なかった。


 今回のダンジョンはかなりレベルの高いホラー要素が入ってる。今すぐログアウトするべきなのだが、どういうこと訳かログアウトしても次回の開始点がここになるらしい。

 つまり完全に詰みなのだ。僕とシラユキはこのまま進むしかない。


 そんなわけで進み続けると大きな扉があった。これは以前のミツマタノオロチ戦の扉と同じだった。

 そう、これはボス部屋への扉だ。



「よく分からないけどボス部屋見つけたよ!!」



 リスナーたちは「うそーん」と声を揃えていた。僕も同じ心情だ。何故こんなところにボス部屋があるのだろうか?

 そんな疑問を持っているとシラユキが勝手に扉を開けて、僕の手を引いて入ってしまった。



『妖精を連れた人間とは随分久しいねぇー』



 僕とシラユキは声のする方をキョロキョロと探し、上を見上げるとそこには体長3mぐらいの上半身は女性(推定年齢65歳のおばさん)で下半身は魚のヒレを持つ人魚の姿があった。


 ……オモッテタノトチガウ。

 え? ずいぶん老けてるじゃん。こういうのってピチピチのお姉さんとかじゃないの? なにこの夢を潰してこようとする運営の嫌がらせ。



『めんこい妖精だこと。ふんっ!』

「ひゃあっ!?」



 僕はオバサン人魚に掴まれるとそのまま連れ去られて行った。



「ネムちゃん!!」

『ワタシよりも可愛い妖精なんて消し去ってくれるわ!!』



 シラユキが下の方で叫んでいるが、僕は完全に身動きが取れない。

 ここのボス部屋ではサポートキャラを封じる強制イベントがあるのだろう。

 ダンジョン内に入る際に【サポートキャラ必須】だったので実質装備枠を二つ失った状態でのバトルとなる。


 というかこのオバサン人魚、その見た目で自分より可愛いのが赦せないとか……



「【ウィンドストーム】!!」

『ふんっ、小賢しい!』



 シラユキのスキルは意図も容易く弾かれてしまった。

 恐らく何かしらのギミックがあるはずだ。今の僕にできること━━━━━━


 何度も考えるが、僕はシラユキに何もできない。

 あまりに惨め過ぎて涙が溢れた。



『スキル:【パートナーを想う気持ち】を獲得しました』



 すると何故かこのタイミングで新しいスキルが手に入った。

 するとそのスキルの詳細が表示される。



『【パートナーを想う気持ち】:????

 取得条件:プレイヤーへの強い信頼と愛情を表現した時』



 このスキルでいったい何ができるというのだ。詳細も無ければ使い方も無い。

 どうすれば━━━━━━━━



「ネムちゃんだけは絶対に渡さない!!

 【冷毒の(フローズン)鎮魂曲(レクイエム)】!!!」



 氷と毒による波動攻撃。オバサン人魚の下腹部を貫き、【状態異常:超猛毒】にさせた。

 何故シラユキがここまで強力なスキルを持っているのだ。僕は疑問に思ったが、オバサン人魚は苦しむあまりに僕を手離した。


 そして、オバサン人魚のHPゲージは【状態異常:超猛毒】によって一気に削られ、そのまま底についた。


 僕はというと【重力半減】の効果によってゆっくりと地面に落ちていった。



「よいしょっと。ネムちゃん救出成功!!」



 シラユキが落ちてきた僕をお姫さま抱っこでキャッチすると僕はシラユキにしがみついた。



「……そっか。怖かったんだね」



 シラユキは僕を抱えたまま宝箱を開けて、詳細を確認し、アイテムボックスに保管すると近くにあった転移魔方陣から外に出て、ギルドハウスへと戻った。



「大丈夫だよ。私はネムちゃんのこと、絶対に見捨てたりしないから」



 シラユキは僕の頭を優しく撫でて言ってくるが、僕が言いたいのはそれじゃなかった━━━━



「ごめんなさい……何もできなくてごめんなさい」

「違うよ」



 僕はシラユキに泣いて謝るとシラユキは僕の顔を見て言った。



「そういう時は『ありがとう』って言うの」



 シラユキの言葉が僕の奥深くに突き刺さった。



「……ありがとう」

「うん、それでこそネムちゃん。私の大切な妹!」



 シラユキはそう言うと僕のことを抱きしめてきた。

 僕はもう二度とシラユキから離れたくないと思ったのだった━━━━━━





 名称 ネム(サポートキャラ)


 ランク:C- 親密度:100%

 解説:人気VTuber『シラユキ』の妹。シラユキのことが大好きで、常に頭を撫でられたがっている。

 ちょっと歪んでるけど、その姿はとても愛らしく見る者を癒す。


・特性:【自動魅了付与】【破壊不能】


・パラメーター

 STR:130(+130) INT:210(+20)

 AGI:365 DEX:80%


・スキル(10枠中6枠使用中)

 ・使用スキル

 【ファイアボール Ⅳ】【ウィンドカッター Ⅶ】

 【アイスランス Ⅱ】


 ・常時スキル

 【歪み始めた人工知能(ブレイクオブブレイン)】【守護者(ガーディアン)

 【パートナーを想う気持ち】


 ・特殊スキル

 【アプリ連動】


・装備品

 【契約の腕輪】【絆の短刀(リアンズダガー)


・固有スキル

 ーーーーLv.0



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