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第22話 王都

「いやぁー! 二度目だけどやっぱ王都は、賑やかだな!」


「アシム! 眺めてないで荷物を下ろせ!」


「はーい」


サルバトーレ家は、王都へ引っ越しをしていた。


「大きいお家です!」


アイリスが前の家より、大きいことにビックリしていた。


「すごいだろ!」


今の一家の大黒柱は残念ながら、アシムだ。


「ほら、ちゃっちゃとする」


まぁ父親なら、騎士団でどんどん昇進するだろう。


新しい家に、新しい土地、気分が高揚するのも無理はない。


「アイリス! 荷ほどき終わったら庭で遊ぼう!」


「やったー!」


魔法を駆使して、チャチャっと片づける。

自分の妹ながら、魔法のコントロールはピカイチだと思う、確実にアシムより上だ。

威力はまだアシムが上だが、将来どうなるかわからない。


「アイリス! 行くぞ!」


片づけが終わり、早速遊ぶ二人。


「出かけてくるから、家を出るなよ!」


「はーい」


父親は早速騎士団の元へ行ってみるそうだ。

入団テストなどの時期を確認しないといけない。



庭に出て、アイリスと遊ぶ。


「お! アイリス今のフェイントいいぞ!」


「やー!」


可愛らしい掛け声と共に、高速の剣戟が飛んでくる。


「お! ちょっとかすったな!」


「やったー!」


「よーし! アイリスの勝ちだ! 後で何か甘いもの食べさせてやるぞ!」


サルバトーレ家の遊びと言えば、軽い模擬戦のことをいう。

暫くして、父親も帰ってきて、夕食を食べながら明日の予定を話し合う。


「明日は王城で証言して、何も無ければ午前中で終わるはずだ」


明日の王の前での、証言は当事者からの報告が主な目的であり、罪はもう確定的なのだ。


「うん、アイリス! 明日の用事が終わったら街でお菓子食べよう」


「うん!」


アイリスが天使のような笑顔で答える。

こんな妹居たら、つい甘えてほしくなる。


「じゃあ今日はもう寝る準備しようか!」


明日に備え寝る。





「おはよう」


「おはようお兄様!」


「おはようございます父上」


「ああ、おはよう」


今日は朝早くから、王城へ出向く予定だ。

支度も済み、家を出る。


「ん?」


「どうしたアシム?」


「いえ、なんでもないです」


何か、路地の方が気になったが、見ても何もなかった。


「人は、いたよな?」


気配は感じたが、すぐいなくなってしまった。


「いくぞ!」


アダンに呼ばれ、気にすることをやめた。


王城に着き、控室に着く。

しばらくして、王の前で証言をした、初めての国王に緊張したが、なんとか乗り切ったと思う。


役目が終わり、帰ろうとしたが。


「それでは、控え室でお待ちください」


執事の人に、部屋に案内される。


「何かあったっけ?」


「褒賞だよ」


「あ! 今日そのままやるの?」


「ああ、また来ると二度手間になってしまうし、国王様も時間を取れる日は少ないからな」


「へぇ」


国王様がヒマだとは、思わないが、かなり激務らしい。

控え室で待っていると、扉がノックされた。


「どうぞ」


「ようこそ王城へ!」


入ってきたのは、リーゼロッテだった。


「リーゼロッテ! 久しぶりではないな!」


「ああ、つい先日あったばかりだろう」


「なんでリーゼロッテがここに?」


家族とも挨拶が終わり、リーゼロッテに質問をした。


「君達が来ていると聞いてね、私も一緒に褒賞を受け取るから、迎えにきたのさ」


「そうなのか」


「それじゃあ行こうか!」


「ああ」


リーゼロッテの案内の元、謁見の間に向かう。

先程は、王城に作られた法廷だったから、謁見の間は案内してもらわないと分からない。


「着いたぞ」


「うん」


国王様を見るのは二度目だが、緊張してきた。


「そう堅くなるな」


「う、うん!」


「言っても無駄なようだな」


リーゼロッテに笑われてしまった。


中から呼ぶ声が聞こえ、扉が開く。

そのまま進み、片膝を着き臣下の礼をとる。


「お主が今回の反逆を止めた、アシム・サルバトーレか」


先ほどの、法廷としての役目の時とは違い、初めて言葉を交わす。


「は! 若輩ながら、国のお役に立てたことを光栄に思います」


「うむ、余も若人が活躍してくれるのは、嬉しいが……ちと若すぎないか?」


「今年で6歳になりました!」


「ほほほ! 愉快じゃ! このような若者が育つとは、この国の未来も安泰じゃのう」


国王様に褒められ、内心ニヤニヤが止まらない。


「して、お主引いては、今回の反逆を止めた者たちに褒賞を与える」


「は!」


「今回サルバトーレ家は男爵へ任命する!」


父親が息を呑む。

一度貴族から落ちたものは、返り咲くことが相当難しい。


「そして、今回最も貢献したアシム・サルバトーレ!」


「は!」


名前を呼ばれて、返事をする。


「お主を准男爵へと任命する!」


6歳にして、貴族位を貰えるという事に驚き一瞬固まる。


「は! ありがたき幸せ!」


国王からの褒賞は、断れないのでこの瞬間、アシムは6歳の中で一番偉くなった。


お読みいただきありがとうございます!

准男爵は貴族位とはいえ、名誉だけの貴族です。

男爵は、他の貴族の元や王城で働く文官みたいなものです、しかし、必ずしも貴族の元で働かなくてもいいので一応仕事の幅は広いです。


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