二次創作のネタ
そのあとはここは学園で、しかも休日だというのに散々ソルシーに魔法を教えられたりして、夕方になってようやく解放された。
ただただ魔法を語れる相手が欲しかっただけのようだ。
「はぁ、疲れた」
「おかえりなさいませ、ヴィリアラ様」
「ニーファ、戻ってたんだ。じゃあシスタも?」
「はい。今は部屋で勉強していると思われます」
「そっかそっか。シスタは凄いな。私は散々授業されて脳が疲れたよ」
「ソルシー様に会いに行かれていたのですよね?」
「そうだよ。ソルシーに散々魔法の座学をされた挙げ句に実技までさせられたんだよ。だから今日はもう疲れた。明日が最後の休みだし、朝練済ませたら静かに過ごすよ」
「ヴィリアラ様は本当に勉強が嫌いですね。苦手なわけではないですのに」
「私は体を動かすことの方が性に合うから。魔法も座学が無ければ楽しいんだけど」
「私は座学の方が好きでしたけどね。あまり魔法を使うのは得意ではなかったので」
そういえばニーファの魔法って見たことないな。使えるには使えるらしいけど。
「ニーファの属性って何?」
「炎の操作型です。私が操れるのは小さい焚き火程度ですが」
「使えるだけ凄いじゃん」
「ヴィリアラ様に言われると複雑ですね」
「そうかもね」
「認めるんですか」
「認めます」
ニーファはやれやれといった感じで少し微笑んだ。
「ヴィリアラ様らしいです」
「どんなところが?」
「素直なところです」
「ニーファだからだよ」
ニーファは嬉しそうに私の頭を撫でた。まだまだ子ども扱いが抜けきれていないようだ。
「ありがとうございます」
◇◆◇◆◇
私の朝は早い。平日も休日も基本は四時起き。だから、ニーファよりも活動が早かったりする。
「ふわぁ〜。眠い……」
なんかいつもより声が高い気がするんだけど、気のせいかな?
「痛った! 痛〜。何これ、シーツ?」
私は引っかかったと思われる布に目をやると、段々と血の気が引いていくのを感じる。
「私の服?」
よく見たら手も袖で覆われている。ズボンは脱げているから上一枚の状態だ。
急いで鏡を見ると、髪の長い、幼少期の私がそこにはいた。
「な、何これー! ニーファ、ニーファ! って、いるはずないか。ど、どうしよう。そもそもなんで⁉︎」
可能性としては一人しか思い浮かばない。いや、だとしても理解できない。なんでこんな姿に……。
そもそもこんな格好じゃ出歩けない。でもニーファが来るまで一時間はある。
ニーファがいるのは使用人寮でここから距離もあるし、そもそも寮の開放時間が一時間後だからどうしようもない。でもずっとこの姿のまま一人でニーファを待ってるのも嫌だ。……心苦しいが仕方ない。緊急事態だし、許してくれるはず。
「シスタ、シスタ起きて!」
私は周りの迷惑にならないように、少し控えめにシスタの部屋をノックする。
しばらくして、ガチャっと音が鳴り、ゆっくりとドアが開かれる。
「はい、どなたですか? ……え⁉︎」
視線を下に移したシスタは、私の姿を見て眠そうな目が一気に見開いた。
「え、え? お姉様? え? でもどうして?」
「起きたらこんな格好になってたの!」
「え、その、大丈夫ですか? 違和感とかありませんか⁉︎」
大アリだよ! と言いたいが、シスタもそういう意図では言っていないことくらい分かる。寝起きで混乱しているせいで変な言い回しになっているだけだ。
「体が小さくなった以外は特にないよ」
本当におかしなセリフだよ。本当に何これ。こんなのどう考えても二次創作でやるようなネタでしょ。どこの名探偵だよ私。
「その、とりあえずどうすれば良いですか?」
「そうだね、とりあえず服をどうにかしたい。シスタ小さめの服とか持ってない?」
「探すだけ探してみますね」
「お願い」
それにしても、こうして見るとシスタってこんなに大人になったんだな。下から見上げるなんて滅多にないし、なんだか新鮮。




