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思わぬ強敵

 敵を倒し、結城は剣についた血を拭って鞘に収めた。


「このメンツ、存外楽だな」


「鬼人公に龍公、十剣が二人、十剣クラスの人間が一人だからな。苦戦する道理がねえや」


 斬歌が淡々とした口調で言う。


「そうだな。たった一匹相手にこの人数は不憫だった」


「不憫とか言ってる場合かよ。行くぜ」


 そう言って斬歌は駆けていく。

 全員、その後を追った。


 その時、背後から気配がして、結城は振り向いた。

 そして、慌てて新十郎を押しのける。


 その首に、針が刺さった。


「流石の第一席殿も死体の気配は察知できなかったようだな」


 そう言って嘲笑ったのはキスクだった。天井の通風口に隠れて待っていたらしい。

 そして、その体が動きを止めた。


 入れ替わりに結城の体から莫大な魔力が放出される。

 それに潰されるように、神楽も、新十郎も、地面に倒れ伏した。

 結城は、体を乗っ取られたのだ。


 魔力のバリアを張って、斬歌とシアンは立っている。

 天使は、効果がないらしく平然と立っている。


「面白いじゃねえか。お前とは戦いたいと思っていた」


 斬歌の体が膨れ上がる。そして、角が三本となり、その変化を終えた。

 シアンの体に鱗が現れる。

 鱗は体から離れて、高速移動して結城を狙った。


 剣を持った腕を振るだけで光刃が生まれ、鱗が弾かれた。

 斬歌は刀を抜いて力押しで結城を倒そうとする。

 しかし、ぶつかりあった刀は、徐々に、徐々に、斬歌の方へと傾いていった。


 斬歌は舌打ちして後方へと飛ぶ。


「これが、十剣最強……」


「そうだ、十剣最強だ。欲しかったのだよ、この体が。若さと才能に溢れ、飛び抜けた実力を持つこの体を!」


「悪魔王かい。人間に縋るようになっちゃあおしまいだ」


「こいつは規格外なんでね」


 そう言うと、結城は斬歌に飛びかかった。


「何事です!」


 遥の凛とした声が響き渡る。

 いつの間にか、別ルートを進んだ四人が合流していた。



第百九十二話 完



次回『あなたを超える時』


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