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魔王、極悪国家の領主令息に転生す。~闇魔法で人族を支配するつもりが、名君扱いされる~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第49話 開戦


 アデレア国から宣戦布告である書状が届いてからさらに7日後、カルヴァドス領のもっともアデレア国側に位置するバシバル草原という名の広い草原にて進軍しているアデレア国の軍を確認し、グリフォンに乗ってそこまでやって来た。


「ふむ、これだけの大軍を相手にするのは久方ぶりであるな。エリオン、しばらくここで待機していてくれ」


「キィ!」


 これからここで派手な戦いとなるため少し離れた場所にエリオンを置き、見晴らしのよい草原の真ん中へと移動する。


 アデレア国はそれほど大きくない国とはいえ、勇者とそれなりに縁のある国ということで、国の大きさ以上の軍隊を所持しているようだ。ここから見えるだけでも数千人の兵が隊列を組んでやってくる。


「さて、2人とも準備はいいな。言っておくが、くれぐれも無理はしてくれるなよ。この場はアデレア国へ我の力を見せるための場でもあるからな」


「はい、承知しました。私たちは露払いをするだけでございます」


「き、気を付けます!」


 こうでも言っておかないと2人は無茶をしそうだからな。


 人族の兵に後れを取ることはないと思うが、それでも戦場では何が起こるかはわからない。一瞬の油断やミスで命を落とすこともある。今回の戦闘は我の強さを見せ、二度と我に逆らう気を起こさせないことが目的だ。ミラやセレネの力ではなく、我自身の力を見せるとしよう。




「貴公がカルヴァドス子爵であるか?」


 草原の真ん中に3人で待っていると、アデレア国の兵士たちがゆっくりと近付いてきた。そして我らの姿を確認すると兵たちが立ち止まる。


 兵の先頭にいる馬に乗って鎧を身に着けた者がひとり前に出てきた。おそらくこの兵を預かっている中隊長のような者だろう。


「その通りである。貴様らはここがカルヴァドス領と知って足を踏み入れているのだな」


「アデレア国所属のベタゴル伯爵である。アデレア国国王の命により、ミラ様を迎えに参上した。大人しくミラ様を引き渡せば何もせずに引き返すことを約束しよう」


「私は自分の意思でゼノン様に仕えているのです。あなたたちが行っていることは他国への侵略行為となります」


「……やはりミラ様はそこの者に操られているようですな。そこの魔王の生まれ変わりである闇魔法の使い手を殺せば洗脳が解けると聞いております。カルヴァドス子爵、最後の通告だ。今すぐミラ様を解放しろ! さもなくば貴公の命はここで潰えることとなるぞ!」


 ふむ、予想通りというべきか、アデレア国や教会の者に嘘を吹き込まれているのだろう。これでは我やミラが何を言っても無駄であるな。


「貴様らが何と言おうとミラは渡さぬ。こちらこそ、これが最後だ。それ以上進めば我が領地に対する侵略行為とみなし、貴様らを排除する」


「……他に兵や騎士などはいないようだが、この軍を前にして貴公はそれほど愚かなのか?」


「貴様らを相手にするのは我らだけで十分だ。御託はいいからさっさとかかってこい」


「き、貴様、調子に乗りおって! 貴様らなど私一人で十分だ。ミラ様、今お救いします!」


 我の言葉に逆上し、男は剣を抜いた。


「セレネ、任せたぞ」


「はい!」


 セレネが立ちはだかるように我の前へと出る。馬に乗ったまま男がセレネへと迫る。


「死ね、小娘!」


「はっ!」


「なっ!? がはっ……」


 男とセレネが交差し、セレネの鋭く伸びた爪が鎧越しに男の腹を貫いた。子供の姿である我やセレネを見て、油断して自身で突っ込んできたようだがセレネを舐め過ぎである。


 まだ幼き子供であっても、その身体能力は人族の男などゆうに超えている。


「ベタゴル様! なっ、なんてガキだ!?」


「くそっ、ベタゴル様の仇だ!」


 それが開戦の合図となり、数千もの兵士たちが一斉にこちらへとなだれ込んできた。


「さて、まずは任せるぞ」


「承知しました。『聖なる矢(セイクリッドアロー)』!」


「いきます、『龍の息吹(ドラゴンブレス)』!」


「「「ぎゃあああ!」」」


 ミラの目の前に光り輝く矢が何本も現れ、目にもとまらぬ速さで敵兵を討ち抜く。聖魔法は障壁や回復魔法の支援も多いが、もちろん攻撃手段もある。ミラほどの使い手であれば、あれくらいの矢のサイズであればほぼ無限に討ちだすことが可能だ。


 そして魔龍族であるセレネの龍の息吹は口から灼熱の炎を吐く技である。四天王であったザルファードが得意としていた技だ。力はすでにザルファード並みにあるセレネであるが、さすがにこの技の威力はまだまだである。それでも人族を相手にするには十分であるがな。


 2人を前にして次々と敵国の兵士たちが倒れていく。


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