第15話 ダンジョンみぃつけた!
シラユキは自宅に戻ると『マジョリティーオンライン』をログインする。それと同時に僕も『マジョリティーオンライン』内部に転移した。
「じゃあレベル上げに行こう!」
僕とシラユキはレベルアップの為に街を離れてダンジョンを探す。ダンジョンだと経験値効率も良く、アイテムも数多く手に入る。
なのでダンジョン遭遇はとても嬉しいものなのだ。
「【ウィンドカッター】!」
『ぴゅいっ!?』
いつも通りスライムをスライムチーズにしてレベルアップを狙う。
……いまつまらないギャグ言ったの誰だよ!
『スキル:【ウィンドカッターⅥ】が【ウィンドカッターⅦ】になりました』
僕がその場でジタバタとしているとスキルレベルが上がった。
そろそろ新しいスキルとか欲しいんだけど全然手に入らないんだよね。
そうして森を適当に探索していると1つの洞窟を見つけた。僕とシラユキがその洞窟を確認するとダンジョンだということがわかった。
「えっと、【サポートキャラ必須】【重力減少】だね。ちょっと準備するから待ってて」
シラユキが僕にそう言うとアイテムボックスから生放送専用カメラを取り出し撮影を開始した。
「こんばんわ。シラユキです! ダンジョンを見つけたので緊急生放送をですね。させて戴こうと思います!! よろしくお願いします!」
軽く挨拶を済ませるとシラユキは僕の手を引いてダンジョン内に入った。
中は【重力半減】の影響で高くまで跳べるようになっていた。
そして、綺麗な水晶などがあり、とても美しいダンジョンだった。
「見て見て!! 水晶さんだよ!!」
シラユキは水晶に触れようとするが、僕はそれを阻止した。
こんなところにある水晶なんて地雷確定。触れた瞬間に即死罠が飛んでくるだろう。
それから少し進むと初めて見るモンスターが現れた。
「……チョウチンアンコウ?」
そう、深海魚からただ足が生えただけのモンスターが歩いていた。
もしかしてここのダンジョンって地雷だったんじゃ……
「ネムちゃん、帰らない……?」
僕は頷こうとしたが、アップデートの影響でサポートキャラにもコメント欄が表示されるようになっていて、そこのコメント欄で「進め進め!」という意見が多かった。むしろ「行けっ!」という感じ。
━━━━━━どちらを優先する?
【シラユキ】
▶【シラユキのリスナー】
シラユキというのはリスナーがあって初めて成り立つものだ。そのリスナーを裏切るのは良くない!
僕は首を横に振ってシラユキを進ませた。
「【アイスランス】!!」
『オ"オ"ヴェ"ェ"ェ"ェ"……』
思ったよりもアンデッドらしい声を出して倒れたチョウチンアンコウから筋肉質な足の生えたモンスター。
シラユキが種族を確認すると【種族:人魚族】という記載があった。
「人魚さんだったんだねー!」
うん、大丈夫。僕がツッコミをしなくても勝手にリスナーさんたちがツッコミを入れてくれてるから。
◇◇◇ リスナーの反応 ◇◇◇
081 人魚!? エグくね!?
082 アレ絶対アンデッドだろ!?
083 この後見た目がヤバイやつ出るかもな……
084 深海魚で○いた
085 お前強者だわwww
◇◇◇ ◇◇◇
チョウチンアンコウを調べ終えると次のモンスターが僕たちに襲いかかってくる。
ミツマタヤリウオ、コウモリダコ、アトラクラゲなど数々の深海魚たちに足が生えたモンスターだ。
コイツらならまだ大丈夫だが、ギンザメやホウライエソが出たらもう発狂モノだろう。
「きゃああああああああ!!!」
シラユキは既に大声を出して僕にしがみついてきた。
リスナーたちはそんなシラユキを見るのが初めてだったようで、お喜びしている。
僕はというとシラユキに抱きつかれて狙いが定まらず、上手くスキルが使えない。
「【アイスランス】!!」
地面から氷を出して敵襲を防ごうとすると、氷が水晶に当たった━━━━━━
すると周囲が突然真っ暗になった。
「……終わった」
◇◇◇ リスナーの反応 ◇◇◇
211 終わったな
212 終わりだな
213 シラユキ死す
214 ゲームオーバー
215 お疲れさまでした
◇◇◇ ◇◇◇
名称 ネム(サポートキャラ)
ランク:C- 親密度:80%
解説:人気VTuber『シラユキ』の妹。シラユキのことが大好きで、常に頭を撫でられたがっている。
ちょっと歪んでるけど、その姿はとても愛らしく見る者を癒す。
・特性:【自動魅了付与】【破壊不能】
・パラメーター
STR:110(+110) INT:210(+20)
AGI:350 DEX:80%
・スキル(10枠中5枠使用中)
・使用スキル
【ファイアボール Ⅳ】【ウィンドカッター Ⅶ】
【アイスランス Ⅱ】
・常時スキル
【歪み始めた人工知能】【守護者】
・特殊スキル
【アプリ連動】
・装備品
【契約の腕輪】【絆の短刀】
・固有スキル
ーーーーLv.0




