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21.またまた襲撃です。

 翌日の夕方にまた襲撃があった。

 今度は昨日より人数が多いようだ。

 レリックが先頭になり砦前で隊を停止させると敵兵も同じように騎馬兵を前面に出してこちらを睨めつけるように扇形に隊列を組んで布陣した。

 昨日とは違い砲弾をこちらの砦に打ち込んでこようとはしていないようだ。


 フーン。

 つまらないわね。

 自軍の砲弾で被弾したのがよっぽど堪えているのかしら。


 そういえば昨晩の作戦会議も面倒臭かったわね。


 先陣斬って突撃したいレリックが強行突破作戦ばかり立案してそれをメグがことごとく論破するの繰り返しだった。


「なんでこの作戦じゃダメなんだ。」

「いいレリック。これは魔物殲滅作戦じゃないんだから敵から恨みを買うような方法は極力とるべきじゃないのよ。むしろ食料もたくさんある砦から出て相手の国に攻め入ってどうしようというの。」

「決まっている短期決戦で戦争が終わるんだ。それが一番いいだろう。」

「いいわけないでしょう。レリックみたいな英雄ばかりじゃないんだからこっちの被害も甚大になるのよ。」

 こっちの被害が甚大になれば商売上、将来の新規顧客獲得に支障をきたすじゃない。

 それに商売するうえで顧客になるかもしれない国の人から恨み買うとかありえないわ。

 それにこっちに来る前に調べた情報から見るとどうもこの侵攻じたいが怪しいのよね。

 なんで今の時期なの。

 農閑期ならわかるけど・・・うーん。

 食料不足はあの万年お花畑頭の二人が自国の分まで食料援助したんだからそんなことになるわけないし、継承問題が敵国で起こっているわけじゃないし・・・こっちに攻め入って来る理由が思い当たらないのよね。

 いったいなんで砦に砲弾なんか・・・うーん。


 メグが城壁の上に思い悩んでいるうちにじれたレリックが突然突撃を始めた。


 あのバカ。

 本当に何考えてるのよ。

 メグがそのまま黙って砦の上から眺めているとレリックの後ろから遅れてレイたちも敵兵に突っ込んでいった。

 敵陣がそれを見て大きく中央を囲むように布陣を変える。

 レリックも筋肉バカだが野生の感が働いたのか囲まれないように方向を瞬時に変えると敵陣の側面に穴を開けるように攻撃の方向を変えていた。

 まあまあね。


「遅くなりました。」

 メグの背後からホソイが声を掛けてきた。

「でっ詳細はわかったの?」

「どちらかといえば王都の方が詳しくわかるんですがね。」

 ホソイはブツブツと文句を言いながらも掴んだ情報を呟いてくれた。

「たぶん五日以内には話が付くんじゃないかと。」

 やっぱりそうか。

 黒幕はだれか検討がつくけど何らかの理由で上層部の目線をこっち側に向けたいと言う訳ね。


 でもなんで?


 まあいいわ。

 5日くらいなら私の商売にもそれほど影響しないから付き合ってあげるわ、お養父とう様。


 もっともこの時にもっとホソイを脅迫してでもわが養父ちちの思惑をよーく調べなかったことを悔やむことになるのはそれからすぐだった。

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