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最凶無比の魔女王は静穏を願う。  作者: ぶるどっく
黒薔薇の魔女王は静かに力を蓄える。
14/55

魔女王様と色情魔。

皆様、こんばんは。

今回の話しには多少ですけど大人な表現が含まれます。

お気を付け下さい。

「それなりに楽しめる試合だったわねん。

 でも、黒薔薇ちゃんっ!酷いじゃないっ!!

 あたし達の間で隠し事なんて、いけない子だわんっ!!!」

 闘技場の私専用観戦スペースに、拗ねた様な口調のサラサの声が響く。

「うふふ、ごめんなさいね。

 だって、サラサを驚かせたかったんだもの。

 なかなか貴女好みの容姿の子でしょう?」

「んっもう!悪戯っ子なんだからん。

 うっふふ、あたし好みの容姿をしているわあ。」

 獲物を狙う様な肉食獣の眼をしたサラサの眼差しがロキに降り注いでいるわ。・・・サラサの視線を感じ取ったのかしら?今一瞬ビクッとしたわね。

「・・・あの紅いのも、災難じゃのう。」

「・・・翁、あの糞犬も含めて俺達もあれの被害者なんだが。」

「・・・気の毒じゃのう。」

「・・・。」

 隅っこでエディと翁がこそこそ話し込んでいるわねえ。でもね、エディそんな事言っていると・・・ね?

「あーら、翁様。何か仰いましたか?」

「・・・ほっほっほ、そなたの姿を見ておったら、リヴァとお茶が飲みたくなったと言っておったんじゃ。」

 サラサは地獄耳だもの。そんな話しをしていたら矛先が向いちゃうって事よねえ。まあ、翁はサラサの主の友人だもの。無碍には出来ないわよね。

「そうですか。主様に伝えておきますわ。

 さーて、あたしの可愛い藍猫ちゃん。

 あたしに会えなくて寂しかったのね、こっちに遠慮せずに来たらどうかしらん?」

「・・・寄るな、触るな、抱きついて来るなっ!!

 俺に触れて良いのはっ、我が君だけだっっ!!この色情魔っっっ!!!」

 ・・・私の前では、いつも言葉を崩さないエディが押されているわ。

 あらら、サラサに押さえ込まれ掛けているわねえ。あ、サラサったら服に手を掛けたわ。

 一応、エディは数少ない文官達には悪鬼の宰相と恐れられているんだけどね。・・・まあ、腕力的な意味じゃ無くて性格的な意味合いだけどね。

「嫌だっ!離せっ!俺の服を脱がそうとするなっ!!」

「うっふふふふふ、相変わらず可愛い反応ねえ。

 もっと、啼かせたくなるわあ。

 ねえ?・・・今すぐ押し倒しても良いか?」

「っっ!!

 嫌に決まっているだろうっっ!!我が君っ助けて下さいっっっ!!!」

 サラサったら溜まっていたのね、本気になりかけているから男の声音と口調に戻りかけているわ。

 それに、エディもシャツをはだけられて、今にもズボンを脱がされそうになっているし、これ以上はさすがに公衆の面前では教育上良くないわね。でも、まあ、羞恥と怒りで元々白い肌を紅く染め上げて、抵抗した所為で早くなっている呼吸に、涙目で睨み付ける姿はとっても艶めかしくて、サラサが本気になりかけるのも分かっちゃうわねえ。

「サラサ、駄目よ?

 こんな所でシたら、さすがにエディが可愛そうよ。

 それに、ヤるなら合意の上じゃなきゃ。エディも私の可愛い民の一人なんだから、ね?」

「・・・もうっ、しょうがないわねえ。

 今日は、黒薔薇ちゃんのお願いを聞いて我慢するわあ。

 でも、そうねえ、黒薔薇ちゃん?

 ちょっとだけ、あの密偵くんも構って良いかしらん?

 藍猫ちゃんや執事君と同じくらい好みなのよお。」

 私がエディの救出のための言葉をサラサに向ければ、エディを押さえ込む手はそのままに少しだけ考えて返事をしてきたけど・・・。ロキには洗礼の一種だと思って頑張ってもらうしかないわね。

「サラサの気持ちも分かるし、泣かさない程度にお願いね。」

 でも、サラサは結構サドッ気が強いから無理かもしれないわねえ・・・。



 ・・・やっぱり、こうなっちゃうわよねえ。

 場所を移して闘技場内にある談話室の1室には、サラサから逃げ惑うレディウス、ナギ、そしてロキの姿が広がっていた。

 エディと翁は先に王城へ撤退したわ。エディもこれ以上、サラサの餌食になって私の前で醜態をさらしたくなかったみたいだし。でも、逃げる三人は必死の形相である事に対して、なんだかサラサは嬉しそうねえ。

「サラサったら、我が君の御前なのに!もうっ、本当に見境無いんだからっ!!」

「・・・そうでもないんじゃないかしら?少なくとも、サラサには好みがあるもの。

 私やアイリスは好かれているけれど、そういう対象ではないみたいだしねえ。」 

 そんな光景を私とアイシスは部屋の真ん中辺りにあるソファに座りながら観察している。

 試合が終了して、エディとサラサの一悶着の後に表彰式があったわ。私から民衆の前で褒美を渡すだけの事だったけどね。この部屋には、4人の闘いを賞賛するためと私がロキと少し話してみたい事もあって呼んだんだけど、一緒にいたサラサがまた暴走を始めちゃったわ。


 あ、ロキが捕まって絨毯の上に押し倒されちゃったわ。何とか抵抗して、脱出しようとしてるけど人間の力では無理でしょうねえ。案の定脱出できずに服を脱がされかけてるわ。

「っ!・・・っっ!!」

「あら、貴男あんまり喋らないのねえ。

 いいわ、いいわよ。その方が燃えるものぉ。

 ・・・絶対に良い声で啼かせてやるよ。」

「っっく!」

 ロキったらサラサのサドッ気に火を付けちゃったみたいねえ。あ、レディウスとナギが救出に向かった・・・けど、3人纏めて仲良く捕まちゃったわ。もう、手のかかる子達ねえ。

「サラサ、お楽しみ中に申し訳ないけど其処までにしといてくれる?」

「・・・黒薔薇ちゃん?結構今良いところで、どの子から食べようか真剣に悩んでいたんだけど。」

 本気で3人を食べちゃうつもりだったんでしょうねえ。でもね、彼だけは駄目。許容できないわ。


「ねえ、サラサ。エディの時も言ったけど、無理強いは駄目よ。

 それに3人は私の可愛い民だし、少なくとも、・・・多少は許すけどレディウスは駄目よ?」

「・・・ふう。

 もうっ、冗談よっっ!!

 本気にしちゃあ、やーよ。黒薔薇ちゃん?」

 私の笑顔の中に本気を感じ取ったんでしょうね。サラサは3人から手を離して、解放したわ。

「ふふ、ごめんなさいね。」

 まあ、これでしばらくはサラサも大人しくしているでしょう。



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