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それぞれの思惑

新学期早々、今日も朝から絶好調に煩い俺の彼女…気取りのバカ女、笹川柚葉。

数字で言うなら5号ってとこだ。

同じクラスだから接点が多いだけに無駄にウザい。


「…って感じなんだけど、あの学校って和馬くんの知り合いがいるんでしょ? 頼んでみてよ!」


はぁ…相変わらずのバカ女だな。


いい加減目障りなんだが、こいつに寄生してる女共とまとめて後で用途があることを考えると、まだ手放す訳にはいかない。

顔だけはいいからな…。


しかし…高梨がまた絡んでくるとはな。

とりあえず横川って奴の件はもう無理だろう。

高梨がこいつのことを言わない訳がないからな。

自分が謝ったから大丈夫なんて、頭の中が沸いてるだろこいつ。

つか、最後に謝れば高梨が全部許してくれるとかまだ信じてるのか?


まぁアホは無視してそれよりも高梨だ。

面白そうだから、中学のときの延長戦でもさせてやろうか。

あのときは傑作だったからな。

女関係の話を聞かれたときは焦ったが、このバカ女も結果的に上手く動いたお陰で早めに潰すことに成功した。

女同士の繋がりを利用すれば、噂を広げることも、クラスの間抜け共を高梨=悪で統一させることも簡単なことだった。

どいつもこいつもそんなに仲間外れが怖いか?(笑)


だが、今回は女を利用したパターンは難しいからな…とりあえずあの二人を動かしてみるか。

上手くいけば俺が楽しめる、ダメでも噂をばら撒くくらいでリスクはないだろう。簡単なゲームだ。


それに俺は今、本命狙いで忙しいんだよ。

5号は当然、高梨もそこまで構ってる暇はない…


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「おい、どうする?」

「山崎のやつ完全に俺らのことパシリだと思ってるよな」

「つか、山崎と高梨に繋がりがあるとはな。」

「噂なんか広めたって、俺らに何の旨みもないだろ。」

「あの一件以降、山崎のやつ俺らに女を回さなくなったからな…」

「共犯に思われたくねーし、あいつからの女は要らねー」

「だな。それなら高梨呼び出して、これをネタに女でも用意させた方がよっぽど旨いぜ。あいつ妙に女の繋がり多いからよ」

「俺は薩川先輩がいいんだけどな」

「あの人は止めとけ、先輩達みたいにされるぞ」

「噂はどうする?」

「そんなメンドクセーこと、田上にやらせとけ。あいつ薩川先輩のファンクラブだから勝手に動くだろ」


------------------------------------------


「高梨…高梨…」


姫に寄生する害虫は俺が駆除してやる。

しかしいいことを聞いた、あいつら俺を利用してるつもりなんだろうが、俺が利用してやるんだ。

高梨を駆除してやれば姫が俺に感謝してくれるのは間違いない…そして俺と姫は…ぐふふ


------------------------------------------


あれ? あの辺りは確か高梨くんの下駄箱だったような…


ちょっと不審な感じの男子が、今何かを入れたようだ。


まさかラブレター? 男子が男子に?

ないとは言わないけど…いや、もしそうなら宜しくない手紙の可能性が高いでしょ。

というかまだ高梨くんの下駄箱って決まった訳じゃないし。


とりあえず扉の名前を見れば…


「こんにちは、藤堂さん」


「あ、こんにちは、薩川先輩」


薩川先輩から話しかけてくるなんて珍しい…というか、以前なら考えられなかった。

まぁ高梨くんが関係してるからであって、そうでなければこんな風に話すこともなかったよね。


でも薩川先輩が高梨くんの彼女…今でも信じられない…


「こんにちは。どうかした? なんか考え込んでたみたいだけど。」


夕月先輩が言っているのはさっきのラブレター(?)のことだよね? 高梨くんの彼女なのが信じられないって思ってた部分じゃないよね?


「えっと、今ですね、下駄箱に何かを入れた男子がいたんですけど…高梨くんの下駄箱の辺りだったような」


そこまで私の話を聞くと、お二人は躊躇せずに高梨くんの下駄箱を開けた。


えぇぇ…いいのかなぁ


夕月先輩が下駄箱の中から紙を取り出した。

やはり手紙のような…


夕月先輩がそのまま二つ折りにされていた手紙を開いてしまった。


「放課後に屋上で待つ。その場で暴露されたくなければ一人で来いよ、ストーカー野郎」


暴露?

ストーカー野郎?

高梨くんが?


「ストーカー? よくわからないけど、さてどうしようかな。選択肢としては、この…」


「手紙を今の内に回収して、この件は私が処理をします。」


どうやら薩川先輩は、高梨くんに知らせないつもりらしい。

それよりも私的には気になるフレーズが


「うーん…ねえ藤堂さん、この手紙を入れた人ってどんな感じだった?」


「そうですね…その、ちょっと動きがオドオドしているというか、アニメとか好きそうかな…って」


「あー、それは沙羅のファンク」

「そんな目障りなものは存在しません」

「あ、ハイ」


高梨くんの名前、ストーカー、暴露…


嫌な予感がする。

でも…


「あの、その人と会うんですよね?」


恐らく薩川先輩は、高梨くんの代わりに行って何かするつもりなのだろう。


「ええ。どう処分するかは、まずは話を聞いてからですが……裏を白状させなければ」


薩川先輩が何かボソッと呟いた。


「沙羅、念のために私も行くからね。」


「いえ、これは私が」


「ダメ、以前のこともあるから一人では行かせない。もし私を連れていかないなら、高梨くんに話す。」


以前何かあったのだろうか?

夕月先輩の、一歩も引く気はないと言わんばかりの迫力に圧されたのか、薩川先輩が渋々と頷いた


「はぁ…わかりました。その場でどんな話があっても私を…一成さんを信用するという条件を飲むならいいですよ。」


「ふふん、それは愚問だね…私が二人を信用しない訳ないでしょ。というか、そんなことを言うということは…」


「それ以上無駄口を叩くなら連れていきません」


薩川先輩の言う信用という言葉は、ますます私に焦りと疑惑を生み出させる。

ひょっとしたら…そう考えると私はどうしてもその話が聞きたかった


「あの、私も行っていいですか? 人数は多い方が安全だと思いますし」


「? 藤堂さんもですか? ですが貴方は」


「お願いします…私も連れていって下さい」


本気で言っていることをわかってもらう為に、私は薩川先輩から目をそらさない。


「………わかりました。理由があるようですね。夏海と同じ条件…」

「大丈夫です。高梨くんを信用すればいいんですよね?」


間髪入れずに即答する。


私だって高梨くんの人となりは見てきたつもりだ。

もし高梨くんが「たかなしかずなり」だったとしても、あの噂を鵜呑みにするつもりはない。


「そうですか。では放課後に待ち合わせましょう…約束はしましたよ?」


わかっていますね?

そう言われたかのように薩川先輩から剣呑な空気が放たれている。

そして目が怖い…高梨くんのいなかった頃の薩川先輩はこんな感じだったのだろうか…

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