作戦会議①
授業も終わり、隠蔽もどうにかなったので、リシアを部屋に招待する。持ち物について何か言われたらシスタとニーファのやつって言っておこう。誤魔化せないやつはラウザの私物が紛れ込んでたとでも言おう。
「どうぞ」
「お邪魔します」
リシアを椅子に座らせて、お茶とお菓子を出す。
「遠慮しないで、全然手をつけて貰っていいからね。むしろ片付けを考えると手をつけてほしい。それと、はいリシア、これ持っておいて」
「鍵ですか?」
「うん。この方がリシアも安心でしょう? あ、でも鍵穴に挿しておいた方がいいかな?」
「大丈夫ですよ。ヴィリアン様のことは信頼していますので。それに──」
「それに?」
「あ、いえ、何でもありません。それで、私に相談したい事って何ですか?」
それになんて言われたらドキドキするんですけど⁉︎ 一応隠したつもりではあるけど、やっぱり何か疑わしい物残ってる? そんな事無いと思うけど⁉︎ 匂い? 匂いなのか⁉︎
「ヴィリアン様?」
「あ、ごめん、ちょっと整理していてね。リシアに相談したいと思ったことは、今朝リシアが言った、味方をつけるって事なんだけど」
「そのことでしたか。やはり安直すぎたでしょうか?」
「ううん、そんなことないよ。ただ、現状を考えても、数人味方になったところで焼け石に水だと思うんだよね。それに、正直私達って変わり者扱いでしょ? 地位目当てで仲良くなろうとしてくる人はいるけど、本気で仲良くしようとする人はいない。認めたくはないけど、シスタと関わっている以上、敬遠されてしまう。それほどまでに、呪い、特に悪魔の存在はこの世界では害だから」
「そうですね。昨日機会がありましたので、アドラ様とお話させていただいたのですが、明らかに周りの態度が変わってしまわれたと仰られておりました」
「やっぱり今の状態じゃ私達の立場がただただ悪くなるだけなんだよね。だからさ、各々の味方を増やそうと思っているんだ」
「味方ですか?」
「そう。味方が増えれば、シスタを庇うことはなくとも、傷つける人は減る。そうなれば、数人でもシスタを守る事ができる。私もシスタの意を汲んで、皆を信じて首を突っ込む事を控える。今じゃ敵が多すぎて、どうしても私の精神が不安定になる事が多い。だから、シスタの成長の為にも、私の自制の為にも、皆に頑張ってもらって各々の味方を増やして欲しいんだ」
「それは良い考えだと思います。人数が多いと、逃げられてしまえば犯人も分からなくなりますしね。味方が増えれば、情報も回ってくると思いますし、犯人を特定できて注意もしやすくなると思います」
注意か〜。私の場合注意で済むかな? 済まないだろうな〜。
「リシアに賛成してもらえて良かったよ。それで本題に移りたいんだけど」
私は茶をどかして、ノートとペンをテーブルの上に用意した。
「どうやって味方を増やせば良いと思う? 特にあのアホ三メンズ。あいつらには何と言われようと今まで私に迷惑をかけてきた分、シスタの為に動いてもらうから、リシアの力が欲しいんだ。私だと主観が入りすぎて無理としか思えないから」
あいつら攻略対象なだけあって身分と見てくれは良いし、キーマンだから捨てられないんだよね。本当ならあんな奴らに頼りたくないけど、ここは我慢だ私。




