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八公会議

 七公会議もいい加減八公会議にあらためようということになり、呼称が多少変わった。

 大きなテーブルには、不死公、狼公、鬼人公、龍公、亜人公、遊具公がついている。


「地上侵攻は諦めたのか? 亜人公」


 狼公が物憂げに言う。


「その件について話がある」


 亜人公は、鋭い目で遊具公を睨みつけて言う。


「私は操られていた。私だけではない、ギルドラもだ。遊具公の針をつけられ、思考をコントロールされていた」


 ざわめきが起きる。

 斬歌はテーブルの上に足を置き、欠伸をしていた。


「事実ならば聞き捨てならんな、遊具公」


 不死公が鋭い口調で言う。


「誰かが地上を制圧せねばならんでしょうや」


 遊具公は唇の片端を上げてそう言った。


「認めるということか?」


「認めましょう。そして、もう他人には頼りません」


 鬼人公が刀を鞘から抜いた。

 龍公の鱗も剥がれて、凶器として宙に浮いている。


「認めた時点で十分だ。お前のような危険分子と馬を並べられるか」


「私を殺したら悪魔はあなた達を襲いますよ。それでもよろしいか?」


「悪魔……だと?」


 部屋の扉が開く。強力な魔力が感じられた。

 小柄で、真っ黒で、尻尾があり、長い耳は折れている。そんな外見の悪魔としか言いようがない生物が何匹も会議場に入ってきた。

 彼らは、遊具公以外の族長の背後をとる。


「悪魔を駆使するとは、貴様、何者だ……?」


 不死公が戸惑うように言う。


「今後は悪魔王、キスクとお呼びください」


 そう言って、遊具公、いや、悪魔王は微笑んだ。


「もっとも……俺が出る局面は避けたかった」


 悪魔王は呟くように言う。


「あちらにも、天使が降りている頃でしょう。世界の卵をめぐって」


 部屋に沈黙が流れた。

 誰もが悪魔王の言葉に戸惑い、思考を張り巡らせた。



第百五十六話 完

次回『天使降臨』


本日の更新はここまでです。

明日も三話更新します。

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