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サポートキャラ はじめました  作者: 名月ふゆき
第1章 サポートキャラはじめました
10/33

第9話 【筋肉】は多数派だった!



 シラユキが首を撥ね飛ばして敵チーム全員が退場した頃。

 僕はそのあまりの恐ろしさに恐れおののいた。



「そろそろ1日目も終わるから、一旦寝てていいよ」



 シラユキは御像の後ろに隠れて僕に膝枕をすると、寝かせつけようと背中をゆっくりと優しく叩いて子守唄を歌い始めた。



「ねーろねーろ! わっせいわっせい! おーやっすみ! どっせいどっせい! ソイヤソイヤソイヤソイヤ!!!」

「うるさい!」



 急に騒ぎ始めたシラユキに僕は怒った。

 何コレ!? 子守唄というより祭りじゃないの!?



「私はよくお母さんが歌ってくれて、これでスヤスヤと寝られるんだけど……」



 しょんぼりしながら爆弾発言したシラユキ。

 シラユキのお母さんがどんな人なのか? ここまでくると凄い気になる。



「じゃあ黙ってるね。おやすみ」



 僕はシラユキの膝の上で寝ようと、横になって目を瞑った。



 ぐぅ~~~~~~~~



「…………」

「すぅーすぅー」



 約3分間というかなり長い時間お腹が鳴ってしまったシラユキは顔を赤くして僕のことを見る。

 ━━━━━━どうする?


 【シラユキを見つめる】【寝たフリをする】


 これはもう一択しかない。

 僕は寝たフリをした。これは彼女のために。彼女のプライドを守るために彼女をサポートするのだ。


 そう思っているとシラユキが僕のお腹に手を入れてきて、優しくくすぐった。



「ふひっ!」

「っ!?」



 シラユキは僕が起きてることに気づくと恥ずかしさからか僕のお腹を強く殴ってきた。

 けど、僕には何の意味も無かった。

 そして、1つの表示が出てきた。



『【破壊不能】』



 表示されたのはそれだけ。

 シラユキはあまりのウザさからか床を強く叩いた。

 僕はというとそのままスヤスヤと眠りにつき、深い眠りへと誘われていった。



「……おやつ食べよ」



 シラユキはアイテムボックスからゲーム内で食べられるおやつを取り出して食べ始めた。

 最も、お腹が空いてるのは現実世界のシラユキなのでこんなものでお腹の音は防げない。

 しかも今は現実世界の約72倍の速度で流れているので、ゲーム内でのお腹の音が流れる時間は72倍される。


 この辺は次回のアップデートで修正されるんだとか。

 僕、肉体無くてよかった。



◇◇◇ 【公式掲示板】 ◇◇◇


 789 シラユキが寝てる!


 790 きゃわわっ!


 791 癒される……


 792 この間に襲撃来たら終わりだな


◇◇◇ ◇◇◇



 それから7時間ぐらい経ち、僕は目を覚ました。



「すぅーすぅー」



 僕とシラユキは御像の後ろに寄りかかって寝ていた。

 どうやらシラユキも疲れて途中で眠ってしまったようだ。



「んっ」



 僕は膝元に落ちてしまった毛布をシラユキにかけ直した。


 それから3日間ここに籠り続けたが、人が来ることはなかった。



「ネムちゃん、そろそろ移動しよっか?」



 僕はシラユキに頷いて外に出ようとした時に何か違和感を感じ、シラユキを引き留めた。



「どうしたの?」



 直後、爆発音が外に響く。そこはシラユキがそのまま進めば確実に当たっていたであろう場所。

 僕とシラユキは爆風で御像の前にある長椅子に当たる。



「ひゃっ!?」

「シラユキみっーけ!」



 僕とシラユキが前を見るとかなり大勢の筋肉たちと1人のショタが立ち塞がった。



「「また筋肉!?」」



 僕とシラユキは見事にハモった。

 まあ、あれだけたくさんの筋肉を見たらそんなツッコミしちゃうよね?



「シラユキ、キミは詰んだ。何故ならここにはぼくたち『ワンダーマッチョーズ』が全員揃ってるんだからね!」



 また新しい名前のマッチョチームが来たよ! なんで僕たちの周りにはこんな筋肉しか来ないのだろう?



「行けっ!」



 ショタが命令すると同時に僕とシラユキは戦闘に備えた。

 だが、彼らは実に戦略的だった。僕とシラユキは彼らの行動が完全に読めなかったのだ。



「「「「【ファイアボール】!!」」」」

「「…………」」



 そう、数多くのマッスルたちが魔法を放ってきたのだ。

 僕とシラユキは驚きのあまり絶句した。

 


「【ウィンドカッター】!」



 そして、迫りくる【ファイアボール】に対して、僕はようやく反応して【ウィンドカッター】を放つ。

 僕の放った【ウィンドカッター】は【ファイアボール】を全て打ち砕き、軽く筋肉たちにダメージを与えた。



「「「その程度の攻撃。我らの筋肉には通用しないっ!」」」



 『ワンダーマッチョーズ』たちはマッスルなポーズを全員でキメ、何かをほざいてきた。

 ガッツリHP削れてるんですけど……



「【ウィンドカッター】!!」

「「「ふっ、その程度痛くもないっ!」」」



 『ワンダーマッチョーズ』たちはポーズをキメたまま僕の【ウィンドカッター】を諸に受けた。

 そして、彼らは「痛くもない」と言うと、HPが0になって、消えていったのだった。



「チッ! あのゴミ共が……! メンバー変えようかな?」



 独りぼっちになってしまったショタマッチョ。

 奇遇なことに僕も彼の意見には賛成だ。あんな使えない連中はさっさと捨ててしまえ。

 というかあんなのでどうやって4日間生き延びたの?



「スキアリッ!」

「グハッ!?」



 シラユキがショタマッチョの心臓に剣を突き刺した。

 ショタマッチョのHPが一気に減っていく。

 シラユキって思ってたよりも卑怯だ……



「もう勝てないと思ってたし、また今度だね。

 今日の中間発表でどうなるのか楽しみにしてるよ━━━━━━」



 それだけ言うとショタマッチョはHPが尽きてそのまま消えていったのだった。





 名称 ネム(サポートキャラ)


 ランク:C- 親密度:47%


 解説:人気VTuber『シラユキ』の可愛い妹。触れた異性を【魅了】にするが、最近歪み始めた。


・特性:【自動魅了付与】、【破壊不能】


・パラメーター


 STR(物理攻撃):77(+77) INT(魔法攻撃):210(+20)

 AGI(俊敏性):350     DEX(命中率):80%


・スキル(10枠中5枠使用中)

 ・使用スキル

 【ファイアボール Ⅳ】 【ウィンドカッター Ⅵ】

 【アイスランス Ⅱ】


 ・常時スキル

 【歪み始めた人工知能(ブレイクオブブレイン)】【守護者(ガーディアン)


・装備品

 【契約の腕輪】【絆の短刀(リアンズダガー)


・固有スキル


 ーーーーLv.0



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