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20.戦いの後はもちろん

 メグはレイが運んでくるご飯に舌鼓をうった。

 う・・・う( ^ω^)・・・旨い。

 何これ。

 この口の中で蕩ける味。

 最高!!!

 メグは思う存分レイが運んでくる食事を堪能した。


 なにこれ。

 なにこれ、うますぎる。

 うーん大満足。


 メグの機嫌は最悪から最高に変わっていた。

 今なら攻めてきた敵を瞬殺出来るほどだ。


 メグの機嫌がすこぶる良くなったところにメグを訪ねて本人がすっかり忘れていた人物がやって来た。

 その人物は食事をしているメグの傍に座るとネチネチと嫌味を言い始めた。

「お久しぶりですね。それにしてもなんで私がこの主戦場の近くの男娼の支配人をしなきゃなんないんですか。私は優雅な王都でゆったり平和につかりながら寝屋で繰り広げられる人間模様をチラ見したり、そこから流れるドロドロとした嫉妬から生まれる噂を集めたりとかして過ごしたかったんです。曲がり間違っても命がかかっているような場所で生きているのを確認するために来る客を相手にしている人間関係を覗きみたりしたくありません。・・・クドクドクド。」


 あらあらあら。

 まだ初日なのにストレスたまっているようね。

 うんうん。

 主人を見捨てて自分だけ得をしようなんてそんな考えの使用人を許すほど甘くないわよ私は。

 もちろん私は出来た人間じゃないから他人の不幸を喜ぶ人種なのよ。

 ふむふむ。

 いいわねぇー。

 不幸なのが自分だけじゃないのって。

 なんだかホントいい気分だわ。


 メグは気分がすこぶる良くなったので相手の心情をまったく考えないでいきなり商売の話に入った。

「ところで売り上げはどうなっているの。」

「いきなりの話題展開。こっちの心情をまったく気にしないでいきなり金の話を振るなんてほんと血がつながっていないはずなのになんでか大旦那様にそっくりですね。」

「でっ売り上げはどうなのよ。」

「昨日も襲撃があったりして混乱してるはずなのに結構儲かってますよ。」

「そうなの。さっすがね。」

 そんなところに男娼館を置くことにした自分を自画自賛した。


「誰に言ってるんですが誰に。」

「でっ何か面白い話はないの。」

「あるわけないじゃないですか。そういえば言い忘れていました。なんなんですかこの移動に対しての高待遇は。いきなり部屋に押し入られて人事異動の紙を渡されて転移門の中に放り込まれ、気が付いたら前線の砦とかホント涙も出ませんよ。」

「よっ主人に頼られる使用人。」

 メグは気分がいいのでほめてみた。


「おだてても何も出てきません。」

「あら、そのすね方もかわいいわね。でも報告は明日にはお願いね。」

「イヤですけどわかりました。あなたの機嫌を損ねてまた違う仕事場に飛ばされるのも面倒くさいので明日からかんばります。それでは私は男娼館に戻ります。」

「お疲れー。」

 メグは声だけかけてすぐに報告してきた人間のことを忘れ去るとレイが持ってきた食事を皿を舐めるように平らげた。


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