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ダンジョンファーマー

{旧 章題:廃ダンジョン脱出編}

挿絵(By みてみん)

もと地下教会ちかきょうかい


第三層サードレイヤー

ダンジョンコアより接続せつぞくする通路つうろさき

アイオライト鉱石こうせきかこまれたせいなる一角いっかく

タンテは伝統でんとうある文化遺産ぶんかいさんながめ、未来みらい景色けしきおもえがく。

『よし。……ここを農地のうちにしよう。』


 ―――ダンジョン作りにはSayがいる!!

               {蘇生編}


目次

①ダンジョンファーマー

②5歳児と言う勿れ

③寮長教授

④古龍を倒す、作戦会議。

⑤救済児と言う勿れ

⑥何故ヒーローは初めから必殺技を使わないのか。

⑦vs.伝説の系譜、バハムート・ルイン戦(第1層、特殊レイヤーボス)

⑧vs.伝説の系譜、バハムート・ルイン戦(第1層、特殊レイヤーボス)②

⑨手の平を太陽に



私はダンジョンマスター?

伝統あるこの地下ダンジョンの支配者だと思う。

名前はルタル・グノーム。

チャームポイントはデニムのオーバーオールに麦わら帽子。

種族で言えば、まんま『土の精霊グノーム』族である。


「うりゃあああああ!!おりゃあああああ!!」


「・・・」


―――――――――


さて。

私とこのダンジョンの

ざっくりとしたプロフィールを説明するならば、

1000年は遡る必要がある。


しかし。

人間との出会いを経たこのダンジョンの

ざっくりとした変遷を説明するのならば、

おおよそ5年でこと足りる。


短いぜ。


「さぁ、ルタルちゃんの~?」


『『――楽しい!!(一同)』』


「年表コーナー!!」


ホクホクだ。

この瞬間、私の人生はホクホクするのだ。


☆ ☆ ☆


【ホクホクの年表コーナー】 

5年前 『最後の抵抗』

・0歳児~

・人間の中級冒険者が私が崩壊させた廃ダンジョンへ赤子を連れてくる。

・副産物として限られた食糧と冒険用装備の一式がダンジョンへ舞い込む。

・全ての食料が赤子のために調理される。

・中級冒険者は食料が尽きて死亡。

・その時、ルタルちゃんは気まずくて見殺しに。

(※声かけれんかった......)

4年前 『巣箱ダンジョン』 

・1歳児~

・赤子、立つ。

・ドラマグラっぽい。

・呂律は弱いが饒舌に喋る。ちょっとキモい。(←取り消せ!!)

・中級冒険者分のマナで養殖イモムシ用の巣箱を作らされる。

・赤子、めっちゃイモムシ食う。

3年前 『身体づくり』

・2歳児~

・呂律がハッキリとし、この世界の言葉も喋れるように。

・食っては寝るをせわしなく繰り返す。

2年前 『ダンジョンコア起動』

・魔法を教えてやった。

・部屋の机からアカムレーター発見。

・滑落しながらも、光眠石Get!!

QSAIキューサイちゃんと出会う。

・ダンジョン創りのSAYという標語を学ぶ。

1年前 『ダンジョン農地化が始まる。』

・第一次産業スタート。

・人間が養虫イモムシに飽き足らず、野菜を作るとか言い始める。

・光石地帯のコケを食用モンスター化。

・突然変異させたコケモンスターを多年草モンスター化。

・土を耕したりして農地拡大。

現在 『ダンジョンファーマー化』

・ルタルちゃん自分を見失う。

・ダンジョンマスターとは何か、と想い更けながら土を耕す。

・その最中、クワを持ち上げた時に腰がブレイク。

・私はきっと、ダンジョンファーマー......


☆ ☆ ☆




というわけで......

意気揚々と祖父から継いだダンジョン経営という生業を一代で廃ダンジョンに追い込んだ後に農場化されて、アイデンティティクライシスに陥った絶世の農家というのが、ザックリとした私のプロフィールである。


「ふふふw ふぁーむw」


くそぅ.....

私は日々農地化されていく畑もといダンジョンを見ながら、

腰をなだめる様に仰向けの姿勢を維持している。


第三層{元:地下教会}

コアから南に広がる黒ミサの名残は、

ウェスティリア地方随一の文化遺産は、

今やリサイクルショップと成り果てた。


崩壊しかけた教会の一部は、レンガを綺麗に解体し、畑の敷居として再利用されている。水はけをよくしたり、地下水の水路を作ったり。ミニ教会を建て直すのにも利用されている。骨や木材などの有機物系は隙あらば処理層トイレへ送られる。古くなった落とし物は、武器や防具なら農具になった。布類ならばその用途は数えきれない。あとさ、ちょっと魔法を教えてやっただけなのに、高所作業は杖でやっちゃうし、魔力をセーブする所は途方もない人力でガツガツ開墾していくし、その流れでルタルちゃんもクワ持つことになっちゃったし。その所為で腰やるしで......


「こんなのダンジョンマスターじゃない~。イヤだ、イヤだ、イヤだ~。」


「マスター、ダンジョンに子供を発見しました。」


 事務的な声の主が腰痛の私に指をさす。


「ありゃ~迷子なの~?よちよちよち、お嬢ちゃん何才なんでちゅか~?お名前は~?」


 クワを持った小さな悪魔が私を見下ろす。

 たかが五歳児にあやされるなんて、

 は!!もしやッこれがバブみを感じてなにがし!?

 そう、わたしは異文化理解に貪欲な女。


「う~、ルタルちゃん今年で165しゃい~!!」


『『 キッ......つ。(一同)』』


「きっ、貴様ら卑怯だ――!!」


――パキッ。


「あぁう~......」


心配する声。

その後、遠のいて行く笑い声。

彼らが進む道。

私の視界にはその2年間の軌跡が映っていた。


ダンジョンの一番奥からは、

人間たちが喉を潤す地下水が。

繋ぐ水路の道中※1には、

光眠石に随時振動を与える水車機構(木製)※2。

ダンジョンの端々には、

旅路の活力を生む瑞々しい人参の様なコケ※3だったものから、

大根の様なコケ※4だったものに、

キャベツの様なコケ※5だったもの。

たまねぎの様なコケ※6だったものに、

ねぎの様なコケ※7だったもの。






――――(注釈コーナー・はじまり)―――――

※1

【ルタン水道橋】

消費DP:10

概要:大掛かりな石材の建築には、モンスター(タンテ・トシカ)の自発的な文化形成が見られる。このような建築は効率的なDPの循環を促す一方で、消費DPが掛からないというお得なメリットがある。ゴブリンなど、知能の高い文化的モンスターをダンジョンに生息させるべきメリットが如実に出た例。実際は危なっかしいのでちょっと手伝った。


※2

【オヤサイ大照明】

消費DP:30

概要:水道橋から流れる地下水の落差を利用して、光眠石に衝撃を与える機構。タンテ・トシカとの合作により消費DPを抑えているが、木材の水車を制作・設置するにあたりコストが比較的掛かる。リソースを変換し生み出せる点を踏まえれば、それでも高コスパ。良い投資だった。


※3

【コケ人参】

消費DP:10

概要:ウコギ科多年草を模したコケモンスター。従来のよく知らないセリ科の人参とは違い、御種人参よりのステータスを持つ。まさかDPを利用したモンスター生成がこのような形で利用されるとは思わなかった。肥沃な土壌と水と光を糧として、攻撃力も防御力も無く、天敵ばかりいるモンスター。故に消費DPも余り掛からず。。。しかしその高い栄養価は、回り回って多くのDPを産み出している。


※4

【コケ大根】

消費DP:10

概要:アブラナ科ダイコン属の越年草を模したコケモンスター。多様なビタミン、食物繊維や酵素を含むこのモンスターは人間の消化促進の一助となる。また一本あたりの質量が大きく満腹感もあるそうだ。


※5

【コケキャベツ】

消費DP:10

概要:当初はレタス…もといレタスを模したコケモンスターであったが、質量、保存性、用途を考慮して品種改良…もといモンスター生成を再度行った代物。アブラナ科アブラナ属の多年草「キャベツ」を模しており、主菜から副菜、メインディッシュの添え物まで幅広くカバーする最高傑作。


※6

【コケたまねぎ】

消費DP:10

概要:ヒガンバナ科ネギ属の多年草を模している。私はダンジョンマスターであって、品種改良に精を出す研究科じゃない。そんなギラギラした思いを胸に滞らせた矢先、遂に生み出した.....!! 伝説的な古龍すらも一撃でノックアウトさせる最高の催涙地雷を発明。ニヤニヤしながら意気揚々とタンテに見せるも即却下。普通の「タマネギ」へシフトする。どこいったの、私のあの芸術レシピ.....


※7

【コケネギ】

消費DP:1

概要:頼まれたからタマネギのついでに作った代物。もうやってらんねー。

風邪に効く。(治療+D)


――――(注釈コーナー・おわり)――――――





つーか。


「私ってスゴイな。」


久しくニートだったので忘れていたが、

人間が吐き落とす消しカスみたいなダンジョンポイントで、

ここまで美味しそうなモンスターを創りだす技術。

教会の謎の力オプションを借りたとは言え開発期間もかなり短い。

さすがダンジョンファーマーもといダンジョンマスターだ。


しかし。

人間が来てから五年目。

私のダンジョンマスターとしての力が、

こんな景色を創り出すとは、夢にも思わなかった。

私には短い五年間も、人間にとっては長いのだろうか。

なんにせよ。

人間が来てからこのダンジョンは、圧倒的な速度で姿を変えた。

乾燥した土壌には地下水と空気が巡り、

滞っていた空気は息を吹き返す様に、

さながらそれは死人が蘇生する瞬間の如く、

動き出した。


タンテ・トシカ。

もう少しであの人間は六歳になる。

六年目は遂にジャガイモづくりに挑戦する様だ。


豊富なカロリーを秘めた炭水化物の化身。

「お米」がダメだった分、私も名誉を挽回しなくては。

ふっふっふっ......w レシピはコチラ⇩!!




☆☆【コケから種芋を創る過程】☆☆

(※モンスター育成です。)


~事前準備~

教会へ行く。(研究オプション+時間EX)

ガラスドームの実験場を起動する。

ダンジョンコアと情報を接続。

研究のためにDPを消費する。


~制作過程~

コケ

コケ型モンスター

カイワレ大根(型モンスター)

大根(型モンスター)

人参(型モンスター)

ジャガイモ(型モンスター)


~感想~

人間をぶっ殺し~!!するようなモンスターとは違い、小さくてライフサイクルの短いコケモンスターの育成研究はかなり簡単。グルグルとコケたちの時間を進めて、何パターンも何パターンも成長過程を予想。最適なモンスターを産み出すまでに必要なのは、僅かなDPと私の根気だけ!根菜類だけにね!!


☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆




よーし^^

そうと決まれば、

早速、種芋の研究だ!!

じゃあー!!


『ねぇえええええぇえぇぇだろうがァアアアアアア・・・!!!』


「だろうがァ・・・!!」


「だろうがぁ・・!」


「だろうg・・」


「だろ..」

 ・

 ・

 ・


――パキッ。


「があ”あ”あ”・・・!!!!!」


腰痛の時に大声を出してはいけない。

私は今日それを学んだから、

私は今日もまた一つ、

昨日よりもまた一つ、

賢くなってしまったのだろうか......


こうして私は、

人間の冒険者が訪れたくなるような

農場を作ってやった。


「・・・うりゃあああああ……!!・・・おりゃあああああ……!!」


あぁ今日も、

堅い地面を耕す音が聞こえてくる。

あれってとっても腰にクル。

ホント、人間ってキライになりそう。


……だけどもね?

まんざらでもないところもあって、

人間の冒険者が持っていた塩コショウを

野菜のダシが取れたスープに入れてやると

中々に旨いものが出来るのである。


人間はそこにイモムシも入れて煮込むのだが、

牡蠣鍋のような感じで美味らしい。

醤油があればと嘆いていたので、

次は大豆でも作らされるのだろうか。

残念、先に追加の塩を手に入れねばな……

私はもちろんイモムシが入る前の

ピュアなスープを飲んでいるのだが、

その為にダンジョンポイントとは別に、

体内へ微量の魔素を取り込むことが出来ている。


微量ずつだが塵積ちりつもである。

これの何が有意義かと言えば、

ダンジョンに還元できる魔法を放つことが出来るのだ。

通常、ダンジョンポイントを利用した私の魔法は、

「昇華」と言って、

魔法使いが回収できない形となり、何処かへと流れていってしまう。


しかし元が私自身の魔力なら、その限りではない。

冒険者や魔物同様、その魔力はダンジョンへと吸われる。

よって。

私は人間に対してその上澄み分だけ「魔法を使って」教えるということが可能になった。

クラシックだが百聞は一見に如かず。

手本は実に重要である。

また{地下教会}に隠された禁書などが魔法の勉強に役立つケースもあり、

有用なそれらをキューちゃんの操る内部コアへ記憶させることで、

人間への魔法修得や歴史の勉強などが捗るようになった。


同時に私もその機能の恩恵にあやかることが出来ている。

モンスターの改良にかかる情報整理だ。

土壌や魔素の種類や配合の管理は今まで結構苦労した。

加えて。

登録した情報を元に、

キューちゃんも独自に勉強してくれているみたいで、

時のたまに良質なアドバイスをくれる。

私達はこれら一連の環境改変を

内部コア上の【研究レベル】と位置付けることにした。


拝啓、51才くらいのルタル・グノーム。

165才の私はいま、

貴女からすれば、

ダンジョンマスターとは呼べない存在なのかも知れない。

もしかしたら、ダンジョンファーマーなのかも知れない。

しかしながらそれでも私はたしかに、

きっとたしかに、

それはとても速い速度で、

このダンジョンと共に、

きっと着実に、

そう着実に、

成長しているのだろうと、

そう思うのです。

思うのです。

うのです。

のです。

です。

でs…





















{ダンジョンステータス}

内部コア(搭載OS:Que Sera Artificial Intelligence)

研究レベル:1 +1(発見・地下教会の魔導書など)←New!!

DPダンジョンポイント :30 +30(タンテ一般魔法放出) 

MPモンスターポイント :160 +105(野菜畑、各20×5)

               →カイワレ大根(ミニ畑)+5

               →大根(畑)+20

               →人参(畑)+20

               →元レタス→現キャベツ(畑)+20

               →たまねぎ(畑) +20

               →ネギ(畑)+20

RPリソースポイント) :100 +80(光眠石、大量光源化。)

タイプ:多層城地下型

構 成:全6層  

状 態:農家ダンジョン ←New!!、???

称 号:???

危険度:レベル1(G級)







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