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サポートキャラ はじめました  作者: 名月ふゆき
第2章 シラユキの日常
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第14話 ツンデレ系VTuber到来!


 シラユキが体育の時間、僕は1人で運動をしていた。

 そして時間が過ぎ、その時は突然と訪れた。



「…………」

『……なにしてんの?』



 覗き見してたシラユキは僕に一言だけ言った。僕はあまりの気まずさと恥ずかしさから乱れた体操着を整え、テレビの前にあるソファーに堂々と座った。



「何か用ですか?」

『(そのまま行くのか……)いや、お昼休みになったからネムちゃんとお喋りしよっかな? って思って━━━━━━』



 テレビにはシラユキとシラユキのお弁当、シラユキの背景が映る。

 そこには1面の白い壁が、左右にはピンク色の板があり、そして右側の板にはトイレットペーパーがついているのが見えた。


 ━━━━うん、この人トイレで弁当広げてるわ。

 いや、先程までベッドの上で1人でぴょんぴょんと跳び跳ねてた僕が言うのもアレだけどさ……



「もう少しマトモな行動したら?」

『ゲホッ!?』



 シラユキに999999のダメージ! しかし、僕のスキル【守護者(ガーディアン)】によって肉体的なダメージは0になった。元々肉体的なダメージは0だけど……



『お、屋上に行くね……』



 というわけでシラユキはトイレから出て階段をのぼる。僕はテレビに映る風景から旧校舎にいるのだろうと理解したのだが、そんな旧校舎のトイレで人気VTuber様がお食事をしていたと考えると涙が出てきた。



『ネムちゃんヤメテ。自分でもわかってるんだから』



 涙を両手で拭っているとシラユキに止めるように言われた。

 この日僕はあまりに可哀想過ぎると人って他人事でも涙が出るものなんだなぁと学習した。



 シラユキは屋上に通じる扉の前に立ち、扉を開けようとするが、そこには鍵がかかっていた。

 まあ、教師もいざという時に駆けつけられないだろうから当たり前だとは思うけど……


 仕方なくシラユキはその場で携帯を壁に立て掛け、お弁当を広げて食べ始めた。

 というかあの部屋の汚さからシラユキが料理できるなんて全く思わなかったんだけど……少し見直した。



『この料理ね。Pちゃんが作ったんだよ? スゴくない?』



 ドヤ顔で聞いてくるシラユキとシラユキに冷たい視線を送る僕。

 僕の見直した気持ちを返せ。オチの回収が早いんだよ。


 シラユキは僕と(一方的な)会話をしながら昼食を食べていると1人の学生がシラユキの横に立った。



『あっ! シラユキ! あの時はよくもチート使ってくれたわね!!』

『チート……? そんなの使っ━━━━シラユキって誰!?』

『アンタそれで誤魔化せてるとでも思ってるの!?』



 いいぞ。もっと言ってやれ。クラスメイトたち全員に正体バレてるって現実まで突きつけてやりな。……にしてもこの声どこかで聞いたような━━━━━━


 その時、僕の頭に1人のVTuberが思い浮かんだ。



「あっ、ユイだ」

『ユイ? ……あーっ!! おやゆび姫のユイちゃん!!』

『気づくの遅いのよ!!』



 僕がシラユキに教えると、少し経ってからシラユキが大声出して言った。

 そしてそのままツッコミを入れてシラユキの頭を叩くユイ。

 ようやくマトモなツンデレ系ツッコミキャラが出てくれたので、あとは全て彼女に任せることにしよう。



「……ん?」



 僕はユイの手に握られている袋が目に入る。そこにはおにぎりとパンが入っている。

 僕はもしやと思い、彼女に訊ねた。



「ボッチ?」

『『グハッ!?』』



 被害はユイだけに終わらず、シラユキにも跳弾した。

 二人の人気VTuberは口元を抑えながら地面に這いつくばっていた。

 僕はなんとかシラユキの心を支えてあげようとメイド服に着替える。



「ご、ごしゅじんさま……」

『シラユキふっかぁつッ!!!』



 シラユキは秒速で立ち直ったが、ユイの方はダメージを受けたままだった。

 シラユキって変なところ多いよね。というかマトモな部分とか皆無だよね。



『これからご主人様って呼んで!!』

「ご、ごしゅじんさま……」



 僕は俯きながら顔を赤く染め、小さな声で呟いた。

 シラユキは興奮しっぱなしだった。そして、何かがはち切れたかのように倒れた。



『え? ちょっとシラユキ!? 起きてよ! ……ったく、仕方ないわね』



 ユイはシラユキを背負い、そのまま階段を降りて行った。

 そんな様子を僕は微笑ましく見ていたが、ユイが僕のことを置いて行こうとするので慌てて呼び止めた。



「ちょっとおいていかないで!!」

『……シラユキには黙っててよ』



 ユイは僕に威圧してからスマホをポケットに仕舞い、シラユキを保健室へと運んだ。

 お弁当箱などは旧校舎に置いてきてしまったので、ユイがもう一度往復して取ってきた。



『アンタ使えないわね』

「っ!!」



 サポートキャラという枠なのに使えないと言われてアイデンティティーを失われた僕は分かりやすくソファーの角に座り、しょんぼりとした。



『あっ……』

『ユイちゃん?』

『そ、ソイツがうるさかったから仕方なく運んであげただけよ! 勘違いしないでよね!』



 起きたシラユキに対してツンデレのテンプレ発言をしたユイ。彼女はそのまま保健室を出ていってしまった。



『ネムちゃん、どうしたの?』

「なんでもない……」





 名称 ネム(サポートキャラ)


 ランク:C- 親密度:80%

 解説:人気VTuber『シラユキ』の妹。シラユキのことが大好きで、常に頭を撫でられたがっている。

 ちょっと歪んでるけど、その姿はとても愛らしく見る者を癒す。


・特性:【自動魅了付与】【破壊不能】


・パラメーター

 STR:110(+110) INT:210(+20)

 AGI:350 DEX:80%


・スキル(10枠中5枠使用中)

 ・使用スキル

 【ファイアボール Ⅳ】【ウィンドカッター Ⅵ】

 【アイスランス Ⅱ】


 ・常時スキル

歪み始めた人工知能(ブレイクオブブレイン)】【守護者(ガーディアン)


 ・特殊スキル

 【アプリ連動】


・装備品

 【契約の腕輪】【絆の短刀(リアンズダガー)


・固有スキル

 ーーーーLv.0



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