原因
やる気のない足取りで洗面所に向かうソルシーに、ティディはため息をこぼした。
「すみません。あの子朝弱くて」
「そのようですね」
「それにしても、本当に昔のヴィリアラお嬢様ですね。私が服を買ってこなければ、今もこのようなお姿をしていたのですかね」
「安心して、ティディが服を買ってこようが無かろうがこんな姿はしていないから」
「少し安心しました。私に責任が無くて」
どうしてこうも私の周りの大人は正直なのだろうか?
「戻りましたよ〜。それにしても」
ソルシーはニーファの膝に座っている私を抱き抱えた。
「かっわいい〜! ヴィリー様すっごく可愛い! こんな時期もヴィリー様にあったのですね!」
「むー! やめてよ、頬すりすりしないで!」
「えー、良いじゃないですか! ヴィリー様もちもちしてて可愛いんですもん! 今のヴィリー様からでしか得られない良さです!」
「やーだー! シスタ〜」
「もう、やめなさい、嫌がってるでしょ!」
「痛っ! 暴力反対〜」
「いいから離しなさい!」
「はいはい分かりましたよ〜」
ソルシーから解放されてすぐ、シスタの元に避難した。
「シスタ、抱っこ」
「ふふ、はい。お姉様は甘えん坊さんですね」
「別にそういうのじゃないもん」
「私の時もそれくらい照れてくれても良いじゃないですか」
「照れてないもん」
「え〜、そうですか〜?」
ニヤニヤとムカつくな。
「もう、ヴィリアラお嬢様を揶揄わないの!」
「はいはい。それにしても、今日はこんな朝早くにどうしたんですか? 私にヴィリー様の可愛い姿を見せにきたわけではありませんよね」
「そんなわけないでしょ。私がこんな姿になったのソルシーのせいじゃないの?」
ソルシーは首を傾げて考え込んでいるようだ。
「もしかしたら……」
ソルシーは一つの瓶を持ってきた。
「多分これですね〜。ヴィリー様昨日これ飲んだでしょう」
「飲んだけど……。だって飲んでいいって言ってたじゃん」
「多分スティーディアが片付けた時にこれだけ混ざったんだと思います」
「私のせいにしないでよ」
「でも片付けたのスティーディアだし」
「そんなことどうでもいいから。そもそもそれ何?」
「若返りの薬です」
でしょうね。それ以外何があるんだ。
「何でそんなのあるの?」
「基本的には治療の為ですね。たとえば、今の歳では体力的に受けられない治療でも、いくつか若ければ受けられるという人などに需要がありますね」
「てことは戻る?」
「戻りますよ。そうですね、最短で二日、長くとも一週間くらいですね」
「……え?」
最短で二日?
「つまりこの格好で学園に行けと?」
私はティディの方を見る。私の言いたいことを察したのか、申し訳なさそうにしている。
「当然欠席扱いになってしまいますね。この子のせいとはいえ、特別扱いはできませんから」
何でだよー! 私何か悪いことした⁉︎ してないよ!
「大丈夫ですよお姉様。私がついていますから」
「ま、まあ、髪切って昔の服着ればなんとかなる……か?」
「あ、髪切るのはお勧めしません。元に戻る時に伸ばした分の髪を戻そうと働くので、もしかしたら髪の毛が無くなるかもしれませんから」
何そのクソシステム……。
「じゃあこの格好で過ごせと?」
「頑張って誤魔化してくださいね」
他人事だと思いやがって! バレたら絶対に許さないから!




