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<38>ダンジョンを作ろう 5

「それじゃ、ハルキの準備も整ったところで、内容を検討しようか」 


 そうサラに促されて、ダンジョンコアが示してくれた内容に再度目を通す。


――――――――――――――――――――――――――――――――


 ダンジョンレベル 1 残り 640 ポイント

 回収率 100 % 流出魔力 0 


 設置可能施設:小部屋500P、個室小100P、風呂小200P


 実行可能機能:魔力流出量増加100P~、魔力流出箇所設置200P


 召喚可能従者: スライム100P/匹


――――――――――――――――――――――――――――――――


 ダンジョンレベルが1ってことは、今後レベルが上がるにつれて出来る内容が増えると考えて問題ないだろう。

 残りポイントが640で、それぞれの後ろに書かれている○○Pってのが消費するポイントだと思う。


 設置可能施設に関しては、一般的なもので特に疑問はない。

 個人的な感想としては、風呂が作れるのはすごく嬉しい。ここ数日は風呂とか無縁の生活だったしな。


 次の実行可能機能ってのは一旦放置するとして、問題なのは召喚可能従者だろう。


 ダンジョンレベルが低いから弱いモンスターしか召喚出来ず、弱いモンスターの代表者であるスライムのみってのはわかるんだが、スライム1匹で100P、風呂や個室と同じレベルってのはおかしいだろ。

 兄達に対抗できるよなモンスターを大量に生み出すとなったら、いったいどのくらいのポイントが必要になることやら……。

 

 残りの、回収率や流出魔力関係は、意味がよくわからんな。


「わるいんだが、回収とか、魔力流出とか、この辺詳しくおしえてもらっていいか?」


 意味がわからないなら聞けばいい、ってことでダンジョンコアに聞いたら、クロエ経由で返答が来た。


「回収率は、ダンジョン内で魔物なんかが倒されたときに回収する割合だって。

 この割合を下げると回収する魔力は低下するんだけど、そのかわりに角とかお肉とか、必要そうな部分を残すことが出来るらしいよ。

 魔力流出のほうは、流せば流すほど、強い魔物が生まれるんだって。それと、強い魔物ほど魔力流出場所に近いところを縄張りにするから、流す場所を決めることも大事なんだって」


 なるほどね。つまりは、魔力を餌に魔物を呼び出す。呼び出された魔物は魔力を求めて争い、居場所を決めると、そんな感じか。


「……いや、ちょっとまて。

 流せば生まれるってなんだ? 魔物は召喚するんじゃないのか?」


「うんっとね。召喚の方は、知性を持った子が生まるから、その子達は、私の指示に従ってくれるんだって。

 流した魔力で生まれる子は、自然界に居る子と変わらないから、私の指示を受けないし、私達が近づくと襲ってくるだろうって」


 ダンジョンマスターであるクロエが、ダンジョン全体を支配下に置くのかと思っていたんだが、そうはいかないらしい。


 けど、まぁ、危なかったらクロエの移動魔法とやらで逃げればいいし、俺達にも襲い掛かってくるってことは、進入してきた兄達の手下にも襲い掛かるだろうから、そこまで大きな問題はないか。


「なるほどね。大体は理解した。

 ポイントが600しかないから、現状できることは小部屋を500ポイントで作って、のこり100ポイントで魔力流出量増加する以外に選択肢がないってことだな。

 その後は、ポイントを貯めて、徐々に拡張するってことで良いよな?」


「うん、いいと思うよ」


「え、えぇ、アリスも同意してあげるわ」


 俺の意見にクロエとアリスが賛同する。しかし、アリスの様子を見るに、恐らく理解せずにとりあえず同意した、と言った感じに見える。


「ボクもハルキの意見が最適だと思うのだが、1つだけ状況を確認させてほしい。

 今建設しているダンジョンなのだが、ここは、ボク達の住居も兼ねることは事前に共有している情報だね? つまり、生活環境を整えないと、ここに来るまでのようなサバイバル生活になるということだよ?」


「…………」


 何度も言うが、いまあるポイントは600ポイントしかない。


 人間が4人居て、個室が1人100ポイント、お風呂が200ポイント。

 兄達がいつ追っ手を出してくるかわからない状況であり、早急にダンジョンとしての機能を整えないと命が危ない。


 正直な話し、小部屋に100ポイント分の魔力を流すだけで、どれほどの戦力になるのか不安ではあるが、無いよりはよっぽとマシである。


「よしわかった。それじゃぁ、2つの意見に対して多数決を取るぞ。

 まずは戦力増加案な」


 命と睡眠、どっちが大事かなんて、生まれて間もない赤子でもわかる話だ。

 それに、狼と実際に命のやり取りをした俺達は、命の価値を誰よりも知っている。

 そんな状況下にある俺達の意見は一致しないはずが無く、話し合いは一瞬で終わった。


「コアちゃん。個室小が4つとお風呂小の設置、お願いね」


 サバイバル生活3日目、お風呂、安眠から遠ざかっていた僕等に、その欲求を止めることは不可能だった。


 ん? 防衛機能? 兄達への対策?


 ええねん、明日から頑張ればええねん。ぐっすり寝てからでええねん。

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